神奈川県厚木市の父親による男児遺棄事件:子供より女・男を優先してしまう親の業

自分の子供よりも男・女との色恋沙汰を優先して虐待や殺人が起こってしまう事件はあるが『育児ノイローゼ(育児のストレス・疲労の限界と一時的な精神異常)』による虐待・殺害より無責任さは際立つ。

父親「恋人に気持ち傾き、養育怠る」 厚木の男児遺棄

記事には、妻と子供(男児)と暮らしていたアパートを2005年頃に出たとあるが、アパートを出る以前に『妻との夫婦関係の破綻・妻が家から出てしまっている(別居・離婚した)状態』があったのか。妻がアパートに残っていれば、男児は死亡しないだろうから、既に夫婦揃っての養育環境は壊れていたのだろう。

夫婦揃って、5歳の自分の子供がどうなっているのかに興味関心を持たず心配して家に戻ることもなかったのは異常だが、その後の報道では容疑者の父親のDVが激しくて、母親は家にいられなくなり出て行った(その後には一度も家に帰っていない)とあった。

容疑者の父親は『唯一の養育者である自分がいなくなれば子供がどうなるかくらいの想像力』もなかったのか、ただ目の前の嫌な子育ての現実を見えなくすれば逃げられるという逃避の心理機制に陥ったのか……。母親もDV被害者ではあるが、そのようなDV男に子供を任せる危険性を察知して、一緒に子供を連れ出してあげることができれば良かったのだろうが。

女との刹那的関係に逃げるのは典型的な現実逃避の心理ではあるが、完全な育児放棄をするにせよ、子供を児童相談所・病院(赤ちゃんポストに預けるには大きすぎるが)・警察等の近くまで連れて行き、自分だけ姿を晦まして電話で『子供をお願いします』の一報を入れるくらいの最低限の安全確保の配慮はできなかったのか。