「ニュース」カテゴリーアーカイブ

岡山県倉敷市の女児監禁事件と“妄想体系・自尊心の肥大・人生の挫折感”が絡む被告の心理的要因

不気味な欲望や幼稚な妄想を感じさせる事件だが、藤原武被告(49)は博士号取得の大阪大学大学院で就職に挫折してから大学の知人とは没連絡となり、離婚後に更に社会・他者から遠ざかったともいう。

「夫婦の時間楽しんだ」=女児支配、日記で克明に―49歳男、7日初公判・倉敷監禁

就職が難しい人文系(哲学科)の博士課程ではあるが、一種のポスドク問題による就活の失敗と自尊心の崩れ、女性関係の不遇、脱社会的環境による現実認識の異常から生じた事件か。

勉強次元のエリートが挫折後に自意識と生き方を立て直せかった事が背景にあると思われるが、勉強・仕事での成功欲求(条件面の付加価値)と理想の女性が結びつき過ぎていた結果でもある。

藤原被告は学生時代には女っ気のない真面目一辺倒な人だったという印象が語られるが、それは20代まで女に興味・欲望がなかったからではなく『学歴・仕事での成果を上げれば理想の女に相手にして貰えるという通俗的な希望』 で(みんなが遊んでる時に)今必死に頑張れば後で良いことがあるという人生設計(先憂後楽の戦略)があったからだろう。

続きを読む 岡山県倉敷市の女児監禁事件と“妄想体系・自尊心の肥大・人生の挫折感”が絡む被告の心理的要因

“アップルペイ”など電子決済サービスの増加と規格のガラパゴス化

ネット通販の拡大やクレジットカードの発行枚数の増加などにより、現金決済ではない電子決済をする人・機会が増えているが、アップル社もiPhone6から『アップルペイ』というNFC(非接触型)形式のおサイフケータイのような電子決済サービスを導入することになった。

日本では当面アップルペイに対応した読み取り装置が店舗に設置されないため、アップルペイで買い物をすることはできないが、先行するアメリカで十分な規模にまで決算額が増えてくれば日本でもある程度は普及する可能性があるだろう。

電子決済サービス・電子マネーは僕も結構頻繁に使っているが、おサイフケータイは一時期ドコモのDCMXのクレジットカードと紐付けられたものを使っていたが、スマホを使い出した頃くらいから本体を取り出すのが面倒になって、通常のクレジットカードか各店舗専用の電子マネーしか使わなくなった。

アップルペイやおサイフケータイは確かに、通常の財布を完全に持ち歩かなくても良いくらいに使える場所が多ければ非常に便利だと思うが、現状では『おサイフケータイが使えない店舗・サービス』も多いので、クレジットカードと比較しても使い勝手が良いとは言えない。

続きを読む “アップルペイ”など電子決済サービスの増加と規格のガラパゴス化

香港の行政長官選挙デモ(普通選挙要求)と中国共産党の思惑:一国二制度の形骸化

近代香港の歴史は、イギリスからアヘン輸入を強要される不条理な言いがかりをつけられた『アヘン戦争(1842年)』における清王朝(中国)の屈辱的な敗北と永久割譲によって始まった。第二次世界大戦中の1941~1945年には、軍事侵攻した日本軍の軍事行政下に置かれたこともあるが、戦後は再び1997年まで香港はイギリスの統治下に置かれた。

香港の人々は、英国流の近代啓蒙主義の民主的な政治制度や自由主義・人権思想、資本主義の経済活動の影響を強く受けることになり、中国の主権(中国共産党のイデオロギー・統制教育・強権支配)が及ばなかった約150年の間に『東洋の真珠』と呼ばれる巨大金融・貿易センターへと拡大的に発展していった。

香港、週内に公開対話へ 政府と学生団体が合意

香港は日本の東京(東証)を凌駕する巨大金融センターであり、ニューヨークとロンドンに次ぐ金融の規模を誇り、経済活動の自由度と税率の低さ・経済規制の少なさは世界トップレベル、世界各地から莫大な投資マネーと多国籍企業の出先事務所が押し寄せてくる。

一人当たりGDPは日本よりも高くグローバルエリート層が集積するが、近年貧富の格差が拡大傾向にあり財政状況も悪化しているため、中国本土からの資金援助に頼る割合は増えているとも言われる。

