宝くじは合理的に確率の判断ができる人であれば買うべきではない『愚者の税金・お金の投げ捨て』だという批判は昔からある。
だが、一等の当選金が数百万円程度までであれば『宝くじの投資対コストの回収率』を考えることには意味があるが、数千万円とか数億円以上の当選金になってくると、いずれにしても『通常の労働賃金・貯蓄の持続』では大多数の人は死ぬまで貯められない金額なので、合理性・確率論を言っても詮無きことである。
国内宝くじ最高額の8億円!「ロト7」で3口
宝くじを何十年間もコツコツ買っても大多数は死ぬまで高額当選金は当たらない確率が高いが、その中の誰かは数千万円から数億円を得るというところに『射幸性の夢・ロマン』があり、その元手がかなり安くて庶民でも買えるというのが人気の理由なのだろう。買ってもまず自分には当たらないだろうが、買わなければ絶対に当たらないので一応買っておくという基準で買う人が増えるわけである。
何より何十年間もコツコツ毎月数千円を貯めても、数億円というストックには全く手が届かないまま死ぬことになるのは確実であり、また自分のビジネスをリスクを負って立ち上げて数億円を稼げる事業家・資産家になるというのは、大半のサラリーマン・公務員・フリーターにとっては宝くじに当たるのと変わらないくらいの確率だ。ロトのような宝くじも広義のギャンブルではあるが、パチンコや競馬などと比較すると『決められた金額』で買って結果を待つだけの仕組みなので、実際の時間とお金の損失は軽微なものに留まり依存性も低い。
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固定電話かケータイかによっても変わると思うが、若い人には自宅に固定電話の回線を引いていないという人もいるように、『固定電話の応答率』というのは高齢者を除いてはかなり下がってきているのではないかと思う。
出ない電話の60%以上はわざと? 大事な用なら留守電入れろの声
http://news.livedoor.com/article/detail/7677587/
高齢者の場合には『個人用の携帯電話番号』をそもそも持っていないという人も結構いるが、『誰かと話したいという人寂しさ(もしかしたら子ども・孫からかかってくるかもしれないという期待)+時間的な余裕』があるために、かかってきた電話には必ず応答するという人の比率が高い。
家にかかってきた電話に出ないことは相手に失礼に当たるとか、居留守を使っているようで気が咎めるとかいった価値観を持っている高齢者(中高年世代)も少なくなく、他の家族が営業からの電話だと分かっているのでわざと出ないような電話にも敢えて出て(出ないようにと事前に言っていても出て)、無益なテレアポの長話に付き合ったりもする。
ケータイが無かった頃の電話は『家・世帯』につながるものであり、ピンポイントで個人と個人をつなげる回線はなかったため、かけてみないとその家の家族の誰が出るか分からないという側面があった。そのため、友達・恋人でも電話をしづらかったり、電話がリビングなどの家族共有スペースに置かれていて長電話ができなかったりもした。
続きを読む かかってきた電話にわざとでないのは、“不確実性のリスク(自分にメリットのない面倒な話)”を避けたい心理の現れ。 →
“35歳”までに職業・職場を固めておかなければ、それ以降の仕事先がなくなり転職も難しくなるというのはかつての『転職市場の定説』だったが、『終身雇用・年功賃金の前提』が崩れることでその定説も変わってきている。
“35歳転職限界説”が崩壊? 転職した人の平均年齢
http://bizmakoto.jp/makoto/articles/1305/15/news087.html
35歳以上になると転職ができなくなるという“35歳転職限界説”の根拠は、概ね以下の2点にあった。
1.終身雇用・年齢給(年功賃金)……大企業を中心として日本の雇用は“能力主義・成果主義の競争原理”ではなくて“解雇規制・年功序列によるメンバーシップ制”で運用されてきたため、『年齢の異なる社員』を新卒以外の採用ルートで雇い入れることに消極的であり、『同期感覚(内と外の区別)・年功意識』を持つ社員相互の納得がゆく給与算定がしづらかった。
2.社会保障制度……60歳定年制を前提とすると“25年以上の保険料納付”の年金受給資格を得るためには、35歳までに保険料の納付実績が必要であり、企業には更に独自の『企業年金制度』を持っているところも多いため、(年金・福利厚生の平等感覚や横並び意識などから)入社以前の社会保障制度の加入状況が曖昧な35歳以上の人材(フリーランス・フリーターなど)を敬遠する傾向があった。
これはどちらかというと、『転職限界説』というより『(フリーランス・フリーター・無職から正規雇用への)就職限界説』というのに近いかもしれない。
