「教育」カテゴリーアーカイブ

教育勅語の教材使用は何が問題になるのか?:儒教道徳は君臣秩序・滅私奉公が中心で『他者の心』にはあまり配慮しない

教育勅語は儒教道徳がベースで『君臣秩序・ご恩と奉公(命を捧げるお上への恩返し)・上下関係の教条化』など現代の憲法とそぐわない部分もあり、家族・友と仲良くは敢えて教育勅語でなくとも良い。

教育勅語の教材使用「積極的に活用する考えはない」菅氏

教育勅語の問題は、人は平等ではない、本人の行動に責任がなくても『滅私奉公・服従や遵守』というような一方的ロジックが多いことだろう。例えば、親孝行・先祖崇拝は儒教では絶対原理だが、『打たれても親の杖』のように殴られたり虐待されても親は親だから敬って孝行しなければなりませんといった教条主義の類が多い。

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現代日本の大学教育の効用と貸与型奨学金を借りすぎることのリスク:奨学金を借りるなら働くビジョンも必要

日本の大学教育は医歯薬看系の学部を除き『職業教育・資格や免許』の側面が弱く、卒業すれば確実に平均所得前後を稼げるわけではない。親世代の大卒ならそれなりに稼げるの見通しの具体化が必要だ。

ルポ・奨学金に奪われた未来、仕送り激減、ブラック企業への就職…

数百万以上の奨学金を借りる事は、無利子に近くても『長期間にわたる固定の支払い』が発生することを意味する。固定費は一つが少額でも家賃食費・水道光熱費・スマホ料金と積み重なるとすぐ10~20万以上の金額になる。卒業までにどんな仕事・資格・方法でどのくらい稼げそうかの見通しを早い段階で立てる必要がある。

本来、親の資力に影響されにくい機会の平等を担保するため、大学までの教育過程全体の無償化を進めるべきだが、そのためには『大学全入化の改革(大卒を就活の最低ベースラインとする企業・個人の意識変革)』が必要で、『大学に入学すべき能力・目的・適性がある一定数の人材』だけが大学に進むようにしないと無理だろう。

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森友学園の国有地払い下げ問題と過度の愛国主義教育:個人の人権と価値観を麻痺させるヒエラルキー

○森友学園の異例の国有地払い下げに、安倍首相夫妻や自民党の有力議員が対価のある口利きで関与していれば安倍政権が倒れるかあっせん収賄で逮捕者が出る恐れもある。財務省理財局のいい加減な仕事・癒着は酷いな……

“激安国有地”の森友学園 安倍夫妻と「愛国」理事長

賄賂を受け取っての政治家の口利きが仮にあったのならば古典的な金権政治の腐敗だが、政治家と役所・官僚の力関係の図式は分かりにくい。有力政治家が不正な口利きをしてきた場合、官僚がそれを聞かなければならない義務があるわけでもなく、リークや告発をされたら困るのは政治家。証拠資料まで丁寧に破棄してくれて必死に抗弁する財務官僚…

鴻池祥肇議員の取ってつけた『ガラの悪いコンニャク答弁』は、逆に政治家の介入疑惑を強めた観もある。コンニャク持参で投げ返されたカネにモノ言わす籠池泰憲理事長が『2年間でたった20万の政治献金』でしつこく陳情に来るのは腑に落ちない印象もあるが。 鴻池氏は公人・議員としての会見で言葉遣いが乱れ過ぎだろう。

上西小百合議員も醜聞や問題はあるが、塚本幼稚園の幼児教育の方針・実態を視察して、『異様』と判断しブログにアップしなかったのはまっとうな判断ではある。籠池理事長は自民党に国有地値引きのあっせんを求めつつ、自民・安倍政権を幼稚園児に礼賛させていて、子供を自分の学校ビジネスや政治信条の道具にしている。

『愛国心』を高揚させるための戦前回帰や教育勅語の何が問題なのかと籠池理事長やそれに賛同する日本会議・安倍政権のメンバーは言うが、一般庶民が言うならまだしも政治・教育の権力を握る人物が戦前回帰を求めるというのは『一般国民の人権・自由が邪魔(とにかく権力・自分たちに黙って従え)』と言っているだけである。

愛国心は個人の自発的な『郷土愛・歴史認識・自己同一性』のためなら正当化され得るが、権力者がトップダウンで愛国心・自己犠牲を押し付ける事には往々にして『国民の道具化・使役化』や『排他性と仮想敵・戦争の不可避(庶民が犠牲になる戦時体制)』と結びつくリスクがある。錦の御旗を掲げるならず者が増える。

