「人生哲学・自己啓発」カテゴリーアーカイブ

大学生は本を読まなくなったのか?、 若者の深刻な犯罪離れの原因は何か?

大学生は本を読まない?

読書の是非や効果を抜きにして『大多数の人はほとんど本を読まず家に大して本がない(そして読まないまま人生を終わる)』のが現実ではある。直接カネにならない知識・教養・思索に対する欲望の個人差は大きい

文学にしろ小説にしろ思想哲学・学術にしろ、『基礎教養の共有』があるかないかで『話題の広さ・深さ』は変わるが、世間一般では『経験主義的な雑談・他人に対する興味や噂(誰かれがどうしたこうした)』が話題の中心だから、読まなくても文化圏によって不都合はない。知識・教養抜きの知的なセンスや話術の巧拙もある。

読書やエクリチュール(書かれたものの世界)とは何かを一義的に語り尽くすことは難しいが、読書は突き詰めれば『人文学的な素養・教養』と『人格形成的な知性研鑽』と『知的好奇心の充足』と『実利的な知識・情報』の側面に分類することができ、人文学的な読書の本質は知的主体のビルドゥングス(継続的建設)に他ならない。

『読書のある世界・人生』と『読書のない世界・人生』の違いは、『知覚(五感)・生理に依拠する動物的・社会的な生の外側』を拡大していけるかどうかで、文字の世界の書物の探索とは『知覚・生理・社会に決定され尽くさない自己の建設』の側面がある。『自由意志や自己研鑽(知・徳・利の合一)・共有知継承』の利もある。

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現代の日本人はなぜ幸福感を感じにくいのか?:他者との連帯感や思いやりを感じにくい経済社会の構造

近代化・市場原理の禁断の知の果実を食った反動。『文明・技術の進歩+他者との競争・差異の承認』は他者との境界の自我を強化し、『定常型社会・共同体的連帯』に戻れなくなる。

留学生たちと語った「日本人の幸福度が低い理由」 所得以外の何が足りないのか?

近代化・工業化を成し遂げた日本人や欧米人の幸福度がなぜ平均して下がりやすいのか、端的に近代化は個人化と能力主義(能力・魅力の需給のバランス)であり、『ただそこにいるだけ・頑張っているだけの人の価値』を概ね認めず、『現状維持でのんびり生きるライフスタイル』を許さない成長の強迫観念が常にある。

世界トップクラスの売上と利益を上げているトヨタのようなグローバル市場の勝ち組の会社であってさえ、『去年と比較して今年はどれだけ利益を増やせるのか?』という市場と株主の暗黙のプレッシャーを受け続けていて、絶対に休めない(これでもう十分とは言えない不安を煽る)仕組みが資本主義には織り込まれている。

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人生の楽観と悲観、どちらが良いか?:『道』を貫徹した信念の人・東浦奈良男さん

人生は楽観して気楽にやればいいとも、悲観して神経質に備えれば良いとも結論づけられないもので、数十年のプロセスで浮かび消える感情や関係も重要だ。状況により楽観と悲観も交替するが、畢竟『知識・能力(自律)』と『人・社会(他律)』の極を行ったり来たりしながら、自分なりに打ち込める『道』を進めるかだろう。

過去の偉人の評伝や同時代を生きる人たちを見ていて思うのは、各人の好みや環境、適性、思想などによって『道』の内容が『他者をそれほど要しない黙々と何かを継続する自律』に到達する人、『他者・社会の承認や他への貢献を目指す他律』に到達する人に分かれるが、道は無窮(未完の定め)である故に有限の人の希望となる。

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山口智子の『産まない人生宣言』と結婚・労働・出産を巡る世間体の圧力:なぜ『産まない人・産まない人生』は批判されやすいのか?

世間一般では、他者に危害を加えない限り、あらゆる生き方や価値観の多様性を認めるという人(相互不干渉の自由主義者)はそれほど多くないし、「自分の選択した人生の生き方」を直接的あるいは間接的に正当化してその正しさや幸せを他人にも認めてもらいたいという人(普通の人生モデルを提示してそれに沿うか否かで価値を判断したがる人)はやはり多い。

■山口智子の「産まない人生」宣言で考える 子どもを持たない選択した女性にも優しい社会

結婚していなければ結婚すべきだという人もいるだろうし、出産・育児をしていなければ出産・育児をすべきという人もいるだろうし、フルタイムの正社員で働いていなければ正社員で働くべきだという人も当然いるだろう。

それが世間一般の『(現代ではやや多様化・個別化が起こって拡散してきてはいるが)普通の人生モデル』だからである。更に、その『普通とされる人生モデル』に沿って生きるためには、現代では特に膨大な時間・労力・コストをかけて、およそ自分の人生のほぼ全体を投資するくらいの覚悟・努力がなければできないのであり、普通だから簡単で気楽にやれるわけではない。

