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『国民共通番号法案(マイナンバー法案)』の利点と問題点

国民全員に社会保障と税の共通番号(マイナンバー)を割り当てる『マイナンバー法案』が、衆参議院を通過して成立した。

共通番号法が成立…社会保障と納税、一元管理

2015年10月に各個人にマイナンバーが通知されて、16年1月からマイナンバー制度の運用が始まるということだが、『顔写真つきのマイナンバーカード』は希望者だけが役所に赴いて作成できるもので、国民全員に機械的に配られるものではない(ただし社会保障料の納付と納税はマイナンバーで処理されることにはなる)という。

国民共通番号法案(マイナンバー法案)の利点は、社会保障(年金・介護)や納税の情報が一元化されて一枚のカードあるいは自分の固有番号で全て対応できることで、『行政サービスの利用手続きの利便性』が向上するということである。

理想的な形としては、すでに住民票・印鑑証明の発行がカードで機械からできるようになっているように、各種の行政が発行する証明力のある公的文書がカード一枚で機械から発行(プリントアウト)できるようになることである。

その結果として『行政コスト・公務員人員』の大幅なコストカットができるとされているが、現状で一番手続きが面倒くさい『戸籍謄本・戸籍抄本の発行(本籍がある役所でしか取扱いができず情報化社会の現代においても物理的な郵送のやり取りの手間がかかる)』がマイナンバーのカードで自動的にできるようになるという話までは聞かない。恐らくそこまでの改革はしないのではないかと思う。

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Yahoo!による約11億ドルの“Tumblr”の巨額買収。若手ギークのアメリカンドリーム。

Tumblr(タンブラー)は日本ではまだウェブのコアユーザーにしか使われていないマイクロブログ・サービスだが、世界では『本格的なブログ更新の労力・時間を惜しむ若年ユーザー層』を中心に大きなトラフィックを集めるようになっている。

Tumblrとは、情報収集能力やトピックの感度が高いユーザーをフォローすることによって、ウェブ上の多種多様なコンテンツを集めたり紹介したりすることができる『キュレーション』のWebサービスであり、自分自身でブログを書く用途には殆ど使われていない。

Tumblr
https://www.tumblr.com/

誰でも手軽に更新できるというか、『他のブログ記事』を簡単に引用して大勢と共有できるサービス(転載ではないかという著作権上の批判もあったが一応オリジナル記事のURLを表示してアクセスを還流させる形式)であり、簡単に言ってしまえば『Twitterのフォロー機能』をブログに拡大したサービスと言える。

Twitterの『リツイート(RT)』に当たる機能がTumblrの『リブログ』と呼ばれる機能なのだが、このリブログをオリジナルの次の段階で素早くできるユーザーが、“キュレーター(情報編集者・紹介者)”として大勢のフォローを集めるという仕組みになっている。

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乳がん予防のための遺伝子検査と乳房(乳腺)の予防的切除:アンジェリーナ・ジョリーの事例

乳がん予防切除の効果のエビデンスは確立していないが、遺伝子検査の結果と発がんリスクとの相関をどこまで有意だと信じるかによって『予防的な乳腺・乳房切除』の意義は変わってくるように思う。

がん(癌)には家族遺伝性があり、母親・姉妹が乳がんを発症していて遺伝子の変異もあれば有意に発がん率は上昇する。だが、それでも確率論におけるリスク上昇であって(家族が乳がんであってもそのリスクは2倍程度の上昇範囲である)、切らなければ将来絶対に発症するとまでは言えず、検査による『遺伝子変異の確認』のみの段階(家族因がなく自分も発がんの既往がない)では切って予防するというのは一般的ではないだろう。

乳房切除というのは『身体的な負担・違和感』もあるが、それ以上に『精神的な苦痛・女性アイデンティティの混乱』をもたらす可能性もあるものであり、既に片方の乳房に乳がんが発症したなど『次の発がんリスク』が相当に高くない限りは、少しでもリスクがあれば切除したほうが良いかは個別の価値観(リスクの見方)に拠るものだ。

