栃木女児殺人事件におけるDNA操作のミスと勝又容疑者の残酷な犯行の心理

栃木女児殺人事件はDNA捜査のサンプリングミスから迷宮入りの恐れもあったが、母親と別件の詐欺事件で逮捕された勝又拓哉容疑者が女児殺害の余罪をほのめかして供述した事で露見した特異な事例ではある。

<栃木女児殺害>「口封じのため」刺殺 容疑者を殺人で起訴

現代のDNA捜査でさえ初歩的なミスやサンプルの取り違えがあるのだから、過去のDNA検査の誤りで足利事件などの『冤罪事件』が生まれたのも納得できるが、DNAを『真犯人探索の決め手』にするには、照合可能なDNAのデータベースが小さすぎる。全国民のDNA採取は監視社会・システム的冤罪のリスクが別にあるが。

執拗な刺し傷のある残酷な女児殺害の動機は、ペドファイル(小児性愛)やサディズムといった異常性欲が絡んだものかもしれないが、共感性の欠如(他者の道具化)や他者の生命・権利を尊重できないといった根本的な人格構造(パーソナリティ)の歪みや偏りが極めて深刻という印象を受ける。

普段の勝俣被告がどのような人物像なのか知る由もないが、画像に見える表情・態度・雰囲気からは『現実世界に生きているリアリティ』が希薄ですべてが他人事という印象を受け、『今・ここにいる自分や他人』に対する関心も弱く見える。現実を否認するために構築したある種の妄想・幻想・変性意識が凶悪犯罪の動因になったのだろうか。