現在でも、新卒採用で入社した大きな会社にできるだけ長く在籍し続けること(社内での職位・評価を高めること)が最大のキャリア自衛策だという考え方は確かに強い。
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総力戦の戦時においては、国家のために命をかけて戦う『兵隊さん(戦う男性)』は無条件に尊敬すべき栄誉ある存在となり、ハイテク戦争以前の銃弾が飛び交って死体が積み上げられる戦場では、殺傷と性の倫理観が麻痺するだけでなく、当時の若くて童貞も多い兵隊さんは『命を捨てて戦っている自分への分かりやすい報酬・快楽』としての女性(性行為)を求めるという傾向が現れやすいと思われる。
あるいは、これだけ死ぬような悲惨な思いをして(実際に大勢の仲間も死んでいて)、危険な戦闘の任務を果たしているのだから、これくらいのことは勝者の権利として許されても良いという形で倫理観が崩壊する可能性が高まる。
現在のように自由恋愛や婚前交渉、ポルノが溢れている時代・社会でないため、10~20代の未婚者の多くは童貞だっただろうし、『死ぬまでに一度は女を抱きたいという欲望・国家(みんな)のためにここまでの危険とショックを引き受けているのだからそれくらいしても良いではないかという自己正当化』の心理が働くことも有り得るだろう。
橋下徹市長は以下のような発言をして、当時の戦争下では慰安婦制度は必要だったが、現在では女性の人権の観点から、そういった軍人・軍属に(有償であるにせよ)制度的に奉仕する慰安婦制度は認められないと述べた。
続きを読む 橋下徹市長の『慰安婦発言』から戦争と性の問題を考える3:過去の歴史と人間の本性から学ぶ姿勢 →
近代以前の戦争では、占領後の一時的な略奪・強姦を徹底して禁止すれば、指揮官そのものが部下たちに殺されるというケースもあった。『共和政ローマの拡大』にせよ『十字軍の派遣』にせよ『戦国大名の天下一統』にせよ『ロシア革命・太平天国の乱・辛亥革命』にせよ、建前としての正義(大義名分)の背後には、末端の兵士たちの誇ることができない略奪・乱暴・強姦(戦争の分かりやすい報酬の容認)もあった。
総力戦で泥沼化・長期化した第二次世界大戦の時代は、戦争に参加したほぼ全ての国が『男女同権の普通選挙』さえ認めていない“男性中心主義(家父長制)・男性原理”で運営されており、『男性が女性を支配(保護)する・女性が男性の権威(偉さ)を立てる』という意識によって、総力戦の遂行が可能な社会の空気を醸成していた。
女性主義・女性原理が強くて男性中心の戦争に協力しない国、女性が必ずしも男性の権威(家長としての役割)を承認しない国では、総力戦(戦争)はおよそ実現することが難しい。女性で『戦争もやむなし』という価値観や考え方をする人はやはり男性よりも少なく、現代においても戦争紛争・テロリズムが多く発生する地域・国は、『男性中心主義・男性原理で運営される国(女性の権利や発言力が弱い国)』になっている。
戦争や国防のモチベーションを上げる方策として、戦争に負ければ(抵抗せずに従えば)自国の女性、妻・娘・恋人が敵国の男たちに蹂躙されて強姦されてしまうという『戦意高揚のプロパガンダ』は定型的なものだ。
続きを読む 橋下徹市長の『慰安婦発言』から戦争と性の問題を考える2:男性原理と女性原理 →
国家権力によって敵国の兵士の殺害が合法化されてしまう『戦争』は、訓練されたプロの兵士であっても精神に相当な負荷がかかり、戦後に『PTSD(心的外傷後ストレス障害)』などを発症して一般社会への適応が長く困難になってしまうことが少なくない。
自分がいつやられるか分からないというゲリラ攻撃の恐怖による誤射・誤認で、民間人の女性や子供を射殺してしまった兵士が、長期間にわたって射殺した場面のフラッシュバックと強烈な罪悪感・自己否定感(法律では許されても自分には生きている資格がないという罪の感覚)に苦しみ続けたり、自分を許せなくて自殺企図をしてしまうという事例もある。
プロの軍人・傭兵ではない、強制的に徴兵されて促成栽培されただけの兵士(一般人)であれば尚更、暴力・残酷・死に覆われた戦場で『正常な倫理観・精神状態』を維持するのは難しい。むしろ『双方の殺人が許されている(どころか奨励されている)特殊かつ異常な戦争の環境』では、『正常な倫理観・精神状態』を麻痺させて敵兵を自分と同じ人間だと思わないようにしなければ、戦闘に勝利するという任務を果たせず仲間を危険に晒してしまう。
自分自身の生命のほうが先に奪われかねないという恐怖も絶えずある。それでも、戦場に関する社会学的調査では、徴兵された戦意・憎悪が強くない兵士は敵兵にきちんと狙いをつけずに適当に無駄弾を射つことが多く、『自分の射った弾』でできるだけ相手を殺したくないという『殺人忌避の感情』が無意識的に行動に反映されやすいという。
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