民間資格・無資格でもできる『整体・カイロ』は叩かれやすいが、整形外科などの医師・医療は身体に触れる症状緩和のアプローチがない

本来は整形外科医や理学療法士が整体・カイロ以上の『患者の身体に触れて苦痛・異常を緩和する手技』を身に付けるのが良いが、医師はまず患者の筋肉・神経を修復する手技に関心がないのがある。

頭引っ張られ激痛・しびれ… 整体やカイロで重傷の例も

整形外科は湿布を貰ったり電気治療・リハビリを受ける目的で行くのなら良いが、『身体の痛み・筋肉のこり・神経の異常』に対して直接的に何かの治療・措置をしてくれるわけではない。医師が整体師並みに『なぜその痛み・こりが出るかの解剖学的・神経学的なメカニズムと対処法』を熱心に説明すればまだ納得しやすいかも。

結局、慢性的な筋肉・神経の異常・治りにくい痛みや症状に対して現代医学では『画像診断に映らない異常は分かりません』というしかない現状であり、医学が整体・カイロに患者を取られる大きな要因は『その場で少しでも患者の苦痛・症状を和らげる身体に触れる物理的措置』を医師はまずしてくれないという事に尽きるだろう。

医療の歴史的起源の一つは『手当て』で、信頼できる人が患部に手を触れるだけで一定の痛みや不快感の緩和効果があるのはよく知られている。子供の頭痛・腹痛に対し母親が温かい手を当てるだけでもだいぶ痛みが和らぐ。整形外科もマッサージ的な『広義の手当て(患者の身体のつらい場所に触れる医療)』は強いニーズはある。

現代医療は科学的な診断技術に依拠する割合が高まった反動として、『患者本人の身体』を医師が直接に視診や触診で細かい部分までチェックする習慣がなくなってきている。肩こり・腰痛・筋肉痛・神経痛などにしても、画像診断も有効だが患者の身体をしっかり見て触れて動かしながら説明する心理的作用は非常に大きいだろう。

身体に触れてつらいこりや痛みを緩和する施術には『資格問題』がつきまとうが、軽症なら身体を軽くもんだり押したりストレッチしたりする家族間のマッサージレベルでも効果がある。プロとアマの境界線が曖昧で、つらい症状に対し『どこに行けばいいか分からない・病院では専門的手技は施術してくれない』という問題である。

整体師・カイロプラクティック・マッサージなどは資格者でも無資格者でも『技量・配慮の個人差』が大きいが、この分野の資格問題が厳しく規制できない理由は『整体・マッサージは厳密には医療行為ではない=医師・特定診療科が専門家として整体・マッサージを引き受けているわけではない』からである。

整体・カイロを『無資格に近い危険な施術家』とするのはかなりの偏見と個人的には思うが、この身体を物理的措置の手技で修復して癒す分野を『厳しく規制すべき医療行為』と定義するならば、病院・クリニックが『現状、整体・カイロでしているサービス以上の安全・有効な手技』を提供(診療科標榜)できなければならない。

因果関係も、医師じゃないから整体・カイロでの健康被害の事故が多いのではなく、医師も『複雑な身体の痛み・異常を訴える患者の身体に触れるリスク』があるから、敢えて患者の身体に触れる施術をしない側面がある。国家資格の有無に限らず筋肉・神経の複雑な症状の手技による調整は重症例ほど一定のリスクが生じるはずだ。

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