1995年からインターネット時代が到来したとされるが、2010年からはデバイスがパソコンからタブレットやスマートフォンに転換されるようになり、より様々な年代・属性・地域の人がインターネットにアプリを介してアクセスする『本格的なネット時代(ウェブ社会)』が幕を開けた。
寸断されない分散ネットワークの軍事技術から転用されたインターネット(WWW)は、産業革命クラスのイノベーションであり、人々のライフスタイルや情報環境、価値観に非常に大きな影響を与えたが、産業革命との最大の違いは『経済成長・雇用増大・所得増加のインパクトが弱い情報革命(コミュニケーションと情報を巡る精神活動・人間関係に影響が大きくでた革命)』という点にあった。
インターネットは効率化・合理化を急速に推し進めて生産性・利益率を高めたが、その多くは『人的労働力を必要としない生産性の向上』であり、ITSの技術革新はそれに追いつくことのできない大多数の潜在的な労働力を置き去りにしてしまっただけでなく、『従来の仕事の単価』をアウトソーシングとクラウドソーシング(ウェブ上におけるタスクごとの個別契約)が大きく引き下げた。
更には、ウェブ上にアップされ続ける『膨大無数なコンテンツ+物理的制約を超えたコミュニケーション機会』が、お金のかからない“フリー経済”の領域を拡大して、プロバイダ(キャリア)の固定費さえ払えば終わりなく情報・コミュニケーション・ゲームの娯楽を享受し続けられる特殊な非物理的環境を整えた。
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総合評価 73点/100点
世界最高のクリエイターやプレゼンテイターとして評価されるアップル創設者のスティーブ・ジョブズの人生を映画化した作品。特に、共同設立者スティーブ・ウォズニアックをはじめとする身近な仲間たちと一緒に、アップル社を小さなガレージで起業して軌道に乗せ、次第に大企業として成長していくまでのプロセス、その時々におけるジョブズの生々しい人間性や人間関係の対立を詳細に描いている。
アップル社が大きくなっていくに従って『スティーブ・ジョブズと旧友だった初期メンバーとの意識の差』が開いていくが、ジョブズは『現在のアップルに必要のない人材』だと見れば即座に首を切る冷淡さも併せ持つ。旧知の友人でスタートアップのメンバーであっても、技術者・管理者としての能力が低ければストックオプションの報酬を与えないまま退職にまで追い込み、旧友から怨みを買ったりもする。
スティーブ・ジョブズの成功の起点は、商売っ気のない趣味で基盤いじりを楽しむコンピューターオタクだったスティーブ・ウォズニアックの自作のコンピューターのマザーボードに、『個人用のパーソナルコンピューター(パソコン)の時代の到来』を予感したことだった。
こんなものを個人で買いたがる奴なんていないと自嘲するウォズニアックに、ジョブズは絶対にこれは売れるようになると断言し、暇をしている仲間を集めて『ガレージでの人力の量産体制』を何とか作り上げて納期に間に合わせた。2012年に世界最高の時価総額の企業となったアップルの第一歩は、こんな個人事業に毛が生えたような所から始まった。アメリカ企業史でも卓越した成功事例だとされる。
ジョブズは猛烈な行動力と営業力、説得力のあるプレゼンテーションと負けず嫌いの交渉によって、何の知名度も実績もなかったアップル社のパソコンを売り込んで融資を取り付ける事にも成功する。当時のコンピューター産業の巨人であったIBMがまだ独占していない『パソコンのニッチ市場』に深く食い込み、マッキントッシュでは目に見える形で直感的操作がしやすい革新的なGUIを開発した。
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タブレットの王道となりつつあるiPadの新モデルが発売されたが、今回の変更点は以下のような感じで革新的な変化とまではいかないかもしれない。
1.64ビットCPUである“A7”の採用による処理速度の向上。
2.9.7インチのiPad Airの薄型化・軽量化。
3.iPad miniへのRetinaディスプレイの搭載。
それでもタブレットとしての使いやすさやディスプレイの液晶の精細さは、他社のタブレットと比較すれば上回っているので、初めてタブレットを買う人やAppleフリークな人には有力な選択肢になるのだろう。価格は他社製品よりもかなり高めではあるが、いったん買えば地面・水に落とさない限りそう簡単に壊れる商品ではないので、数年間は使い続けることができる。
パソコンの用途があまりない人は、タブレットに変えてしまう人も増えているようで、『パソコン市場の低迷』は『タブレット市場の成長』とリンクする形で進んでいる。
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