「ビジネス」カテゴリーアーカイブ

フォルクスワーゲン(VW)の『排ガス不正問題』とVWに科せられる約2兆円以上の罰金・リコール費用:ブランド価値も低下

フォルクスワーゲンのクリーンディーゼルの性能とされたものは、外国メーカーに対する参入障壁として機能してきた。『ディーゼル車の環境性能・普及率の高さ』は、EUの環境保護意識の現れとして解釈される事も多かったが、根幹の排ガス性能自体が予め偽装されていたインパクトは大きい。

不正の誘因になったのは『米国市場における低シェアの巻き返し』で、アメリカはEU以上に窒素酸化物(NOX)の規制水準が厳しく、従前のディーゼルエンジンでは排ガス規制をクリアすることが困難であったため、排ガス検査の時だけ窒素酸化物を減らす不正ソフトウェアが導入されたようである。

独検察、VW排ガス問題で前CEOを調査 詐欺の疑い

トヨタと世界販売台数のトップを僅差で競い合っていたフォルクスワーゲンだが、単純なブランドイメージの低下に加えて、『最低2兆円以上』とも言われる排ガス関連問題での損金発生は企業の経営基盤を揺らがしかねない。米国等で購入者による集団訴訟が提起されて、VWに追加的な損害賠償の支払いが命じられる可能性もでてきた。

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洋服屋さんで店員に話しかけられたくない心理:理想の接客対応とビジネスの成果はどこにあるのか?

高級店や常連客・年配客では、店員から愛想よく話しかけられないと『サービスが悪い・気の利かない店』と認定されたりもするので、『店舗の客層・価格帯・客の動き』等から判断できるのが『販売のプロ』ではある。

こっちに来ないでぇー! 洋服屋で話しかけられたくない女子、なんと91.1%も!

ユニクロやしまむらなどファストファッションのチェーン店での買い物は、『顔を覚えられない(覚えていないふりの)接客・匿名的な買物』のほうに逆に付加価値があるが、高級ブランド店にまではいかない中間価格帯のセレクトショップの接客態度はなかなか難しい。店舗面積が手狭な店は特に対話・接客ありきの販売の想定になりやすい。

大規模なチェーン店ではない、アパレルショップが接客ありきの販売にこだわるのは、やはり『一見さん』だけではない『常連化』を目指すから。理想的なビジネスモデルは『季節毎に来る・店員との信頼のある常連客(服の趣味・履歴を把握して気楽に話せる常連客)』を掴む事だが、そのレベルの店員が少なく時代も変わった。

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佐野研二郎氏の東京五輪エンブレムの模倣疑惑:『コネ・著作権』の絡むデザイン・芸術・創作の仕事の特殊性

佐野研二郎氏の東京五輪エンブレムの模倣疑惑は、『デザインの模倣事例の続出』で問題が拡大しているが、この問題は表面的には『一人のデザイナーの倫理観・アイデア・著作権違反の問題』だが、根本にあるのは『閉鎖的なデザイナーの世界の選考・評価の曖昧さ』と『実力・コネの不可分性(非実力主義の要素)』だろう。

膨大無数のデザインやアイデアがウェブに溢れるウェブ社会で『著作権法の形骸化(オリジナル性の多数化・編集化)』が起こっていて、音楽を筆頭にかつての著作権ビジネスが斜陽期に入った影響もあるが、この五輪エンブレムは『巨大な国策による東京五輪利権の末端』で発生した杜撰な仕事のやり方の問題である。

東京五輪エンブレム審査委員会は、電通に次ぐ広告代理店・博報堂の人脈が関係していたとされる。佐野研二郎氏が大手案件を獲得してきた背景には、博報堂のキャリア・人脈と親族のプッシュも影響しているが、逆にそういったメディア・広告・大企業の人脈に食い込まないと、意匠のデザイン一本で生計を立てるのは至難である。

デザインや芸術の世界は、センス・実力・才覚があれば公正な競争を通して評価される単純なものではなく、どのデザインや絵が優れているかを客観的に評価することが出版部数のある漫画等より難しい。『業界・権威的有力者のお墨付き』と『大組織の利権・人間関係でのポスト』を得るとやっつけ仕事や丸投げになりやすい。

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吉野家とすき家のうな重を食べた感想・ユニクロとセブン&アイHDのビジネスの成長性

牛丼は吉野家があっさりとしていて好きなのだが、うな重に関しては、吉野家よりもすき家のうなぎ(うな牛)の方が美味しい。吉野家のうなぎはたれに漬かり過ぎで味が濃すぎる。すき家のうなぎは上手くレトルト感を殺して、たれの濃さがくどくないよう調整されている(牛丼はすき家の方が味つけが濃いのに…)

国産うなぎ(鹿児島産)は約1980円でさすがに美味いが、気軽に食べるには価格がちょっと高すぎる。三分の一くらいの大きさなら880円くらいであるので、牛丼店でうな丼を食べるより、こっちのほうが美味しいといえば美味しい(量も余り変わらない)。うなぎ専門店は3000円?、今年は供給増で若干安いとはいうが…

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店員の接客対応に対する客の満足度:“店員の接客スキル・やる気”と“客の態度・受け取り方”

えー、そりゃないでしょ! ガッカリした店員さんの態度・4つ

商品価格が安い店や店員の給与が低い店だとそれなりの接客対応しか期待できないとか期待すべきでないとかいう意見もあるが、一概に『高級店の接客』と『大衆店・チェーン店の接客』のどちらが上でどちらが下かというのを断定することは難しい。

結局、価格を指標とする店の格は『フォーマルで丁寧さを極めた接客+客のニーズを先取りするコンフォータブルな接遇のスキルの高さ』をある程度まで保障してくれるだけとも言えるからである。

客の価値観やニーズによっては『あまりに気取った店の雰囲気を好まない・絶対に崩れないフォーマルな態度・過剰に丁寧な言葉遣いに心理的な距離感を感じる(自分がその場ににつかわしくないとかハートフルな接客に欠けるとか感じる)』というカウンターの不満感も生まれる可能性がある。

ミシュランガイドに三ツ星評価で載るようなお店やホテルの接客の良さというのは、『非日常的・演出的な過剰サービスの満足感や特別扱い』に近く、仮に毎日のようにこういった接客サービスを受けられるとしたら、いずれは『居心地の良さのレベル』は落ちて『形式的・演技的な取り繕いの空虚さ』のほうが目立つ恐れもある。

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モンスターストライク一本で売上1000億円を越え、経営危機をあっさり脱したmixiだが…一本足のリスクあり

モンストというソーシャルゲームの怪物効果でmixiが復活した。株価は一時の勢いを無くし天井感があるが、16年3月期も売上1850億、営業利益800億でまだ成長できるとは恐ろしい……。

スマホのゲーム市場はそれ以前と構造も層も違うのだろう。

たった一本のゲームのヒットがあれば、その微調整とキャラのコラボだけで1000億円以上の売上が複数年度にわたって上がるのは、ネット企業でも異常な高利益体質だ。まぁ、SNSで利益を出せなかった反動もある。逆にモンスト一本足打法の危うさが今後出るが、10年以上はmixiを存続させるキャッシュは貯まりそう……。

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