ネオリベラリズムは大企業・資本流入を優先して労働者をコストとして軽視するが、企業が幾ら利益を上げ内部留保を蓄積しても、企業の社会貢献・利益還流が『低率の法人税』しかなければ、一般労働者の雇用条件や生活は改善しない。
日本の税制の歴史的推移や直間比率の変化を見ると、税収不足の原因の一つは『所得税・法人税などの直接税』を段階的に減税し、『庶民に幅広くかける間接税・物品税』に置き換えてきたからである。
しかし、『国際競争力・研究開発コスト・累進性の不公正・稼ぐ個人の働く意欲』の理由で直接税の増税は政治的・心情的に困難となった。経済成長戦略の中心は『規制緩和・特区+法人税減税』で『イノベーションと新商品の市場による新規需要増加』の王道としての経済政策は殆ど諦めムードになってしまっている。
法人税を減税すべき理由は『国内の大企業・富裕層の海外流出』や『海外の資本・企業が投資せず支店を置かない』等だが、日本の法人税率を欧米先進国でなく新興諸国(韓国・シンガポール・台湾・香港など)と比べるのはおかしいのであって、フランスやドイツ、イタリアなどの税率は必ずしも日本より高いわけではない。