世界的な知名度のあるハリウッドセレブのアンジェリーナ・ジョリーが、予防的な乳房切除と再建術をしたことで話題になっているのだが、彼女の場合は一流の医療スタッフの手厚いアフターフォローを受け続けられることが確実な経済力の裏付けがあり、『切除を決断したリスクの高低やその根拠(遺伝子・既往歴に関する極めてプライバシーな情報)』については報道でも十分に明らかにされていない。

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夫婦間の『会話の短さ・欠如』は珍しくないかもしれないが、

意図的かつ長期間の『無視・無反応』は実質的な関係の破綻、相手の人間性の否定のようなものだろう。

夫が妻を「23年間無視」 長期間の会話ゼロは「精神的DV」なのか?
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130520-00000392-bengocom-life

口を開けば喧嘩になるだけなので話さないようにしようなど、双方が同意の上であれば、お互いが家でできるだけ顔を合わせないようにしてそれぞれで生活をする『家庭内別居・家庭内離婚』という形態もあり得る。

しかし、どちらかがそういった冷戦状態に精神的に耐えられないのであれば『別居・離婚』に至ることになるだろうし、一言も話したくないとか相手が話すこと全てにイライラするとか、顔も見たくないとかいうレベルになると、通常は共同生活は著しく困難となり別れるだろう。

生活を共有していない恋人時代には、会話が少ない(弾まない)とか全くないとかいうことは、よほど無口(寡黙)な人でないと余り考えられないが、付き合いが長期化したり生活時間を共有しはじめると、『共通の話題がなくなる人・相手の話すことへの興味がなくなる人・仕事や家事育児が忙しくて雑談する気持ちの余裕がなくなる人』もポツポツと出始める。

相手のことを知りすぎて話すことがなくなるという場合もあるが、『相手の話しかけてくる内容や質問に意識を向けて答えるかどうか』ということが重要であり、それと合わせて『相手がゆっくり会話できるような余裕・時間がある状態にあるかどうか』の見極めも大切である。

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新型うつ病はなぜ増えたか2:消費文明の爛熟とストレッサーとしての仕事の受け止め方

新型うつ病増加の環境的要因としては、『社会的規範・家父長的権威の弱体化』や『個人の自由の範疇の拡大』などによる『理不尽・不条理・しごきに耐えられるストレス耐性の低下』も考えることができる。学校を卒業して仕事を始めるまでのメンタリティが文明社会の利便性・楽しみを享受するだけの『消費者意識』に固定されやすく、『生産者・サービス提供者としての意識(それに伴うストレス状況の繰り返し)』にうまく適応しづらくなっているという問題も指摘される。

新型うつ病の増加には、本人のストレス耐性が低かったり勤勉な継続性・義務意識にやや欠けていたりという要因も当然あると思うが、『消費文明社会の爛熟・拝金主義や格差社会』によって商品・サービス・娯楽・ネット・情報を絶えず小さな頃から受け取り続ける社会環境になったことが、『仕事・職場・上司部下(先輩後輩)のような関係』を“最後のストレッサー(数少ない思い通りにならない不満な事柄)”として受け取りやすい個人を増やしてきたという側面もあるだろう。

現代の先進国では、仕事以外の社会生活の諸側面における『快楽性・娯楽性・自由度』が高まっている一方で、『仕事の分量・負担感』は過去に比べてほとんど減っていないどころか、現在のほうが主観的に負担や拘束を苦痛に感じる度合いが大きくなっているというアンケート調査もある。特に自分の適性や能力発揮が生かされていない仕事状況において、仕事におけるストレス耐性・忍耐力は低下しやすくなり、逆に過剰適応(義務感・責任感の過剰)による燃え尽きで過労自殺や重症の精神障害にまで追い込まれる人もいる。