森友学園の籠池理事長の『政治癒着の不正な学校ビジネス』や『子供を政権支援の道具(長州藩士の出し物で安倍首相に媚びる)にする教育手法』から見て、理事長のいう愛国心・道徳観が如何に『自分を度外視した政治的・操作的なものか』が知れる。絶対服従すべき天皇・国家の名を使って自分を代理人かのように大きく見せる。

愛国教育の何が問題かの問いを、ふんぞり返った強面な態度や上からの横柄な物言いでする極右的な人の存在が『愛国教育の問題=天皇・国家の価値を使って自分を代理人に仕立てて誰も逆らえなくする』を浮き彫りにしている。教育勅語を肯定するならまず自分が儒教的な士の徳を磨くべきなのに、人を尊重せず荒い言動が多い。

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森友学園経営の塚本幼稚園の洗脳的な愛国教育は何が問題か?:子供の信じ込みやすさ、国家・為政者と一般国民の力関係

近代国民国家は国民を国家(共同体)に忠誠心を持つ兵士・労働者として教育し外国と競わせる『戦争機械・国民の思想統制』の歴史を持つが、森友学園の教育は『個人否定の大日本帝国・臣民への逆行』か……

園児に「首相がんばれ」宣誓 森友学園運営の幼稚園で

森友学園経営の塚本幼稚園では園児・保護者はみんな『自民党・公明党・安倍首相の支持者』でなければならないかのような運動会の宣誓だが、この『個人の思想信条の自由』をあらかじめ刷り込み・集団圧力で封じる教育方針・人格形成そのものが森友学園がヘイトする『韓国・中国の多様性排除(反日前提)の教育方針』ではないか。

中国・韓国のヘイト発言、園児を討幕の長州藩士になぞらえた掛け声にせよ(先祖が旧幕府・会津藩ならダメなのか)、歴史認識・国際認識や政治理念が偏り過ぎだ。何も分からない幼稚園児に丸暗記させ唱えさせるにしては内容が『政治的・排他的』で、何かを嫌わせたり恨ませる事を目的にした教育は人格形成上も問題が多い。

森友学園の教育方針に理解を示したとされる安倍首相はよほど戦後日本の立憲主義や自由主義、個人の尊厳、国際協調が嫌いなのかと疑われても仕方ない。教育勅語奉読の問題点は『君臣秩序・臣民の身分意識』で、権利的に平等な個人の前提を覆し、天皇・国家を最上位とする上下関係と相互監視の中、滅私・抑圧・使役されやすい。

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『超能力があればいじめを防げたのに…』、いじめ問題で当てにならない担任教師の問題といじめ対応のあり方

いじめは『成育環境・性格・目的意識』の異なる多様な人が集まる学校等で起こりやすい。小中学校での事前抑止は困難、面接指導で解決しなければ『合わない相手』と物理的な接触頻度を調整すべきかも。

いじめ相談に担任「超能力あれば…」 翌日から不登校に

『超能力があれば云々』という教師のいじめ問題を直視せず煙に巻くような対応は無責任だが、『対人トラブルの調整』は警察・弁護士・警備員でもリスクをゼロにし被害者を守り抜くのは難しい。ストーカーやDV、隣人トラブルを警察に相談しても殺人に発展もあるが、いじめも加害者が納得しなければ再発不安は消えない。

警察のような強制力発動の法的根拠がありストーカーやDVの証拠があっても、その場ですぐ容疑者の身柄を拘束して長期にわたって自由を奪い被害者を守り安心させるなんて事はまずできない。また警察の前でだけ反省(もうしませんと誓約書に署名)の素振りを見せてより悪化することも多い。いじめも同様の問題構造はある。

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いじめ問題はなぜ解決しにくいのか?いじめられている被害者も悪い所があると思う心理

犯罪者を即死刑にせよの声も多いように、人は『大勢が悪と認知した他者』を攻撃する群衆心理の影響を受けやすくその時は罪悪感が薄い。いじめも異質な人を悪・邪魔とする『未熟な制裁』が関係しやすい。

<いじめ>「被害者も悪い」小中3割 金沢市教委アンケート

『未熟な正義・制裁』と『幼児的な優越欲求(マウンティング)・集団統制』が絡む時にいじめの集団行動は起こる。大勢がいじめられる子の何らかの異質性(不適応性・弱み)に注目し『悪・不快・邪魔』と認識すると共感・良心のブレーキが効かなくなっていじめがエスカレートする。スケープゴートや集団暗示も影響する。

いじめは個人対個人の関係では合わないタイプの他者がいても起こりにくいが、『固定メンバーの集団・共同生活』ではメンバー構成にもよるが、一定確率で起こりやすい。大人でも警察・軍隊など共同生活・仲間意識の要素が濃い仕事ではいじめ発生率は有意に高い、パーソナルスペースで合わない人と常に接する環境要因もある。

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