「事件・事故」カテゴリーアーカイブ

京都府八幡市の18歳少年の危険運転が招いた集団登校事故

自動車の運転をする時には、『危険運転(無謀運転)』をしないように『不注意・眠気や体調異常』によって事故を起こす可能性を念頭に置いて、歩行者や自転車、他車にぶつからない(ぶつけない)ということに最大限の注意をしなければならない。

京都集団登校事故:逮捕の18歳少年、ドリフト走行か

無謀運転の果ての自動車事故は自損事故で自分だけが死亡したり障害を負うならまだしも自業自得だが、他人の生命・健康を奪って補償(原状回復)できない罪を負ったり恨みを買う可能性があるため、『自分本位の運転(自分が勘違いして運転技能が高いとかカッコイイとか思い込んでいる制御困難な状態下での運転)』というのは本来、他の人も利用する公道では許されないものである。

京都府八幡市で集団登校する小学生の列に突っ込んだ自動車事故について、免許取得したばかりでフェアレディZのようなエンジン性能の高いマニュアルのスポーツカーに乗ること自体が間違っているという意見もあるが、この事故は『車のトルクや馬力といった動力性能の高さ』によって引き起こされたものではなく、『(レース用途の道路ではない)一般道における急発進とカーブへの高速での進入という間違った下手な運転操作』によって引き起こされたものである。

公道で急発進してタイヤを空転させたり、カーブで後輪をわざと滑らせたり、他車をきわどいタイミング(ウインカーも出さないような危険な車線変更)で抜いたりするような走り屋の漫画に出てくるような運転を『自分の運転技能の高さ(他のドライバーと異なる運転の個性)』と勘違いするような人は、その時点で事故を起こしていなくても遠からず事故を起こすリスクが高い。

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“日常の小さな悪事(愚行)”を不特定多数に見せられるウェブ社会と間違った自己顕示欲の現れ

北海道警釧路署の桂交番(釧路町)で、交番の脇に止めてあったミニパトカーの上に乗って騒いでいた三人の男の画像が25日夜に簡易投稿サイト『ツイッター』に投稿された。車体の天井に靴底で擦れたような傷があったため、同署は器物損壊事件の疑いで捜査をして、容疑者の若者たちは逮捕されたようだ。

パトカー上で騒ぐ写真投稿…釧路署が捜査

ウェブ社会の発達やSNS(ソーシャルネットワーキング・サービス)の浸透によって、『自分の日常生活・行動履歴・意見と主張』を写真や映像と共にアップロードして誰かに見てもらいたいという人が増えた。

自分の行動・イベントや人間関係にまつわる『ライフログ』は急増しているが、急増しているがために、『無難な普通の投稿内容』では大勢の人の注目や関心を集めることは困難になっている状況がある。

社会事象や人間心理における『卓越した識見・優れた洞察』などでウェブ上で目立つなら良いのかもしれないが、10~20代前半くらいの若者層の多くは『全世代が参加する公共圏の議論』において自らの主張や見識の積み重ねだけでアクセスを集めて承認されるだけの知的・経験的な基盤や文章力がないことが多い。ため、勢い『証拠写真(証拠映像)を伴う悪目立ちの愚行・ルール違反』でここまでやれる俺たち(私たち)は凄いというような間違ったハイリスクな目立ち方を目指してしまうところがある。

『悪目立ちの方向性での自己顕示欲(とにかく目立って仲間からコメントやイイネを貰いたいという承認欲求)』が強い人たちが、犯罪スレスレの行為やマナー違反の行為を投稿して、炎上したり実生活に悪影響(懲戒処分)が及んだりしているが、これは『現代の若者』特有の問題ではなく『愚行とその自己顕示欲が可視化される時代』になったという現れに過ぎないだろう。

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高気温・高湿度は『生理的ストレス』であり、熱中症やイライラを引き起こしやすい:29歳女性によるJR高田馬場駅構内のスプレー噴射事件