また現代の仕事を巡る格差では、『主観的に面白くて刺激的な発展性(創造性)のある仕事』をしている人ほど所得が高くなりやすく、『主観的に面白みがなくて義務的な発展性(創造性)のない仕事』をしている人ほど所得が少なくなりやすい傾向があったり、『金銭の大小よりも時間・自由度を重視する価値観』が広まっていることもあって、『忍耐・我慢・継続の美徳』を裏付けていた終身雇用・年功序列の実利がなくなってきていることも影響する。

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“新型うつ病”はなぜ増えたか?1:新型うつ病の特徴とDSMの操作的診断

出社無理でも…旅行や趣味はOK 若者に増える「新型鬱」

従来の『うつ病(気分障害)』と『新型うつ病』との違いを上げると以下のようになるが、古典的な従来のうつ病(大うつ病性障害)とは脳の機能障害としての『内因性うつ病』のことである。『心因性うつ病』というのも確かにあって、精神的ストレスや苦痛なイベントが発症のトリガーになることは認められていたが、基本的には『心理的原因がなくても発症されたと思われる精神病』の位置づけであった。

1.従来のうつ病の病前性格は、テレンバッハのメランコリー親和型性格や下田光造の執着性格であり、『生真面目・秩序志向・他者配慮性・自罰感』という仕事・社会規範や苦手な人間関係に過剰適応しようとして、そのストレスや疲労に耐え切れずに発症する燃え尽き症候群のタイプである。

新型うつ病(非定型うつ病)の病前性格は、自己愛性パーソナリティや境界性パーソナリティ、回避性パーソナリティなど『パーソナリティ障害の前駆的・類似的な傾向』を示すことが多く、『承認欲求の強さ・自己主張性・ストレス回避性(打たれ弱さ)・他罰感』といった仕事のストレスや煩わしい人間関係に少し適応しようとするが、適応することの苦痛に過敏に反応して発症する適応障害型のタイプである。この病前性格傾向は、自己愛・消費・自由が称揚される現代社会ではむしろマジョリティを形成するものである。

2.従来のうつ病は『食欲・睡眠欲・性欲(恋愛欲求)』の生理的欲求が抑制されて、仕事も遊びも全てに対して意欲がなくなり興味を失う『全般的退却・精神運動抑制』が起こる。生物学的原因・素因を有する脳の機能障害を感じさせるものである。

新型うつ病は『食欲・睡眠欲・性欲(恋愛欲求)』の生理的欲求が抑制されるよりもむしろ促進され、『過食・過眠・性欲亢進』などの症状がでやすい。日内変動も、従来とは逆で朝に気分が良くなり、夕方に落ち込みやすい。好きな遊び・娯楽はできるが嫌な仕事などはできないという『選択的退却・部分的な精神運動抑制』が起こる。心理的原因を引き金とするストレス反応性障害を感じさせるものであり、かつて『抑うつ体験反応』と呼ばれたものの軽症例のようでもある。

3.従来のうつ病は病識がなく、体がだるくて気力が湧かないという病識があっても身体疾患の悪化として自分の体調を解釈する向きが強いため、精神科・心療内科の受診動機は極めて弱い。『うつ病の啓発的な書籍・リーフレット』などにも目を通したがらず、悪く言えば『うつ病なんかは精神が弱い人間がなる病気で自分がなるはずがない(うつ病であるということを恥ずかしく思う)』という精神疾患に対する偏見・差別のような認識を潜在的に持っていることが多い。

新型うつ病は病識があるだけでなく、事前に専門書籍やウェブなどで『うつ病の症状・特徴・治療法と薬・予後』について、プロに近い十分な知識・情報を調べ尽くしていることが多く、抗うつ薬・睡眠薬の名称や効能、官能的(知覚的)実感についても相当に詳しいことがある。自分の心身の不調をうつ病やパニック障害などの診断基準に当てはめて感じることも多く、精神科・心療内科の受診動機は高くて、心理的な悩み・人生のつらさに関する話を聞いてもらうことも好きである。うつ病はじめ精神疾患に対する偏見・差別などはなく、むしろ現代はストレス氾濫による精神疾患増大の時代であるという認識を持つ。

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