「国際情勢」カテゴリーアーカイブ

イスラム国の人質事件:2億円の身代金から女性テロリストの解放に条件が変更。

イスラム国の人質事件。国家がどこまで自国民を保護すべきか、国際紛争で一方に軍事・資金面で協力した場合(集団安保発動時)の敵からの反撃リスクにどう対処するのかが問われる。日米同盟・西側協調から身代金の支払いは困難だが、交渉窓口を作れればフランスやドイツのように水面下の価格交渉は可能かもしれない。

憲法9条を改正し、軍隊の創設・軍事力の強化を行い、日米同盟を深めれば安全保障は磐石になる(事前に敵を抑止・威圧して自国民を守れる)という安倍政権の構想は、『世界最強の軍事国家の米国』で大勢の国民・兵士が戦いやテロで殺され続けているのを見ても根拠は薄い。米国の理念を不満とする敵と向き合う覚悟を要す。

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パリの新聞社『シャルリー・エブド』の襲撃事件:近代の『唯物論・科学主義・自由主義』と折り合えないイスラーム

近代化とは『唯物論・科学主義の世界観』を前提とする時代の革命的変化で、前近代の宗教霊魂・怪物など全て『無知・迷信』として退けたが、『目に見えない霊的・価値的な真理』を求める人間の本性は消えない。

フランス・パリの新聞社『シャルリー・エブド』がイスラム過激派を含むグループに襲撃されたが、この事件も『目に見えないものを想像の産物として軽視する近代社会』との深刻な価値対立に根ざしているものである。

アラーやムハンマドの風刺は、キリスト教が十分に世俗化してパロディにしても許されるヨーロッパ社会では 、『多様な風刺コンテンツの一つ』に過ぎないが、そのロジックはイスラム教や生活様式が十分に世俗化・近代化していないイスラム圏にはほとんど通用しない一人よがりなものでもある。

ローマ法王「信仰の侮辱」戒める 仏新聞社襲撃

近代人は『唯物論・科学主義』を真理とする法的・社会的秩序の世界で生きているため、『目に見えないものの価値の信奉』によって『人命・自由』を侵害しても良いとする原理主義を深く理解しにくい。宗教も幽霊も怪物も消費されるコンテンツの一つとなり、『全ての出来事を妖怪のせい』にする妖怪ウォッチ的なフィクションである。

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パリの新聞社『シャルリー・エブド』が、イスラム過激派に襲撃され12名死亡:人間中心と神中心の価値観の対立

世俗化した人権尊重の近代国家では『人命』の優先度は高いが、イスラム教圏ではテロ否定でも『神・信仰』が人命に優越すると信じる者は多い。人命より国家・神・共同体を優先する思想は前近代の主流だったとも言えるが、現代では『反欧米の宗教原理主義・過激主義』として言論や人命、自由主義を否定する活動が目立ち始めている。

パリの新聞社襲撃、12人死亡 イスラム教風刺で物議

イスラム教も含む前近代的な価値観(近代初期も含む価値観)の特徴は、『私は私・他人は他人』という個人主義の寛容な価値観(人それぞれ)を受け付けにくいということであり、国家(天皇)のために個人(国民)が生命を捨ててでも奉公する戦前の日本も例外ではなかった。

フランスのパリで、イスラムや宗教信仰を風刺する漫画などを掲載していた新聞社
『シャルリー・エブド』が襲撃されて記者ら12人が殺害されたが、逮捕されたシェリフ・クアシ(32)は、イスラム過激派の戦闘訓練・外国派遣を支援した容疑で実刑判決を受けていたという。

フランスのテロ支援に対する刑罰は思ったよりも軽いようである。聖戦(ジハード)と称する戦争・テロに戦闘員を派遣したり訓練したりしたシェリフ・クアシは、懲役3年の刑罰を受けただけですぐに出所しており、その後に今回の新聞社襲撃事件を計画実行することになった。

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少子化問題が意識されはじめたトルコとエルドアン大統領の『避妊は国家反逆罪』の発言

トルコのようなイスラム教圏の中進国でも、経済成長・消費文明化(個人主義化)による『少子化のトレンド』を政治が強権的に解決する事は難しい。『女性を出産の道具にするような大統領の発言』は、国際社会における信任低下や人権意識が低いとの見方を招く。

