「政治」カテゴリーアーカイブ

生活保護世帯の『格差の連鎖』を防ぐ方策、大学進学に給付金を支給する制度を検討

生活保護受給世帯の子の大学進学率の低さが『貧困の連鎖』を招くので、進学しやすい環境を整えるべきだが、『子供の機会平等』を突き詰めると親の収入・資産・意識に差のある現実の社会構造の改善には限界もある。

<生活保護世帯>大学進学に給付金 厚労省検討

公的扶助に頼る生活保護世帯と自力救済で踏ん張る低所得世帯との差が縮み、逆に生活保護の方が医療費負担の低賃金労働よりまともな暮らしができる現状もある。日本が平均的に貧しくなっていっている事から『生活保護に対する嫉妬・非難・不満』が強まる悲しい現実もあるが、自己責任社会と少子化傾向は深く相関している。

現代社会では生活保護が保証する『最低限の文化的生活水準』がどこにあるのかのコンセンサスを得ることが難しい。人権意識が低かった昔のように『いかにも貧乏人の惨めな暮らしぶり・身なり』によって生活保護に対する低所得層の納得を得るやり方は許されない。豊かな社会で労働価値の格差が開いた階層・競合の問題である。

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60代以上の子・孫の経済的依存とパラサイト破産、 中国で民主化訴えた劉暁波氏が死去

○終身雇用に近い職場にいて途中で辞めない労働意欲を維持しないと、過半は結婚・育児のコストを安定的に稼ぎ続けられない現実があり実家頼みも多い。稼げない自営業は半分趣味だが、だからこそ雇われる勤め人への再適応が壁になる。

60歳以上が子や孫の生活費を負担…“パラサイト破産”急増中

お金を増やすことだけを第一の目的にして他の全てを捨てて働ける人は資本主義では困窮しないという話を書いたが、結婚や出産・育児を選択して決断するなら自営業・自由業・趣味人に限らず『稼げなくなったら素早く稼げる仕事・お金第一にシフトする覚悟』がないと生活がいきづまる、それが嫌ならやめておくべきだろう。
そもそも論として、現代では大半の人は企業に雇われないと世帯をもって自立するだけのまともな金額は稼げない。自営の飲食業は波が激しくいったん右肩下がりの経営になると自力で挽回して再成長できる人は殆どいない。30年、40年と続けていける仕事でもない。親世代より子世代は平均して稼げなくなってはいるが。

一方、日本の金融資産の50%以上は60代以上の層が保有、20~30代はほとんど金融資産がなく、家庭があると毎月の給料がその月の生活費でほぼ消える家計簿になる余裕のない層が多い。もう一つは現代人はハングリー精神に根ざした労働意欲が昔の人(子供時代から貧乏に喘いでお金への渇望が強い)より弱まっている。

しかし何が何でも必要なお金を稼ぐというハングリー精神がないと、一定以上のお金が長期にかかる結婚・子育ての生活は成り立たず、『稼げなくても自営業を続ける選択』はジリ貧か最悪の結果になる恐れもある。親世代が十分な資産・ビジネスを持っていれば別だが、日本の世代別の所得・税負担率はジリ貧傾向にある。

昭和50年代頃までの最大の違いは実家が貧乏か中流か親が支配的か否かで、昭和中期までは貧しい田舎の農村漁村の出身者が多く父の家長権も強かったから、『お金が欲しい・都会で暮らしたい(田舎に何もない)・好きな人と結婚したい・親から自由になりたい』等のハングリー精神が激務型終身雇用に食い込む労働意欲を支えた。

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死刑執行と死刑制度の倫理学的な論点、 農業体験ツアーで民泊の客に70代男がわいせつ行為

○刑法の規定通り6ヶ月以内の執行が行われないのは、死刑反対の国際世論配慮や法務大臣の裁量もあるが、欧米の死刑廃止論は『悪人を殺し返す事での問題解決(応報刑)』を越えようとする試みではある。

<死刑執行>「また襲われる恐怖感ずっと」負傷の女性落語家

啓蒙的な現代社会は『人が人を殺すことのない社会』を目指すが、殺人には『個人の殺人(犯罪・過失・テロなど)』と『公権力の殺人(死刑・戦争など)』があり、個人の心理・事情が関わる前者は制度設計のみによってゼロにはできないが、後者はゼロにできるためにEU諸国が集団的意思決定としての死刑を否定した。

死刑制度を存置していれば野蛮国、廃止すれば文明国というわけではないが、集団的意思決定としての死刑が存在することは、『殺人(悪とされる個人をこの世から抹消する)による問題解決という価値観・手段』が残されていると解釈される。死刑廃止の思想には『因果応報・同害報復で殺人を正当化するロジックの禁止』もある。

