安倍政権に追風吹かす北朝鮮のミサイル発射と内閣府『国民生活に関する世論調査』と防衛予算煽る産経新聞か…この調査で現在の生活について過去最高の計73.9%が『満足・まあ満足』と回答、防衛・安保にもっと力を入れろという意見が増加した。今の日本は株価・上場企業・公務員に限れば最後の晩餐で消費も煽られる。
現在の日本はアメリカと並ぶ格差社会になったため、世論調査で日本全体の豊かさや満足の実感の推測は難しくなった。若者と高齢者だけでなく、現役の大手と中小(正規と非正規)、民間と公務員、資産のある家とない家では同じ社会に生きている感覚も薄まる。単純に平均賞与60万以上があるかないかで景気実感は正反対になる。
今の日本の景気は経済指標から見れば良いが、景気が良くてもその恩恵を『実際の金額増加』として実感できる層は、現役労働者でいえば約半分程度に限定される。会社が過去最高益、月給の増額、平均超の賞与があるなどの人か、数千万以上の単位で投資をしている人は、今は景気が良くて旅行にも行きやすい時代と感じやすい。
もう一つは、高齢者は格差も大きいが金融資産1億円超のプチ富裕層がかなりの割合で残っていて、退職したばかりの大手勤務の団塊世代も数千万以上の退職金+貯金を握り締めているということである。今でさえ何百万以上を騙される特殊詐欺の被害は減らないことも傍証だが、65歳前後は貧富の格差が大きい。
日本の人口動態と社会保障会計、生活保護増加を前提にすれば、2025年当たりを境界とする『最後の晩餐』である可能性も高いが、『そこそこに経済・家庭の生活に満足している層』と『今の経済・生活に満足していない層』の双方が北朝鮮問題に刺激され、防衛費増額を求め更に社会保障財源・福祉が削られる流れが強まる。
アメリカと日本の軍需産業・復古主義(国民統制)の政治家・拡大志向の防衛官僚からすれば『北朝鮮という軍事的脅威』が、自らの存在意義と軍事費増額の正当性を担保してくれる役割を果たす。ヨーロッパ諸国はEUが結成されて以降、国境紛争リスクが低下したため、防衛予算より社保・教育予算に重点を置くようになったが…
北朝鮮の核・ミサイル問題の脅威によって、世論が社会保障を切り詰めてでも国債残高を増やしてでも、防衛費を増やすべきだと来れば、アメリカの政府・軍産複合体は不要不急な高額な最新兵器を大量に購入させられるビジネスチャンスを掴むことになるが、最新鋭のステルス戦闘機1機が数百億円以上する異常な市場である。