うだるような暑さで汗が滴り落ちてぐったりする猛暑日といえば、お決まりの問題として『熱中症(その中でも重症度が高い日射病)』がイメージされるようになったが、高気温・高湿度は精神状態にも影響を及ぼすことのある『生理的ストレス』である。

元々の性格(パーソナリティ)が冷静・温厚で常識や節度のある人であれば、生理的ストレスによるイライラや怒りやすさ(易怒性)、興奮・衝動を抑制して直接他人に不満をぶつけないようにできる。だが、元々の性格が短気・攻撃的でストレス耐性が低いために不快状況を我慢できないような人は、『生理的ストレスによる他罰性のイライラ・責任転嫁の暴言・被害者意識による反撃』が起こってくる頻度が有意に高まる。

JR高田馬場駅構内でスプレー噴射、女逮捕=トイレ順番待ち中、傷害容疑-警視庁

ちょっとしたトラブルや言葉の行き違いで喧嘩や事件が勃発しやすくなったり、あるいはそれまでに溜め込んでいた不満・怒り・我慢を抑制できなくなって、『家族間・友人間・利害関係者間での大きな事件』が起こりやすくなったりもする。

東京都新宿区のJR高田馬場駅の女子トイレで、容疑者の29歳女性が催涙スプレーを撒き散らして、1人が皮膚炎を発症して7人が病院に搬送された事件も、『元々の短気・攻撃的な性格+従前の不満・苛立ちの多い落ち着かない状況』に『猛暑の生理的ストレス』が加わったことで起こった可能性がある。

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山口県周南市金峰(みたけ)で発生した『5人殺害放火事件』について。

山間にある人口数十人の小さな集落で起こった異常な連続殺人放火事件である。『閉鎖的な集落内部』の濃密な人間関係とそこからの疎外感・怨恨感情によって引き起こされる大量殺人事件(コミュニティ破壊型犯罪)は、明治時代の津山事件(岡山県)をはじめとして過去にも起こったことがあるが、『地域コミュニティ・近所づきあいの希薄化』が進む現代社会、特に都市部では珍しくなった型の犯罪ではある。

<山口5人殺害>「悪口言われる」不明の男、警察に相談

親や祖父母の世代から地域住民がずっと固定されているような田舎の集落では、数十年前までは自分の家と周囲の家との境界線は弱く、みんなが助け合うべき家族といった『村落(農村)共同体の名残』を残していただろう。お互いの家族の顔も名前もそれぞれ何(どんな仕事)をしているかも、結婚しているかも全て筒抜けのような関係があり、『集落内の相互評価(悪くいえば相互監視)・噂話』が住民たちの行動選択を無意識的に拘束しており、プライベート(私的領域)を保った都会的生活などはしたくてもできない環境である。

閉鎖的な小さな集落(顔・名前をそれぞれが小さな頃から知っている集落)では、『集落の協力的な一員』として承認されていなければ居場所がなくなりやすいが(陰口・噂話などで精神的に追い詰められやすいが)、『集落のルール・慣習・役割分担』に違背することでかつては村八分のような制裁を科されることがあった。

現在の村落ではさすがに昔の村八分のような制度的な制裁はないと思うが、数十人程度の住民しかいなければ、『集落の人間関係から外される・疎遠にされる(あるいは自分のほうから付き合いが悪くなり偏屈・排斥的になる)』というような事態は当然考えられる。

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広島県の女性集団暴行死事件と『家庭機能・学校‐就職の経路・共同観念』を喪失した少年少女の集団心理:2

現実社会の法律や常識、職業選択と対立する『不良集団(非合法活動に関与する集団)』は、一般的に『仲間の大切さ・裏切りへの制裁』を絶対的な規範にすることが多く、『仲間内でのルールや貸し借り』を『一般社会の法律や常識』よりも優先してしまうことが多い。

