「投資・マネー」カテゴリーアーカイブ

ソニーの業績のV字回復、HISの革新的なホテルや旅行事業、ガスト(すかいらーく)のお得な株主優待

○ソニーの業績のV字回復、四半期利益が前年比2.8倍1576億円で過去最高。スマホ市場で出遅れXperiaも世界では売れないが、スマホカメラの画像センサー技術でソニーは世界トップレベル、エンタメ・金融・M&Aと合わせ大きな利益を挙げられるビジネスモデルを再構築できた。一時は沈みかけたが再浮上した。

かつてのように日本の電機メーカーが、『電化製品(スマホ含め)』で世界市場の大部分を独占することは概ね不可能となり、アップルやサムスンであっても市場占有率は中国メーカーにかなり奪われてきている。だがソニーや日本電産はじめ、日本のメーカーには、海外製品に採用される高度技術や生産体制という財産は多い。

旅行会社HISを創業した沢田秀雄氏が社長に復帰。HISの不採算事業撤退の速度が増した。個人客・テーマ性のある旅を企画する『OTA(オンライン旅行会社)』に経営資源を投入する路線は成功する可能性が高い。ハウステンボスのバンジー事故などもあったが、昨年からHISは市場でも評価が良い方向に見直されている。

富士山登山・名所史跡・パワースポット・ミシュラン店など企画力とオプションで付加価値を高め、スマホ対応のプラットフォームに集約して、外国人向け・日本人向けの『OTA』としてシェアを高める成長戦略である。ロボット接客の『変なホテル』やハウステンボスの『VRアトラクション』など最新技術採用にも精力的だ。

沢田秀雄氏は昭和期の起業家の一人だが、今なお破壊と再生、新事業への挑戦意欲があり、『空論でない利益を生む実業の創出・変革』は評価できる。長崎のハウステンボスはHIS以前は巨額赤字を垂れ流し、わずか20億円でHISが買収したが『損な買い物』と揶揄された。今のハウステンボスは数百億円以上の価値はある。

お家騒動で揺れた大塚家具だが、ファンドを味方につけて父親を追い出した大塚久美子社長が、『経営戦略の間違え』で赤字経営の苦境に陥っている。ニトリは確かに家具寝具・雑貨の会社としては空前絶後に近い長期成長を維持して、IKEAもグローバル市場で存在を示すが、後発で大塚家具が真っ向勝負を挑んでも勝目は薄い。

続きを読む ソニーの業績のV字回復、HISの革新的なホテルや旅行事業、ガスト(すかいらーく)のお得な株主優待

“35年住宅ローン”を組むべきか否か:東京五輪後の不動産価格の下落リスクを織り込む

35年住宅ローンが若手サラリーマンを破綻に追い込むの記事があったが、『人口減少・経済成長停滞・空き家率上昇』を考えれば、(移民導入がなければ)立地と品質の良い物件を除き『住宅の資産価値下落(売却しても残高が残る)』があるので、東京五輪後の住宅市場・日本経済を見て無理のない価格帯を買うのが無難だろう。

東京都心の強い需要のある物件は住宅価格はある程度維持できる可能性があるが、地方の少し引っ込んだ土地の中古物件などは、現在と比較すれば相当な格安価格で売りに出てくる可能性が高い。新築物件にこだわらず車で移動できるなら、地方の人口減少地域の物件はかなり安くなり一括でも買いやすいはず。

https://news.biglobe.ne.jp/economy/0729/sgk_170729_7123868041.html

ただこういった記事に出てくる35年ローンは、『借入金5000万円』で地方ではまず有り得ない金額の物件で、東京でもかなり稼ぐ大企業か上級公務員に限定した話ですな。

続きを読む “35年住宅ローン”を組むべきか否か:東京五輪後の不動産価格の下落リスクを織り込む

高級腕時計は投資対象として適切だろうか?:モノの換金性の不確実さや管理の大変さはある

高級腕時計のブランドや歴史由来・美観・機能等に興味ある人が買うべきで、投資対象としての『車・時計・機械・絵画等のモノ』は経年劣化リスクと適切なメンテの手間がある。

失敗しない「高級腕時計購入の二大極意」を教えます

高級腕時計、高級車、ブランドの服飾等には『所有する喜び(身に付ける満足感)』は確かにある。純粋な投資としては儲からないと思うが、『使いたいものを使う+早く売ればかなりの金額が戻ってくる(実質負担は小さい)』の考え方なら損はしない。経年劣化と投資だけ考えれば壊れずメンテ不要の金地金・金貨等が良いかも。