トルコ大統領「避妊は国家反逆罪」 結婚式で演説

歴史上、国家・納税のために義務的な子作りに嫌々ながら勤しんだ男女は殆どいなかった。避妊や子供数が少ないことを、国家の最高権力者が『国家反逆罪』と呼ぶのは、人間の本性を解さぬ茶番に過ぎない。人間は詰まる所、『生みたいから生む』でないと子供に愛情を注いで育てにくい、『強制して生ませる』も反自然的だろう。

無知で非力な女性が、訳も分からず親から決められた相手(中年男)に嫁がされ、相手の家から子供を生む役割や家事雑事をこなす役割を押し付けられ、10代から産めるだけの数の子供を産ませられる一部の途上国の男尊女卑社会は、確かに少子化とは無縁で安価な労働力を再生産できるがそんな社会に逆行したい人が殆どいない。

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アメリカの軍事外交と日本の自民党政治が志向する『グローバリズム+ネオリベラリズム』は自国民に何をもたらすか?

ブッシュJr.政権時代のアメリカは9.11の米国同時多発テロに対する報復措置としてアルカイダのウサマ・ビンラディンを匿ったという理由で『アフガン戦争(2001年)』を断行し、客観的証拠の無いまま大量破壊兵器(化学・生物兵器)を保有しているという疑惑でフセイン政権を転覆させる『イラク戦争(2003~2010年)』を強行した。

アフガン戦争もイラク戦争も広義の『テロとの戦い』を大義名分として戦われたが、独裁者の圧政とイスラム原理主義の狂信を排除して欧米先進国の基本統治理念(人権思想・自由民主主義)を教え込むという『アメリカの上から目線の占領統治政策』は概ね失敗に終わった。

『イラクの自由作戦』と銘打たれた戦後の占領統治作戦は、アメリカの持てる軍事力と経済力、兵員の生命・健康を甚大に消耗疲弊させたが、アメリカがイラクの国家と人民をマリキ政権の下で革命的に転換させようとした試みはことごとく徒労に終わり、戦争開始から10年以上が経過した現在でもイラク国内の情勢は自爆テロが繰り返されるなど極めて不穏で危険な状態が続いている。

米軍は石油利権の市場開放を行って石油メジャーと外国人投資家を喜ばせはしたが、中途半端な戦後処理によってイラクの内政と経済はガタガタとなり、反米感情の高まりとテロリズムの続発を放置したまま米軍は撤退せざるを得なかった。

結局、アフガンのタリバン(イスラム過激派)もイラクの反米武装勢力(アルカイダ残党・新派閥)も一掃されることはなく、戦争以前よりも反米勢力・テロ組織の活動が活発化してもはや収拾がつかない。更にイラクとシリアのイスラム国(ISIS)という『反欧米主義・シャリーア遵守のイスラム過激派集団』が拡大傾向を示して、『中東全域の民主化・近代化・市場開放・武装組織排除』という欧米の悲願は打ち砕かれつつある。

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沖縄県知事選で“辺野古移設反対派”の翁長雄志氏(前那覇市長)が当選

宜野湾市の『普天間飛行場』は、市街地上空を米軍の戦闘機や輸送ヘリが頻繁に飛行する日本で最も危険な駐留米軍基地であり、日米軍事同盟の負担が偏って集積している『沖縄県の政治的位置づけの象徴』でもある。

普天間飛行場は自公政権下のアメリカとの交渉によって、普天間よりは県民への危険性が低い『名護市辺野古沖の埋立地』に移設されることが決定していたが、民主党の政権交代時に鳩山由紀夫元首相が『県外移設』を切り出したことで、米軍基地の半永久的な滞在を歓迎しない沖縄県民の本音が噴出した。

鳩山氏が米国との具体的な県外移設交渉を進展させられずに暗礁に乗り上げたことで、『普天間飛行場』は再び辺野古沖移設の前案に差し戻された。だが、いったん県外移設の夢を見せられた沖縄県議と過半の沖縄県民は『県外移設案』に留まり、自民党の沖縄県議にも自民党方針に逆らう県外移設を主張し続けて、除名処分を受ける者が少なからず出ている。

沖縄県知事選 翁長氏が初当選

沖縄県知事選では、普天間飛行場の辺野古移設を沖縄県の産業振興・雇用促進の地方交付金と補助金の増額(グアム移転・嘉手納基地返還を含む基地負担の包括的軽減策)によって認める方針であった現職の仲井真弘多(なかいまひろかず)前知事は落選した。

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