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甘利明元大臣が『睡眠障害』で1ヶ月休養:政治家の社会的診断・入院は多いけれど。

答弁しづらい状況で病気になる政治家は多いが「睡眠障害」は各種の眠れない症状群であって「正式な精神疾患名」ではない。眠れないと訴え睡眠薬が処方された状態で、精神病と異なり回復しやすい。

甘利氏、「睡眠障害」で1カ月休養 辞任以降、国会出ず

甘利明氏がここで「うつ病・パニック障害・適応障害」など具体的な精神疾患名を上げて議会を休むと、再登院した時に「そんなにすぐに精神疾患が治るのか・うつ病は難治だが元気で思考力も保たれているのはおかしい』との詐病疑惑を受けやすいが、睡眠障害なら一過性のストレス反応が投薬治療で治ったに整合性が成り立つ。

甘利氏はこの収賄疑惑で議員人生を退くわけではなく、安倍政権が参院選後にも継続する可能性は高い。『スキャンダル収束後の次の入閣機会』を伺って暫くは雌伏しなければならず、迂闊な答弁をして自分の責任を重くしないためにも、ストレス性の回復しやすい睡眠障害は暫時の診断名として手練な選択ではある。

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信頼できない知人とお金を貸し借りするリスク、 『薔薇の名前』のウンベルト・エーコが死去

加古川市のアルバイト女性殺人や入院中に知り合った40男に大学生が殺された事件では、共に『約100万の金を貸した側』が返済を求め殺されている。後ろ楯のない人が金を貸す場合はよほど信頼できる相手でないと『徴収不能と逆恨みのリスク』がある。善意で金を貸して、その金が返済されないどころか殺されるのはバカらしいことだが、殺人では結構多い動機である。

金貸しは返せない相手に無理矢理に返済を求めて、執拗な督促と恫喝で追い込む悪徳なイメージが強いが、貸し手が強いのは『相手に返せる能力・返す意思』があり、『逆ギレの暴力・無視で踏み倒されない実力や後ろ楯』があったり裏切りも納得できる深い関係がある場合に限られる。個人間では徴収力や強制力を甘く見られやすい。

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丸山和也議員の『オバマ大統領は奴隷(の子孫)』の失言の真意はどこにあったのか?

丸山和也議員の発言の主旨は『旧奴隷の子孫でも大統領になれる』という米国の人種差別撤廃の歴史と人種構成の変化を礼賛するものだが、アメリカの黒人が皆、過去に奴隷であったような『歴史事実の誤認』が根底にあったのだろう。

丸山氏に辞職勧告案提出=「奴隷」発言、自民も非難―民主など

丸山議員はオバマ大統領の出自・祖先について米国の旧奴隷身分だと誤解しているが、言いたかったのは『過去に差別されていた黒人(非白人)でも大統領・議員になれる』とか『白人が支配層を形成していた米国の権力構造が大きく変化して有色人種の有力者(人口)が増えている』とかいう事なのだろう。

『日本が米国の第51州になる夢』について語る文脈で丸山議員は、『黒人のオバマ大統領は奴隷ですよ、はっきり言って』とか『建国時に黒人・奴隷がアメリカの大統領になるとは考えもしない』と言っている。単純に『黒人=昔は全員が白人に屈した自由・公民権のない奴隷』という誤った歴史認識を持っていたのだろう。

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女子高生によるデートDVの増加:若い女性からの暴言・暴力は『恋愛の力関係・本人の性格』の現れだが。

女性から男性が身体的暴力を受ける確率は低いが、DVをする人は性別を問わず『自分に精神的に依存・従属する型の相手』を探して選ぶ。『対等な立場での対話・付き合い』に不快を感じるので、『親密さと従順さが一致しない相手』に深入りしない特徴があったりもする。

女子高生のデートDV増 「モンスター彼女」は今や普通

DVやモラハラを受けるリスクがみんなにあるかといえば、生まれながらの気質・人格やコミュニケーション・付き合い方の姿勢によって『受けやすい人と受けにくい人の違い』はあるだろう。DV・モラハラをする人は『理不尽・わがままな要求含め自分を全面的に受け容れる依存・従属しやすい人』を見分ける嗅覚が鋭いものだ。

反対に、なかなかDVやモラハラを受けない人は、『好きな相手でも超えることを許さぬ自己の尊厳領域を持つ人』であり、『親しき仲にも礼儀あり』で打ち解けた間柄と何でもむちゃくちゃやっていい関係とを区別している。『相手の人間性・生き方・倫理の評価が大きく下がれば自分から切り捨てられる姿勢』を示せる人でもある。

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清原和博選手の薬物による転落:斉の孟嘗君(史記)のエピソードを思う

一流選手の挫折には伊良部氏の自殺があったが清原氏も一時自殺寸前までいったという。華やかな生活・名声・人脈・結婚からの転落と人間不信は辛いが自殺や薬物の逃避から何とか立ち直って欲しい。

元プロ野球、清原容疑者を逮捕=覚せい剤取締法違反容疑―警視庁

多くの有名人や落伍者が、脳に直接的な快楽・陶酔・高揚をもたらしてくれる薬物に逃避する。何も頑張らなくても使用するだけで心地よくなれる薬の誘惑は、精神状態や過去の使用歴によっては耐えがたいものになり得る。だからこそ一回も使用すべきでないし薬物を使いたくなる心理・環境・人とのつながりが既に自滅的である。

違法薬物を使用する者は、不可避的に『嘘をついて生きる人生』を歩まざるを得ず、清原和博氏もその例外ではなくテレビ番組で『薬物使用歴はないとの嘘』をついてその場しのぎをしたが、嘘をつく生き方というのは必然に自尊心と前向きな意欲を奪い取っていき、自己嫌悪から更に薬物に依存する認知を再生産するリスクを孕む。

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釈迦(ブッダ)とイエス・キリストの死から『無常・不死願望』を考える:知識・教養の効用とは何か?

東洋の仏教(釈迦)と西洋のキリスト教の最大の違いは『死の捉え方』にある。釈迦は死を『無記』として諦める他ない人の無常の定めとする(浄土思想はキリストに近い)が、キリストは『死と復活の物語』で人間の不死願望(消滅の不安・無意味さ)を満たそうとする。この『魂の不死+理性による救済』はソクラテスまで遡る。

ソクラテスの毒ニンジンの自死とキリストの十字架の刑死は『ヨーロッパ文明の礎石』だが、仏教や釈迦の涅槃と比べれば人が死ねば消滅するしかない現実を受け容れられない人間臭い思想だろう。『理性(ソクラテス)と信仰(キリスト)』で死(消滅・無意味)に抗い、理屈好きのギリシアの哲学者達さえも非理性的な『魂の不死』を信じた。

ヨーロッパ文明の源流にあるギリシア哲学とキリスト教は、『死ぬ人の有限性の限界』を理性教と宗教で克服しようとした営為だろう。ソクラテスとプラトンはイデア思想によって『肉体が滅びた後の愛知者の魂は不死』という理性信仰を掲げ、キリストはより大衆的に『神を信じれば死と復活で永遠の幸せが約束される』と説いた。

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