『取り返しのつかない残酷で利己的な犯罪』や『社会・他者に危害を加えるリスクのある反省・後悔のない凶悪犯罪者』に対して、死刑以外の刑罰を与えても犯罪とのバランスが取れないとか再犯リスク・収監コストが嵩むとする死刑存置の意見も説得力はあるが、『殺人・死刑の鍔迫り合いのロジック』を今後も続ける事になる。

集団的意思決定としての戦争・死刑は仕組みの上では無くせるが、遺伝的・環境的・性格的なマイナス要因により反社会性・他者憎悪を強めた個人が殺人を犯す確率的なリスクはゼロにはならない。理性的な啓蒙主義や豊かさで人権尊重の度合いが上がった人類も未だ、犯罪と刑罰と戦争での『殺人の効果』を捨てられない。

死刑廃止論の人道主義的論点は、単純に『殺人者にも人権があるから死刑にしてはいけない』ではなく、正しい目的でも悪しき目的でも『人を殺して目的を達する、従わなければ殺すと脅迫(牽制)することによって何かの利益・秩序を引き出そうとする動物的・軍事的な攻撃性』をどこまで保持し続けるのかという事だろう。

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稲田朋美防衛大臣の資質・能力とスーダンPKOの日報問題:揺らぐ安倍政権の支持率

稲田朋美氏の『PKO日報問題・公選法違反の選挙演説』は、安倍政権の支持率急落の一因になった。安倍首相の閣僚人事は稲田・金田・山本・今村と『役職の見識欠如』が仇となった情実人事で、重要な答弁が拙い。

<PKO日報問題>稲田氏、聴取受ける 特別防衛監察

安倍首相は悪く言えばネポティズム(縁故主義)の利権政治・仲間優遇、良く言えば昭恵夫人と合わせて親しい付き合いの相手との義理人情に厚いとか断りきれない優柔不断さでもあるのだろう。森友学園・加計学園の不正関与の疑惑でも、知人や友人からのメリットもある要請をやんわりグレーゾーンで聞き入れた事に端を発す。

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欧米列強と日本の中国侵略・共同統治(権益配分)の歴史:蒋介石・毛沢東の国共合作と抗日闘争・中国ナショナリズム

日本一国で急に侵略をしたのではない。ロシア革命後のワシントン体制下の日米英仏の中国共同統治・権益分配があり、日清戦争・満州事変で得た権益を日本は死守し、『北伐・国共合作』を成した国民党・蒋介石は満州を奪い返そうとした。

国土が小さい日本、なぜ中国を侵略しようと思ったのか「理解に苦しむ」=中国報道

1911年の辛亥革命から孫文・袁世凱の系譜を継ぐ『北京政府』が1928年まで存続したが、北京政府は中国全土や中国人のナショナリズムを統一するほどの影響力を持たず、『列強諸国の分割統治+軍閥割拠の内戦状態』で弱体だった。日清戦争で中国に優越感を持った日本は逆らうなら懲罰する暴支膺懲で舐めていた所がある。

その風向きを急速に変えたのが軍閥を統合して、バラバラだった中国人に『反帝国主義・抗日思想・独立心』を植え付けた国民党・蒋介石と中国共産党・毛沢東(背後にソ連・コミンテルン)であり、この新勢力が北京政府を北伐したことで中華民国は侮れない(以前のように簡単に降伏せずゲリラ的抵抗を続ける)国に変質してきた。

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核兵器禁止条約の実効性の弱さと日本の不参加:核抑止力・独裁国家の核開発をどう超えて禁止できるか

核兵器禁止条約に被爆国の日本が署名できないのは情けないが、条約に実効性を持たせるには核兵器を一元管理できる国際機関承認が必要だ。国家単位の利益追求と武力による問題解決がある限り難しい。

核兵器禁止条約採択、米など反発 日本は「署名しない」

参加国の利害対立を武力で解決することがないEUのヨーロッパ共同体のようなものが、中朝も参加する東アジア共同体として実現しない限り、核兵器禁止条約と安全保障体制の両立は困難だろう。国家単位で自国の利益を最優先して、他国と利害や主張が対立した場合の最終的な選択肢として戦争・核がある状況では禁止できない。

東アジア共同体+ロシア、EU+ロシア、南米アメリカ共同体+日中のような『広域仮想共同体・集団安全保障(全会一致のみで核兵器使用可能)』があれば、核兵器禁止条約の条文は現実のものとして機能する可能性がでるが、これは相互の重なり合いを結びつければ『実現プロセスが見えない空想近似の世界政府構想』である。

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