中国も香港の経済競争力の重要性を認識しており、香港の経済力と対外イメージを保つためには『香港の経済活動・人民の行動の自由度の保障』が必要だと考え、香港はマカオと同じく中国の一国二制度の対象になっている。香港は民主制・軍事・外交を除いた高度な自治権を認められた『特別行政区』であり、特に経済・財政・金融・起業の分野においては中国本土と切り離された相当に高度な自治(自由度)が認められている。

続きを読む 香港の行政長官選挙デモ(普通選挙要求)と中国共産党の思惑:一国二制度の形骸化

北海道南幌町で発生した女子高生による母・祖母の殺害事件:しつけと虐待、家族関係の風通し

しつけと称する虐待(暴力的体罰・家からの締出しや隔離・恐怖を伴う精神的萎縮)の問題はあるが、暴行・殺害に発展する前に『家族関係の悪化・負の感情の鬱積・会話不能』の兆候は必ず出てくる。

<北海道祖母と母殺害>高2女子「しつけ厳しく逃れたく…」

親の子供に対する威厳と恐怖は異なる。過度の暴力や罰則によって子供を恐怖させたり激怒させたり従属させたりする状況は『親が子に慕われている・子が親の注意に納得している・親子で話し合いができる』わけではなく将来の精神疾患・人格障害・復讐(犯罪行為)・絶縁などの潜在要因を子供時代に積み重ねているだけである。

『親が好かれているか嫌われているか』も親子関係の質に関わるが、しつけの必要性を強調する人は『嫌われるくらい(近づきにくい関係)が良い』と考え、信頼関係を強調する人は『好かれるほう(仲良く語れる関係)が良い』と考える傾向がある。しつけ重視は舐められるのを恐れ、信頼重視は対話不能を恐れる。

続きを読む 北海道南幌町で発生した女子高生による母・祖母の殺害事件:しつけと虐待、家族関係の風通し

配偶者の自殺による精神的ショックと自殺衝動を引き起こす要因・対応

芸能人の自殺リスクは一般より高いが、『華やかな名声・注目・高所得を得られる時期』とそうではない時期の落差の受け止め方、等身代の自分でも良いと気を抜ける場所の作り方が難しいように思える。残された人も苦しむが。

上原多香子がブログで心境吐露「早く元気な姿を見てもらえるように」。

友人知人の間柄でも残された側は、自分にできることは何かなかったのかという後悔・罪悪のようなものを覚えやすいが、配偶者であれば尚更だろう。別報道で夫婦仲の冷え込み・別居状態という内容もあったが、仮に夫婦としての気持ちが以前と変わってきていたとしても、自殺されると後味の悪さや罪悪感が残る事になる。

相手に残す遺書の内容にも拠る部分はあるが、配偶者に限らず自分を気にしてくれる近しい相手がいる立場の人は、『自殺』という自分以外の他者にも精神的痛撃を与える選択は最大限回避して欲しい。自殺したい衝動が強まった時には、精神医療・相談機関の援助を受けるか、暫時的に責任感・思考力を弱め何もしない方が良い。

続きを読む 配偶者の自殺による精神的ショックと自殺衝動を引き起こす要因・対応

御嶽山噴火が起こした悲惨な状況と仲間関係:登山遭難時の極限状況における救助活動の限界

ここまで大規模な登山の遭難事故は戦後では初めて。1902年に厳冬期の八甲田山で起きた無謀な日本陸軍の行進訓練事故(199名死亡)はあるが、活火山の噴火時に一般登山者が大勢いた状況自体も過去に前歴がない。

<御嶽山噴火>「娘が危篤」声を落とす父、情報求め

この御嶽山の噴火はまだマグマ流出を伴わない『水蒸気爆発』による噴火だった為、大勢の登山者が生きて下山することができた。マグマ(溶岩)と火砕流を大量に流出する型の噴火だと、映像を撮影した人や山頂付近の山小屋に避難した人も助からなかった可能性が高い。マグマ噴火だと噴煙と一緒に来る熱気が数百度以上に達するので、そういった熱気を浴びてしまうと助かることが難しい。

続きを読む 御嶽山噴火が起こした悲惨な状況と仲間関係:登山遭難時の極限状況における救助活動の限界