弁護士の太田啓子さんの批判のポイントは『女性の水着が脱げそうな描写』より『嫌がっている女性の裸を見たがる男性心理』にあるようだが、少年誌のお色気描写の規制論も『絵柄・行為』だけでなく『心理・ジェンダー』まで含めると複雑になりすぎる。
江川達也氏が「少年ジャンプに抗議を」に真っ向反論
そもそも論では、子供向けの実写でも漫画でも性描写で問題になるのは『女性キャラの露出度』で、『男が女の身体を見て興奮するベクトル』である。少年誌では男性キャラが意図的に脱がせたり行為したりの表現はしづらいので、偶然に水着が脱げるとかこけて密着する、下着が見える等で一方的に喜ぶ表現になりやすい。
批判のポイントは、広義の少年誌におけるお色気描写への反対意見だが、『同意のない女性の水着姿・裸体を男性がまなざして一方的に喜ぶ(漫画の女性キャラはきゃーきゃー嫌がっているのに見たがる)』という男性主義的な性欲充足を前提にした描き方へのジェンダー的抗議かもしれないが、他の描き方は別の問題が生じそうだ。
男女平等主義が普及しても、男性の身体と女性の身体の扱い方はフラットにならない部分が残る。
パブリックな場で言葉にできない女性の性的部位のタブー度は、女性が男社会に保護されているとも言えるし、逆に男社会によって所有・管理されているとも言える。ラディカルフェミニストやろくでなし子さんのような思想では『私の性器は猥褻物ではない』と確信犯で公の場に公開・言及しようとするが、賛同者は極めて少ない。
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現代はニーチェの貴族道徳のように『強さ・美しさ』で比較競争するが、『弱さ・醜さに寄り添う心』もまた人を動物と隔てる倫理的本性である。
「見た目問題は障害」バケモノと呼ばれた男性の願い 就活で心砕かれ…「君に会いたい」将来を導いた出会い
容貌障害が『広義の障害』として認知され、心身障害・知的障害と同じく公的支援を受けられるようになる事が目標なら可能と思うが、『自分の心の救済=自己肯定・劣等感克服』を成し遂げるには公的支援に加えて、現代の世俗的な価値判断や他者の反応・選好に振り回されない『自分の核』を構築する必要がある。
『見た目問題』と『美醜問題』の差異を論じたこともあったが、見た目問題は『遺伝子異常・先天疾患や腫瘍・大怪我で見た目が大きく変形・損傷した者』が社会経済的に不利な待遇をされる問題であり、正常範囲の容貌から極端に逸脱して社会生活や就労・交流が著しく困難になったり差別・偏見で心的外傷を受けやすくなる。
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おばあちゃんと呼ばれて気にする70代以上の人は少ないだろうが、30~40代前半は『若くもなく年寄りでもない年代』で、自意識も見かけも呼称の受け止め方も個人差が大きい。
「おばさん」と言われたことがなかった38歳女性、「初めておばさんと言われて」大ショック
『おばさん』も『おじさん』も中年期の男女を指す代名詞だが、その語感には『もう若くはない人・華やかな時期が過ぎた人・色恋の現役ではない人』といった意味がどこかしら含意されている。男性がおじさんと呼ばれるより女性がおばさんと呼ばれる方が気にする人が多いのは、若さと美で見られやすいジェンダーの影響だろう。
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ネット以前は凶悪犯罪でない限り『小さな悪事・迷惑行為』は当事者間の問題として処理され第三者は知り得ず言及もなかった。ネットは不特定多数が悪事・問題に言及する仕組みとして機能する。
「窃盗だろw」「桃の気持ち考えろ」――桃太郎で“ネット炎上”描く広告、狙いは? ACジャパンに聞く
ネット時代は『社会的制裁』の性質を決定的に変え、『小さな悪事・迷惑行為』でも個人情報が洩れると不特定多数から厳しく叩かれやすい。ネット炎上の典型である『犯罪・悪事に対する罵詈雑言(人格否定・厳罰要求)』は、自分を正義の立場に置く社会的制裁で、過去にテレビの前で言われた罵倒・非難が目に見える形になった。
ネットの仕組み自体が、それ以前の時代に見聞きできなかった『人の本心・内輪の放言』を可視化したとも言える。ネット炎上はネットが『正論至上主義』になりやすいことの反動であり、少しでも法律・道徳・マナーに反した行動を自慢のようにアップすると炎上リスクが生まれる。知人だけの狭い世界での『悪事自慢』は危うい。
ネット炎上の予防は簡単で、『公開範囲をコントロールすること(小さな悪事自慢をしたいなら内輪だけで公開)』と『第三者が見た場合に法律や道徳に違反していると見られる内容を公開しないこと』である。内輪では通用する悪ふざけや冗談も、社会一般では許されにくいものがあるが、若くて軽率なほどその差が分かりにくい。
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○豊田真由子の暴言暴行は典型的な『逆らえない下位者への八つ当たりのパワハラ』で、政治家・社会人として資質・自己制御が欠如しているが、『暴言ミュージカル』は怒り・脅しに変化をつけて自分を煽り相手の反論を抑制する効果はある。
豊田真由子議員の“暴言ミュージカル”の恐ろしさを考える
音楽生理学という学問分野で分析すべき事例なのかは分からないが、精神疾患・パーソナリティー障害の診断名のフレームワークは別として、相当なストレスやフラストレーションを溜め込んで、激怒発作を起こした精神的に不安定な状態、自分を社会的・常識的に制御できない興奮状態にあったとは言えるだろう。
歌を歌うような調子で怒るは、一般的な怒り方ではないが、ヒステリックに大声で怒鳴りつけた後に歌・詩吟のリズムをつけて『相手に伝えたい非難・脅迫・説明のメッセージ』を語る人はいることはいる。精神が混乱するほどの自分の怒りの強さを伝える意図もあるが、自分で自分の言葉に興奮して煽られた結果でもある。
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『好みの異性と関係を深める話し方』と『異性一般とその場で笑顔で楽しく雑談する話し方』は違う。前者の距離を詰めるアプローチは相手にも一定の好意がないとテクニックだけでは難しい。後者は魅力的な相手でも性格・状況によって成り立つ。
正直、異性と話すのが苦手…。上手になる3つのコツ
異性と話すのが極端に苦手という人は、無意識にせよ『自分の異性としての価値が相手に値踏みされている感覚(自分が拒否されたり冷たくされたり笑われるのではないか・キラキラした相手に対して自分が冴えなくて見劣りしている等)』が強くなっていることが多く、30代前半以下の若い世代の人ほど苦手な男の比率は高い。
おじさん・おじいさんになると、ちょっと可愛らしい若い店員の女性などに対して『美人や可愛い、肌や髪が綺麗、あなたを見るのが楽しみ云々の軽口』を厚かましく叩ける人も増えるが、初めから年齢差が大きく釣り合わない相手(真剣に値踏みされない)とわかっているからこそ、『思いついた賛辞(相手の外見に関する褒め言葉)』を適当に投げかけられるだけ。
同世代や自分も若い年齢だと、気になる異性を食事・遊びに気軽な感じで誘ったとしても『相手からの断り・拒絶の返事(自分への態度が変わり避けられる)のダメージ』は一般に小さくない。ハイなおじさんが居酒屋の女子大生の店員を飯に誘ってもその場限りの冗談で笑って受け流されるが、同じ大学生なら真剣味が強まる。
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