「社会」カテゴリーアーカイブ

仕事と趣味の比率:ワークライフ・バランスが困難な会社・職種もあるという話か。

『大人になったらまず趣味を無くそう』という呼びかけは、プライベート重視の思いが強い現代では、一般的な働き方の原理原則としては賛同が得られにくいものだが、『仕事の現実』としては趣味が持てないくらいに時間・精神の拘束度が強い職場・仕事・人間関係も多くある。

■「大人になったらまず趣味をなくそう」 謎の仕事論にネット震撼「一体なんのために仕事しているんだ!?」

新入社員の約3割が就職後3年以内に脱落するのはなぜか、正社員をいくつか経験した後にフリーターとして漂流する人(いわゆる正社員として定着できずに職を転々とする人)が増えてくるのはなぜかという問いとも、『趣味(個人の自由時間)を切り捨てなければサラリーマンは勤まらないというアドバイス』はつながっている部分がないわけでもない。

端的に言ってしまえば、一日を仕事と趣味に綺麗に区切って、5時か6時まで仕事をしたら後は帰って、やりたい趣味や遊びを楽しむぞ~という考え方は、プロフェッショナルな雇用期間の長いサラリーマンからすれば『学生気分』と呼ばれるものなのである。

翻って、長時間労働や休日作業(帰ってからの残務整理)も厭わないハードワーカーは、近年は会社に軛をはめられた『社畜』と若者から揶揄されたりもしているが、残念ながら日本のホワイトカラーや顧客対応型の専門職は、ある程度以上は社畜的メンタリティー(自分の個人的な楽しみや遊びの大部分を捨てて一日のほぼすべてを仕事に打ち込みくたくたになって帰って寝るだけ)がないと長く勤まらない仕組みになっていたりする。

続きを読む 仕事と趣味の比率:ワークライフ・バランスが困難な会社・職種もあるという話か。

『動物虐待』をする人の性格的・精神的な歪み

動物虐待には『弱者を痛めつける嗜虐的な精神病質』と『動物の迷惑行為に対する抑止・反撃(罠・毒殺)』があるが、嗜虐性向は対人攻撃へもエスカレートしやすい。

残酷な犬猫虐待が多発!下半身切り取り、性の対象、頭部に刃物刺す、エアガンで撃ち抜く

動物虐待の心理には、自分が社会から攻撃・疎外されている被害者意識があり、生命の価値や動物の可愛さ等への共感が鈍麻している特徴があるが、『自分が反撃されるリスクの低い動物への虐待』は社会的弱者である子供・高齢者・障害者等への嗜虐性向を刺激しやすい。『他の生命の痛み・苦しみ』に優位・支配の快感を感じる。

続きを読む 『動物虐待』をする人の性格的・精神的な歪み

宝くじに当選したら何に使うか?「孤独死」を身近に感じる人が4割を超す。

ドストエフスキーは「貨幣とは鋳造された自由である」と語ったが「貨幣でしか享楽・安心できない人」と「貨幣で時間(行動の自由度)を買いたい人」では自ずから使途は変わる。老後の為の貯蓄の多さが目に付くのは、いくらお金があっても安心できない「現代の悲観・将来不安の象徴」のようにも思える。

宝くじに当選したら? 大金の使いみち

宝くじに当選しても「1億円以下の当選金」なら、ディフェンシブな貯金が大半を占めることになるだろうし、物欲が強い人なら高級車・家・家電・衣服などを買ってそれで半分くらいは使ってしまいそうである。子供や親族に分配する人も多いだろうが、独身者あるいは異性が好きな人だと、女(男)で逆に身を滅ぼすタイプも出てきやすい。

ロト7とかビッグとかの5億円、7億円などの高額当選だと、生涯賃金相当のお金を貯金した上で、更に自由に投資・消費に回せる余裕があるので、人生の自由度は格段に高まるが、「寄付・公益事業(慈善事業)・社会的投資に回すほどの社会的意志・思想性」がある人はそう多くはなさそうではある。

続きを読む 宝くじに当選したら何に使うか?「孤独死」を身近に感じる人が4割を超す。

和歌山県太地町のイルカ追い込み漁批判、高齢者の催眠商法トラブルなど

肉食は人の残酷な業だが欧米は『家畜と野生動物の区別』でその原罪を希釈しているような感じもある。イルカ・鯨は知能が高くて人に近しい野生動物の象徴となっていて、異論排除の殺害禁忌に至っているが、 そもそも論として欧米人にとってイルカ・鯨が食用として用いられた歴史がないことが大きな影響をもたらしている。

イルカを追い込み漁以外の残酷ではない方法で捕獲しても、イルカを殺害したり傷つけたりする結果があるのであれば、欧米人は承認することはないだろう。

ある種の宗教的な信念・独善にも近いものがあるが、『犬食・猫食』を嫌う日本人の感覚をよりラディカルかつ感情的なものにしたと考えると分かりやすいかもしれない。

イルカ・鯨よりも人間に近しい解剖学的構造を持つサルだったらどうかと考えると、小型猿のサル食も激しい非難は浴びるだろうが、動物の権利(アニマルライツ)の象徴になっているイルカ・鯨よりもバッシングは小さいかも(類人猿にまでなると殺人に近い非難も起こり得るが)しれない。

