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相対的貧困はなぜ大衆層・中流層から理解してもらいにくいのか?:貧困の主張がわがまま・甘えと誤解されやすい

『相対的貧困』は階層流動性が落ちた現代の閉塞感の一因だろう。貧困再生産を恐れて少子化にもなる。先進国の『人並みの文化的生活のレベル』は高コストであり子孫の世代に付与しづらくなった。

「貧困たたき」する前に…相対的貧困の意味、知っていますか?

高度経済成長と一億総中流社会を経験した戦後日本は、歴史上で初めて庶民層が『貧困・惨めさ・劣等感』を一時的に払拭して、『物質的・文化教養的に豊かなライフスタイル』を子供世代に付与できたが、そんな中流の生活様式を『誰でも実現できて当たり前』の感覚になった所で、経済成長が終わり格差が開いた反動が大きい。

1970~80年代頃までは親・家の事情で学力があっても進学を断念する子は珍しくなかったし、社会階層の違いによる機会・仕事の不平等も現実として受け容れられていた。だが現代は建前として『機会の平等=親による子の不利益のゼロ化』が規範としてあり、相対的貧困は機会の不平等・子の理不尽をもたらす社会悪となる。

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老後の生活不安で個人投資額は4年連続増加。老後に必要な貯金は2875万円らしいが。

現代の気分が閉塞する原因の一つが、若い時から『老後の人生設計・高齢化と社会保障』に意識が囚われ、将来の備えに追われ続けている事だろう。『制度的な先細りの予定調和』の圧力によって、いくらお金を貯金していても足りないという不安が強くなるし、年金の減額や制度の改悪というのが常にプレッシャーとして働きやすい。

老後に必要な預貯金2875万円…貯蓄より投資に移行!? 資金運用は4年連続増

近代国家は国民の老後・障害・病気に備えるため『税・保険料』による社会保障(年金・福祉・健康保険)を制度的に充実させてきたが、経済成長と人口ボーナスが終わって『低成長・人口減少のターン』になってから、これらが『再分配後の格差・生活苦の一因(負担と給付で恩恵を得られるのは現高齢者だけ)』にもなった。

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AI・ロボットの進歩は『正社員減少』だけではなく『労働以外の人の価値・生きがい』を浮き彫りにする

アメリカの発明家レイ・カーツワイルが、2045年にはAI(人工知能)とロボットが人間の知能を遥かに凌駕して自律的に人間の手を借りず学習・業務ができるようになる『シンギュラリティ(技術的特異点)』に到達するという神話的予言をしてから、AI関連の話題や書籍が急速に増えている。

SFの小説や映画ではAI・ロボットの究極の理想は、人間とほぼ同じ外観・機能を持ち、人間を遥かに超えた知能・肉体の能力を持ちながらも人間の思い通りに動いてくれるお馴染みのサーバント(奴隷)型の『ヒューマノイド』の作製にある。だが、完全なヒト型のヒューマノイド作製は技術的・原理的なハードルが非常に高く、現実的には『何らかの役割・目的に特化したプログラム+仕事に合わせてオーダメイドする非汎用型ロボット』になるだろう。

AI・ロボットのもう一つの理想とされるものは『産業ロボット・サービスロボット・自動化システム』の高度な進歩によって、人間社会や産業活動を自動的・効率的・計画的に運用したり対人コミュニケーション(合わない相手との対面)のストレスを最小化したり、監視カメラやセンサーなどの環境調整システムを社会・機械(車・建物など)に織り込むことで『完全法執行システム(違法行為やマナー違反をあらかじめ検知可能にして原理的に人が悪事をほとんどできなくなる仕組みの実用化)』を構築することである。

この理想はヒューマノイド以上に既存の人間の自由や尊厳を損なうものであるが、現代においてさえも『アルコールの息を検知したらエンジンをかからないようにしろ・どこで犯罪が起きてもその場面を撮影して後で犯人を特定できるように監視カメラを網羅的に設置せよ(更に全国民のDNA・指紋・虹彩などの生体データ提出を義務化して犯罪ゼロを目指せ)・列車の飛び込み自殺できないようなホームドアを完全敷設せよ』などの環境管理による秩序維持の意見は多い。

