人口減少社会(高齢化社会)の労働力・税収の確保、社会保障費削減の為に、今まで非労働者層だった『女性・高齢者の潜在労働力』を活用したいとする政策だが、『輝く女性』の抽象的な賛美モデルより『労働条件の整備・雇用の安定と働き甲斐』が求められる。
今まで補助的な労働者として位置づけられていた前線をいったん退いた女性を、中核的な働き手・所得水準に再配置することは企業側の都合・キャリアで難しいだけではなく、大半の女性が“Shine worker”という政府主導の観念的・財政の都合的なモデルに関心が薄く、“必要により働く”の域を超えられるか。
“SHINE”という英単語をキラキラとした感じに装飾せずに、そのままの無骨なフォントでタイトルにすると、確かに視覚的にローマ字読みされやすくなってしまう。過労死問題・ブラック企業のイメージとも重なり、『輝けと死ねのシニカルな重ね合わせ』を見てしまう人も多いのかもしれないが。
女性を輝かせる、高齢者を生き生きとさせるという労働部門の経済成長戦略を有効にするには『女性の個別的なライフステージと仕事との両立可能性』や『高齢者の健康維持と社会参加意欲の高まり』がなければならないが、『労働・仕事による自己実現や輝かしい感覚』を自覚できる仕事に自発的に取り組みたい層をどう増やせるかが鍵になる。