教育委員会が設定したスマホ利用時間のルールには強制力はないが、中学生くらいの年代の『友達関係(友人グループ)の凝集性・緊密さ』を考えると、LINEやSNSに『早く返信しなければならない(学校が終わっても自分だけの時間が持てなくなる)という義務感・煩わしさ』を緩和する一助にはなり得るかもしれない。
インターネット以前の時代には、友達とのやり取りを気にするのは『学校・放課後・休日の対面している間』だけで良かったが、ネット社会の現在では『学校の人間関係から解放される時間』を学校・教委・家庭・地域も協力して作って上げないと、『何で無視しているんだ?』という身勝手な友人からの圧力や逆恨み(いじめ)を受けかねないということもあるのだろう。
ネットの対話・返信の要求だけではなく、人から何かに誘われたり返答を要請された時に、『自分の自由意思・優先度の判断・興味関心の度合い』によって断ろうとすると、『俺(私)のことはどうでもいいのか・自分のことばかり優先して付き合いの悪い奴だ』といった拗ねた受け取り方をする人が一定の割合ででてくる恐れはあるものではある。
そういった時に、『自分以外のルール・用事・家庭(他人)』を介在させることで、『断る理由・返事ができない状況』に納得してもらいやすくなるということはあるかもしれない。まぁ、強制力はないので、夜間にスマホをやりたい人がいればやるのだろうが、『友達からの返信』を義務的なものとして期待せずに、自分一人でもできるネット閲覧やゲームなどをして楽しむ方向に使い方をシフトすべきだろう。
大人でも飲み会とか遊びに誘われた時に、『俺は行きたくないから行かないという(別にあなたと遊びたいと思うほどの強い興味が湧かないという)ストレートな回答』はそれがたとえ本音であるにしても、コミュニケーション能力や協調性の欠落とみなされやすい。『疲れているから・早く帰って休みたいから・他のことをやりたいから』といった理由もあまり親しくない知人や仕事上の付き合いでは言いにくいものではある。
しかし、『家庭の用事があるから(妻・夫がうるさいから)・別の相手との先約があるから』といった自分の意思・考えとは無縁な理由を持ち出すことによって、建前ではあっても『自分が行きたくないわけではない(返事をしたくないわけではない)』ということを間接的に示すことはできる。
子供達にとっては『学校で決められたルール』というものも、『自分が返事をしたくないわけではないけど、学校や先生が夜はスマホをするなといっていて、親もうるさいから』という角の立たない断りの理由になりやすいし、お互いに夜間の頻繁な連絡をやめたらやめたで『夜は自分の好きなこと(勉強・ゲーム・テレビ・読書・趣味など)ができる気楽さ』を楽しめるかもしれない。
歩きスマホや自転車に乗りながらのスマホ使用は、車・他人との衝突リスクを高めるので、未成年に限らず大人も含めてやめるべきだが、本人からすれば『ほんの少しの時間だからという意識』でついついやってしまうのだろうか。
外でスマホで何かをやるなら一旦停止してどこかに腰掛けるなどしてゆっくりやればいい(終わってから歩き始めればいい)のだが、『時間感覚の吝嗇さ(一分でも損したくないケチさ)』によって人とぶつかって怪我をしたり(させたり)大きな事故の原因になったりすれば、余計に膨大な時間と治療費などの無駄になるだけである。