平均所得前後を稼ぐくらいのサラリーマンになるにしても出産して子育てをするにしても、片手間で余力を残して『あれもこれも』でできる生半可なことではなく、中には仕事で心身の健康を崩したり、子育ての仕方を間違って犯罪(虐待死・非行誘導)に転落してしまう人も出て来るわけだから、本人にとっては正に『一度限りの人生を賭けた真剣勝負の取り組み』といっても過言ではない。

結婚生活や出産・育児に関しては、学歴・職業エリートで躓く人も多いのだが、その理由としては『普通・平均に対する侮り(今までの自分は普通・平均レベルの成績・実績まで落ちたことなど一度もないのだからとの過大評価)』があるからという側面があるだろう。

現実には、大多数の人は結婚して子供を育てて夫婦関係・家庭を維持して年老いていく『普通の人生モデル』をまっとうするために、ほぼ自分の持つ能力や経済資源、時間の殆どを賭けなければそうそう上手くいかない。

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老後の一人暮らし(人間関係ありの非同居)の満足度の高さ:家族が「老後の気の合う相手・助け合う相手」になれているかの問題

20~30代くらいの人でも「老後の孤独・貧困」を恐れている人は多く、その分かりやすい解決法の一つとして相互扶助的な「結婚・子供・家族(法的な関係性・血縁の関係性)」が求められてきたわけだが、現代は「離婚・不仲・性格や会話の不一致」も起こりやすい。

■老後は「1人暮らし」が幸せ 家族同居より生活満足

長く同居を続ける良好な夫婦関係や親子関係を維持するには、「双方の人間性・生き方の相性」と「お互いがストレスを感じにくい距離感・不干渉(相手が望んでいる方法や頻度での関わり合いの仕方)」が必要であるが、仕事のない老後になるまで「本当の相性の良さ・適度な距離感」が分からない夫婦・家族も多いことが一つの問題なのだろう。

近年は「高齢者夫婦のトラブル・老々介護の問題」も増えているが、「話し相手・気の合う相手がいない寂しさ・心細さ」と「世話しなければならない面倒な相手がいる煩わしさ・ストレス」とは違うということである。

一緒にいるだけでほんわか癒されるとか、話すと止まらなくなるくらい会話が面白い(話を聞いてくれて自分のことを誰よりも共感的に理解してくれて新たな興味関心を刺激してくれる)とかいう相手は、残念ながら恋愛の一時期を除けば「夫婦全体における比率」は必ずしも高くないのが現実だろう。

お互いが仕事をしていたり、夫が会社に行って妻が家庭にいたり、子育てに一生懸命だったりすれば、四六時中ずっと顔を合わせて一緒にいるわけではないから、「本当の相性の良さ・適度な距離感」があまり分からなくても、お互いに求められているやるべきことをこなしていくことで何とか上手くやっていけることが多い。

老後に上手くいかなくなる夫婦の組み合わせは「あれこれ構って欲しい(世話をしてもらったり何かに付き合ってもらったりしたい)タイプ」と「基本的に放っておいて欲しい(いつもベタベタ一緒にいたいわけではなく自分ひとりや配偶者ではない友人知人と何かをしたい)タイプ」の組み合わせであるか、あるいは「どちらかがそれまで我慢に我慢を重ねてきて(かなり以前から相手への共感性も興味関心も薄れていて)限界が近くなっているケース」である。

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高学歴女性に対する印象・偏見・コンプレックスと恋愛関係における男女の相互評価(相性認識)のバランス

学歴・知性にコンプレックスがある側に被害妄想の悪印象が生じる事もあれば、学歴・知性を権威的・競争的に示す側が傲慢に映る事もある。学歴に限らず職業・収入・容姿・家柄も落差があれば差異の解釈で印象は変わる。

「高学歴女」ってぶっちゃけどうなの!? 男性には好印象? それとも……

差異があっても差異を『優劣の意識』に結びつけず、『相手の人間性・生き方の価値』をそれぞれの次元で尊重して認め合えるようであれば、学歴の差異は男女関係の障害にはならない。だが何らかの対立でその差異を『相手の欠点(だから高学歴・低学歴は?)』に結びつけた批判が不意に口をつけば関係が修復困難にもなり得る。

差異のフラットな承認を継続的にするのは『倫理・理想の言論(ディスクール)』としては簡単に感じるが、実際は人間の心理には『属性・能力・魅力の差異=優劣の図式』が組み込まれやすく、表面で倫理化された人格が何かのきっかけで突然崩れて、『相手の痛い所をつく嫌な人間性』の影が覗く事(そう被害妄想する)もある。

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