イルカ追い込み漁の深刻さ 「英語の発信、圧倒的に少ない」「東京五輪のネガティブキャンペーンも」

続きを読む 和歌山県太地町のイルカ追い込み漁批判、高齢者の催眠商法トラブルなど

『中高年ニート』はなぜ増えるのか?:形式的な高学歴化・現代社会の情報や娯楽氾濫・やり直し困難による無業期間の遷延

成人男性が社会保険や賞与のある正規雇用の定職に就くことは、日雇い・専門職・自営などの例外領域を除いて、かつては半ば常識であると同時に成人男性の社会規範としても機能していた。

一方で、大半の人が正社員として働いて家族を養っていたような時代は、現代と比べれば『正社員としての就職・継続勤務のハードル』はかなり低く、地縁・血縁のコネによる行き場のない失業者(親族)の会社・公的機関(役場・農協など)への押し込みなども頻繁に行われていた。

■40過ぎても働かない「中高年ニート」なぜ増える? 豊かな時代の「合理的選択」なのか

昔は、中年に近づいて独身であれば周囲の親族・関係者などが無理やりにでも縁談を進めて結婚まで持っていったように、かつては親族にどうやっても自力で仕事を見つけられない失業者がいれば、親族・関係者のツテを辿ってどこかに職場を見繕ってそこで頑張るようにハッパを掛けたり(働き先にも血縁・関係者がいて能力が若干低くてもフォローされたり)もしていた。

一定以上の規模の会社では、“家族的経営・終身雇用慣行・社内コミュニティ”の中で『定年までの長期勤務』を常識とする考え方を企業も周囲もバックアップしていた(本人が辞めようとしても必死に遺留したり一時的に必要な資金を貸し付けて助けたりする等)こともある。

現在の30代後半~40代くらいの『中高年ニート』がなぜ増大するのかの理由については、まず『就職氷河期(ロストジェネレーション)・新卒一括採用からの年次別キャリア』を指摘することができるが、それ以上に影響を与えているのは『全般的な高学歴化による求職者の労働観・道徳観の意識変容や仕事の選り好み(職業階層の刷り込み)』だろう。

職業や仕事には、概ね以下の5つの側面を指摘することができ、最高に仕事が充実していてやり甲斐に満ちている人は、これら5つの側面をバランス良くクリアしていると解釈することができる。

1.生計(生活費)を稼ぐ手段

2.学歴や資格、能力(努力)に相応した社会的スクリーニングとその納得感。

3.自分のやりたいことや社会・他者に貢献できている感覚と関連した自己実現。

4.勤労の義務や世間体(人並みの生き方)を満たす対社会・対知人の自意識。

5.高所得・社会的地位・名誉・影響力など仕事を通じて得られる実利や俗欲。

現在の50代後半、60代以上くらいの世代になると、生まれた家庭が貧しいためにそこそこ勉強ができても全く学歴を得られなかったり、義務教育を終わるや否やうんもすんもなく強制的に出稼ぎのような形で都市部に集団就職させられたり(親元にお金を送らせられたり)した人が多く、高学歴者・専門職を除けば、職業・仕事の始点と基本は1の『生きるためのお金を稼ぐこと』に傾いていた。

続きを読む 『中高年ニート』はなぜ増えるのか?:形式的な高学歴化・現代社会の情報や娯楽氾濫・やり直し困難による無業期間の遷延

なぜ日本をはじめ現代の先進国では子供が減るのか?“子供のための親(子育てのハードルの高さ)”と少子化傾向

少子化の根本要因は、何が何でも子供を持つことこそが人生の最高の価値である(そのためには長時間労働だろうが仕事と家事育児の掛け持ちだろうが自分のための時間・楽しみは投げ捨てて厭わない)といった判断や生き方が早い時期からできる個人とそういった判断の下地となるシンプルな環境そのものが、現代社会から急速に激減しているということだろう。

結婚してからの計画的な妊娠出産であろうが、結婚後の運に任せた偶発的な妊娠であろうが、できちゃった結婚につながる不意の妊娠であろうが、子供ができてしまえば中絶しない限りは、大半の人が自分のほぼ全力を注いで最低でも約18~22年程度(高校・大学を卒業するくらいまでの期間)は子育てのために奔走しなければならない。

■子ども数、過去最低に 34年連続減、増加は東京都のみ

大半の人は(途中で離婚・失踪などで無責任に姿を晦ましたり虐待・事件などで一緒に暮らせなくなったりする人も確率的にはいるにしても少数派である)できてしまえば自分にできるだけのことをして子育てをする他はないと腹を括るだろう。

だが、現代人は避妊の徹底や結婚(子育て)の相手選びを含め、相当に注意深くて色々な条件をあれこれ想定して人生設計や子供の人生を予測し考慮するので、まだ十分な準備や覚悟ができていない『望まない妊娠(あやふやな気持ち・環境の中でできてしまった妊娠)』そのものが減り続けている。

産んでしまえば何とかなるという楽観主義を持ちづらく、自分と相手の雇用や所得、生活状況(それを向上させる意思・能力のレベル)の見通し、国の財政・社会保障・人口動態の見通しなどに合理的な人であればあるほど囚われてしまい、中途半端な状況では産めないからもっと環境を整えようとして時間ばかりが過ぎることにもなりやすい。

超高齢化社会の人口動態が、出産可能年齢にある女性人口が既に落ち込んでしまった人口モメンタムと賦課方式の社会保障制度の制度設計を前提にする限り改善を見込めないということも、『少子化関連のニュース』が出る度に強化されてしまう出産抑制要因の一つである。

続きを読む なぜ日本をはじめ現代の先進国では子供が減るのか?“子供のための親(子育てのハードルの高さ)”と少子化傾向