この記事の内容は、前回の『広島県の女性集団暴行死事件と『家庭機能・学校‐就職の経路・共同観念』を喪失した少年少女の集団心理:1』の続きになっています。

自分の行為が社会においてどのように認識されるのか、法律によってどのように判断されるのかを考えるのではなく、『仲間集団においてどのように認識されるか・仲間の価値観やルールに合っているか』のほうにより上位の価値観を与えてしまうということだが、こういった心理は極端な違法行為の免罪や認識する視野の狭窄を抜きにすれば、『身内・仲間・知り合いの言動に配慮する,その場の支配的な空気に同調してしまう』という形で誰にでも見られやすいものではある。

本来であれば、親とのコミュニケーションや学校で教育される社会の仕組みにまつわる知識・情報、他者と意見を取り交わす体験を通じて、『社会構成員に一般的に通用する共同観念』を形成していくものである。

しかし、上記してきたような『家庭機能の低下・学校教育からのドロップアウト・早い段階での経済的自立の圧力(親・教師の保護や指導の欠如)・スキルや資格による就職の選択肢の放棄』などの要因があると、『法律・倫理・政治・常識・慣習といった社会全体で通用する共同観念』を身につけることができず、『自分の周囲にいる仲間との関係性・利害関係』の中だけで生きているような『現実認識の視野狭窄(広い社会や一般的なルールが全く目に入らない友人関係の生活様式にはまり込む)』が起こってしまう可能性が非常に高くなる。

現代日本ではかつて浮浪児と呼ばれたようなストリートチルドレンを見かけることはまずないが、『家庭・学校・職場における居場所や自分の存在意義(まっとうに働く意義)』を見つけられない少年少女が社会を漂流し始めている状況が生まれている。『お互いの必要性・役割分担を認める仲間』に経済的・精神的に依存することによって、『集団内の力関係・ルール違反・同調圧力』に異常にセンシティブにならざるを得なくなり、『集団の外部の立場・目線』からすれば、たったそれくらいのことで(そんな仲間なら切り捨てれば良いのに)という馬鹿らしい理由で集団暴行・殺人(粛清)に及んでしまうこともある。

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広島県の女性集団暴行死事件と『家庭機能・学校‐就職の経路・共同観念』を喪失した少年少女の集団心理:1

広島県呉市の灰ヶ峰で若い女性の遺体が発見され、16歳無職の女性が自首してきた事件は当初から『車を運転したり遺体遺棄を幇助した共犯者の存在』が疑われていたが、出頭してきた6人の友人知人が逮捕されたことで新たな展開を見せた。報道では、『LINE』を通じて少女が友人たちと殺害事件に関連する情報・意見のやり取りをしており、警察にその情報の履歴を詳しく解析されれば『共犯者(自分たち)の存在』を隠し通すことはできないと観念したのかもしれない。

『殺害の動機』については、少年少女のグループが仲間内で営業していたとされる『違法な接客業・(私営の性風俗業か)』から上がる『利益の配分』を巡って被害者女性と揉めていたとも伝えられる。

加害者の女性が、昔からの友人だった学生の被害者を私営デリヘルに誘ったことが事件の発端ともされる。『ドロップアウト型の不良集団・違法ビジネス』での金銭が絡んだ仲間割れ(信用崩壊)が、『加虐と同調の制裁的な集団心理(仲間を裏切ったのだからこれくらい罰せられても当然とするローカルルール)』によって殺害までエスカレートしてしまったケースのように見える。

価値観や生き方、利害、仲間意識の共通点で結ばれた反社会的・カルト的な小集団が、『集団の規律を破った仲間・集団から離脱しようとした仲間』を殺害(粛清)してしまう事件は、連合赤軍事件(山岳ベース事件)やオウム真理教事件、暴力団・暴走族関連の事件をはじめとして過去に多く起こっている。性風俗やドラッグ、振り込み詐欺などのアングラビジネス(違法ビジネス)で金銭トラブルの仲間割れを起こして、今回と同じような図式で『利益配分に納得しない仲間(役割を果たさなかったり不正に多くの金銭を盗んだ仲間)』を殺害して遺棄するような事件も過去にあったりした。

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