高級車もレクサス等の800万の新車の需要高の白・黒を買い、車検前に3年程度乗って売れば、600万以上戻る可能性は高い。レンタカーを借りたと思えば(そのランクは通常置いてない)3年200万なら安いといえば安い。200万の車に買換えれば400万現金も入る。不要不急なキャッシュある金持ちの話……

続きを読む 高級腕時計は投資対象として適切だろうか?:モノの換金性の不確実さや管理の大変さはある

『世の中、金こそすべて』という価値観に対する反論:お金・時間・自由度とのバランス

金の機能は『交換・貯蔵・指標』だが『金で交換できないものはある(金で動かない人や時間を売らない人もいる)・一定以上の貯蔵は個人には無意味・金額で指標化できない心理的満足がある』が反論になる。

「世の中、金こそすべて」←この主張に反論できる?

『金こそ全て』という命題自体が、ストックなのかフローなのか、労働所得なのか不労所得(資産・投資からの収益)なのかでも話は変わる。金が全てだからとにかく自分の体力と時間の限界ギリギリまでぶっ倒れるまで稼ぎたいという人はまずいない。大多数は『金がすべて』でなく『自由に動ける・体を休める時間』を優先する。

続きを読む 『世の中、金こそすべて』という価値観に対する反論:お金・時間・自由度とのバランス

1月から続落する日経平均株価、15000円台を守れるか:すかいらーく株の雑感

先週の1500円以上の暴落から今週は日経平均が反騰。昨日に続き今日も200円以上上げている。マイナス金利の煽りを受けた第一生命は2000円から1200円まで下げて塩漬けだが、好決算で二日連続で上げ1400円近くまで戻した。すかいらーく、トリドール等外食系は損失が殆どないが来年の消費増税が懸念される。

金融株は就職先としては安定しているが潰しの効かない職場とされる。株式市場では世界経済や公定金利、市場利回りの影響をダイレクトに受けるため、メガバンクや大手生保は値動きが荒く安定感は乏しい。長い石油安で三菱商事・三井物産等の資源系の大手商社も軒並み利益減だが、商社は配当が良いので買い場とも見れる。

続きを読む 1月から続落する日経平均株価、15000円台を守れるか:すかいらーく株の雑感

オックスファムの報告書『1%のための経済』、世界の富豪62人の資産総額は貧困層36億人分の資産に等しい

NGOのオックスファムが報告書『1%のための経済』で世界で最も裕福な62人の資産総額が、世界人口の半数を占める最貧層36億人分の総資産に等しいとする独自の推計を公表した。グローバル経済の富の集積と格差の拡大が極端なレベルに達し、国民国家の保護規制が崩れ、先進国の一般労働者も賃金下落の圧力に晒され易い。

アメリカだとビル・ゲイツやウォーレン・バフェット、日本だと柳井正や孫正義、三木谷浩史などが富豪上位の常連として知られるが、米国のティーパーティー(茶会)の極右・リバタリアンの『コーク兄弟』などは思想的にも政治的影響力でも厄介な存在だと言われていたりする。

ゲイツと並ぶメキシコの通信王カルロス・スリム・ヘルはその知名度が日本ではまだまだ低いが、実業家としても慈善家としても中南米での影響力は大きく、過去には何回もビル・ゲイツを抜いて世界トップの富豪の座を獲得していたりする。

資本主義以外の代替的な経済システムで上手くいったものがないのが格差拡大の根本問題ではある。結局、お金の交換価値がないと「人が人を支配する世の中(擬似的な身分制・独裁)」になりやすいので、「資本主義の修正版の経済システム」しか実質の選択肢がない。

後は科学技術やロボットによる技術革新のブレークスルーで、人間の生活様式や労働に対する価値観が劇的に変わる可能性くらいしかないかもしれない。

先進国内の格差は、貧しくても教育水準が高い層が多いため、親子間の格差継承を嫌って、敢えて子供を作らない『親世代が中流階層』のボリュームが増えやすくなり、人口減少や国民の教育水準の低下の副作用は大きくなる。途上国は労働需要を超えた『教育のない不満の多い層の人口』が爆発する事で、政治やテロのリスクが上がってしまう。

社会主義の最大の弱点は、個人の自由意志を暴力・法律で規制しないと成り立たないシステムであるため、「赤い貴族」と呼ばれる共産党幹部が封建社会の貴族のように権威化し蓄財し始めることで、逆らえば「思想犯」として強制収容所で洗脳・強制労働(これも思想教育w)・処刑の恐怖政治に堕落しやすい。

続きを読む オックスファムの報告書『1%のための経済』、世界の富豪62人の資産総額は貧困層36億人分の資産に等しい