『個人がどのようにしても社会や他人が好ましく思わない犯罪・マナー違反をあらかじめ環境制御システムによって押さえ込むべき』とする考え方は、AI・ロボットが進歩する社会と親和的なものであり、心を持つ人間に監視されることに不快感や怒りを感じる人はいても、無機的な監視カメラやセンサーに監視されることなら許せるという人は多いのである。

心と人間関係(コネ)を持たず利権・感情に揺り動かされないAI・ロボットが監視・法執行をするのであれば、かなりの部分の人間は犯罪者・マナー違反者をあらかじめ検知して抑制や警告、排除をしていく『AI・ロボットの秩序維持システム』を歓迎する可能性は小さくはなさそうな気がする。

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子供全体から見れば『虐待死』は極めて少ないが、現代人の理想は高い:情状酌量が減り犯罪が厳しく叩かれる現代

今、一年間に生まれる子供数は約100万人、認知される虐待数は増加しているが、虐待死71人は比率的には少ない。0歳時の生後すぐの遺棄致死は未成年の混乱が多く、知識と判断力があれば中絶件数に入る。

虐待死の子ども、0歳児が初めて6割超える 14年度

虐待死や望まない出産がゼロに近づくことは理想だが、子供の1000万人以上の母数で71人の殺害は、比率的には『99.9%の親は子供を殺しはしない』ことの裏付けでもある。虐待死ゼロは、日本で虐待・嬰児の殺害が多かった戦後の混乱期だけでなく、諸外国を含め達成された事がないが、人の個人差・不完全さでもある。

現代で犯罪や子殺しへの世間的な非難が極めて激しくなった背景には、『絶対的貧困がほぼなくなったこと(親が生きるために子を間引きせざるを得ない事情が考えにくい)』と『妊娠・避妊・善悪・養育責任などの知識がない人がほぼいなくなったこと(知っていて責任感があれば不幸な結果を概ね避けられる)』があるだろう。

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独身の男性の7割、女性の6割に恋人がいない, 望む子供数も2.32人で過去最低に:厚労省調査

独身の男性の7割、女性の6割に恋人がおらず性体験率も低いのは、享楽的・同調的な恋愛文化の衰退か。『経済的問題と将来不安・恋愛以外の娯楽増加・異性の選り好みと受身・若者の同性社会化』等の複合要因だろう。

<出生動向調査>望む子の数2.32人 過去最低

恋愛にせよ結婚にせよ、少し前まで『皆がするからしないといけない・好きになってくれる異性がいないと恥ずかしい・いずれ結婚出産する』の前提がある全員参加のライフイベントで、多くは『一定年齢で結婚できない事(生活できない・世間体が悪い・周りと自分だけ違う等)』を恐れて婚姻・出生率は自ずと高水準を維持した。

現代の若年層は子供を持つ意欲以前に、異性との恋愛に後ろ向きになっているが、若い男同士・女同士が集まる場所では今でも『異性・恋愛・結婚についての話題』はやはり多いのではないかと思う。その恋愛観や異性の基準などが自分の実像・状況に照らして『現実的』な人が減ったのかもしれない。

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外国人観光客に人気の『民泊』の規制緩和なるか、政府方針は『年間営業180日を上限』に。

日本は観光業に寄与する『民泊』の市場規模は現時点でゼロに近いので、規制緩和の新規市場として伸びる可能性はある。『住宅地の民泊』は集団客を避ける等の近隣住民への騒音の迷惑に配慮が必要だろう。

<民泊法案>年180日上限、政府方針 条例で削減可能

日本は旅館業法の許認可制の規制が厳しいため、『ホテル・旅館』と『民家』の区別が厳格に行われ、設備の整った宿泊施設で届け出をしないと有料で人を宿泊させる業務は営めなかった(単発の客はバレないにせよ)外国人観光客の急増と外国人のホームステイ型の民泊好きを含めれば、民泊の新規市場はいずれ開拓される事になる。

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