進化的には恋愛の結果としての子作り・家族ではなく優れた子孫を確実に残しやすい生殖の為に恋愛・家族が発達したが、恋愛離れは『利己的遺伝子への自我・私意識の反逆』といった意味合いもあるような気がする……。
「若者が恋愛しない理由」が話題 原因は「お金」か、それとも他に「娯楽」があるから?
人間は性欲を含め『本能が壊れた動物』といわれる。それは利己的遺伝子が脳の内分泌系に仕込んだ本能は『セックスをしたい・魅力的な異性に近づきたい』までで、『子孫を残す本来の目的』までがっちりカバーできておらず、文化・慣習(婚姻)・共同体圧力の力を借りなければ遺伝子保存から逸脱しやすいからである。
猿人から新人へと進化した人類だが、大脳皮質の異常肥大は生物としての生存・生殖という自然の摂理の枠組みから外れる『精神と思想の遊び・個人の意識・文化の創造』を生んだ。生物の情報複製をメカニカルに統御する利己的遺伝子が、数百万年先の未来で起こる自意識と計算・避妊・技術・長寿・娯楽に想定外の影響を受けた。
人類は長らく宗教と家系(血縁主義)によって、子供を残すことの普遍的価値を後世に伝えてきたが、その前提になったのは王侯貴族・富豪であっても簡単に若死にする近代以前の『個人の余りにも短い人生と虚しさ』であった。自分の生きた証や死後も残る先祖(自分)の霊と祭祀の宗教感覚は人の生命の儚さを強く慰安していた。
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安倍首相が『ポツダム宣言』を読んでいないことが取り沙汰されているが、当時の日本が無条件降伏と日本軍解散に同意する旨を受諾した事実をなかったことにし、『連合国側の第二次世界大戦の理解』に過ぎないと第三者の立場から牽制するのは、日本国の連続的な歴史的信任に責任を持つべき最高権力者として不見識の謗りは免れないのではないかと思う。
『ポツダム宣言』を現在の段階から受諾する・しないの議論はナンセンスだが、ポツダム宣言は連合軍にも甚大な犠牲を生んだ総力戦を終結させるための最後通牒としては『日本国民の生命・権利・土地・財産』に対し大きな譲歩がなされた宣言としての側面も持つ。連合国は従前の戦勝国よりも人道的な戦後処理を意図している。
無条件降伏の突きつけが連合軍の横暴だったかは微妙だ。ポツダム宣言にあるように『合衆国・英帝国・中華民国の陸・海・空軍は日本軍の数倍の力を有し、日本の軍・国土に対し最後的打撃を加え得る態勢を整えていたから』だが、近代日本の占領地を放棄して軍が平常の生活に戻ればそれ以上の侵略支配をしないと明言している。
大東亜共栄圏・八紘一宇を掲げた大日本帝国の占領支配の方法は、天皇をアジア広域の国父・元首とするパターナリスティックなもので、見方によっては温情主義的ではあるが各地の自由主義・人権・民族自決は抑圧されがちだった。ナチスドイツと連合軍の米英の戦争・統治も、自国民の自由と権利、戦争の目的に違いがある。
ポツダム宣言以前にも、日本はこの宣言より有利な条件で降伏できる機会があったこと、ハルノートの前後で日米戦争を避けるか初期の段階で講和に持ち込むかの交渉の文脈があったことが、『昭和天皇独白録』における御前会議の記録から伺われるが、過去の支配地への固執と強硬な条件突き付けで戦況が国家滅亡寸前に至った。
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“日本の防衛・米国の世界戦略・国際平和支援・緊急事態”が混同された法案群であり、時の政権の判断のみによってやろうと思えば何でもできる(世界のどこにでも様々な理由をつけて自衛隊を派遣可能となり自国の国防以外のミッションでの犠牲者が増える)というのが最大の問題なのだろう。
安倍政権の安保法制改革は『中国脅威論』を根拠にするが、『米中接近・世界経済の相互補完性・中国の中流階層の増大(共産党一党体制の軍事偏重から意識が離れていく層の増加)』がある為、米の日本に対する安保法制関連の要請の本質は、『中東とアフリカの軍事的管理・対テロ戦争への協力・軍需産業の維持(新兵器開発の必要性の訴え)』にある。
「戦争する国」にせず=安保法制Q&A作成―自民
コーヒーやバター、乳製品などに続いてチョコも値上げになるようだ。庶民の生活必需品の物価高騰が続く状態なのに、日本の労働者の平均賃金は微減のトレンドを見せているので生活が厳しい。
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『結婚と出産の倫理的順序』が残る日本・韓国などの地域は離婚率も低いが未婚化・少子化も進んでいるから、“できちゃった結婚”を認めなかったり倫理的に批判したりすることにも一長一短がある。
でき婚を否定する人の理由は、『できなければ結婚しなかった可能性・非自発的で消極的選択に過ぎない(本気で初めから相手と結婚しようという計画や覚悟がなく仕方なく結婚しているように見える)』などだと思われるが、先進国では積極的選択の早婚というのは減少傾向が続いている。
初めから交際の先に計画的な結婚を見据えている人が減っているということであり、現代では本気で結婚したい人の場合(出産可能年齢などの問題を意識しはじめた人の場合)には、恋愛をする前の段階で『結婚するつもりの有無』を相手にしっかり確認したほうが良いのかもしれない。
めでたい? それとも……「できちゃった婚」について、男の本音をズバリ聞いてみた!
反対派の理想の結婚というのは、本人が好きな相手と結婚したいと思い自発的・積極的にする、子供を持つ時は事前に計画を立て入籍して仕事も調整してから妊娠するというものだろう。
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動物虐待は『生命(人生)の価値の懐疑』とセットになった反社会性だが、自分が愛情や共感を受けてこなかった成育歴が関係する事も多い。なぜ動物・人を殺してはいけないのかという倫理的な問いかけに対して、『相手の立場に立った想像力』がほとんど働かないか、相手の痛みや不快を無視した行動を反射的にやってしまう。
激しい暴力でよその飼い犬を殺した小学生。重い刑の可能性も
小さな子供は大半は犬・猫・うさぎ・鳥などの動物が好きなもので、ちょっと触れば『ふわふわして可愛い』とはしゃぎ、動物と目が合ったり餌を食べにちょこちょこ近づいて来ると『自分になついて可愛い・うちでも飼ってみたい』となるものである。
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森博嗣の『すべてがFになる』からのS&MシリーズとVシリーズは全て読んだ。その後の作品群は、ライトなキャラ小説に傾いた感じもあるが、漫画化や映像化のしやすさにも配慮した本を書いていて、『売れる本(時代性・ニーズに合わせた本)』を書けるプロ作家だと思う。
西之園萌絵と犀川創平が活躍するS&Mシリーズは、浮世離れしたお嬢様+学者のコンビで知的な謎解きに合っていて、二人のちょっと斜めに構えた『人生観・世界観の論議』が好きだった記憶がある。
アニメ「すべてがFになる」10月放送開始 スタッフ、キャラクター、ティザーPV公開
『φは壊れたね』からのギリシア文字を掲げるGシリーズも西之園萌絵・犀川創平が登場するが、主人公の女子大生が変更されたようだ。森博嗣自身が大学教員であることもあって、大学・院を舞台に『俗世間の価値観』の弱い世界観を作り、金持ちのお嬢様で『経済的制約』を無くしているが、キャンパスライフと斜に構えた思考遊戯の融合の面白さがあった。
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