「経済」カテゴリーアーカイブ

モンスターストライク一本で売上1000億円を越え、経営危機をあっさり脱したmixiだが…一本足のリスクあり

モンストというソーシャルゲームの怪物効果でmixiが復活した。株価は一時の勢いを無くし天井感があるが、16年3月期も売上1850億、営業利益800億でまだ成長できるとは恐ろしい……。

スマホのゲーム市場はそれ以前と構造も層も違うのだろう。

たった一本のゲームのヒットがあれば、その微調整とキャラのコラボだけで1000億円以上の売上が複数年度にわたって上がるのは、ネット企業でも異常な高利益体質だ。まぁ、SNSで利益を出せなかった反動もある。逆にモンスト一本足打法の危うさが今後出るが、10年以上はmixiを存続させるキャッシュは貯まりそう……。

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最低賃金の時給1500円の要求は、なぜ実現しづらいのか?:資本主義の賃金決定システムと適度な不足感

みんなが『単純・短時間の労働』で楽に生活コストを賄える経済の仕組みを作る事は、資源供給に余裕があっても、『高度な専門性や職業地位の価値下落・キャリアの連続性と労働再生産』の点で難しい。

「時給1500円」を求めて…ファーストフード店員賃上げ要求の妥当性

店員や一般事務で時給1500円を貰えると、それ以上の『難易度・ストレス・専門性・長時間拘束のある職種』では、それ以上の給与待遇を考える必要が出るが、仮に店員・事務でも週休2日以上・月30万円以上稼げ物価も同じなら高度な専門性・職種の連続的キャリア(時間・心理の拘束が強いキャリア)で踏ん張る人は減る。

みんながどんな仕事でも時給1500円以上稼げ、物価も現在程度なら、仕事の悩み・ストレスは激減するが、『楽にモノを買えすぎる状態』だと『必要以上のモノ・サービスの消費』が起こるのに『モノ・サービスを全力で供給する生産者数』は減り続ける。モノ・サービスの供給不足によるインフレは共産主義の失敗要因だった……。

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『中高年ニート』はなぜ増えるのか?:形式的な高学歴化・現代社会の情報や娯楽氾濫・やり直し困難による無業期間の遷延

成人男性が社会保険や賞与のある正規雇用の定職に就くことは、日雇い・専門職・自営などの例外領域を除いて、かつては半ば常識であると同時に成人男性の社会規範としても機能していた。

一方で、大半の人が正社員として働いて家族を養っていたような時代は、現代と比べれば『正社員としての就職・継続勤務のハードル』はかなり低く、地縁・血縁のコネによる行き場のない失業者(親族)の会社・公的機関(役場・農協など)への押し込みなども頻繁に行われていた。

■40過ぎても働かない「中高年ニート」なぜ増える? 豊かな時代の「合理的選択」なのか

昔は、中年に近づいて独身であれば周囲の親族・関係者などが無理やりにでも縁談を進めて結婚まで持っていったように、かつては親族にどうやっても自力で仕事を見つけられない失業者がいれば、親族・関係者のツテを辿ってどこかに職場を見繕ってそこで頑張るようにハッパを掛けたり(働き先にも血縁・関係者がいて能力が若干低くてもフォローされたり)もしていた。

一定以上の規模の会社では、“家族的経営・終身雇用慣行・社内コミュニティ”の中で『定年までの長期勤務』を常識とする考え方を企業も周囲もバックアップしていた(本人が辞めようとしても必死に遺留したり一時的に必要な資金を貸し付けて助けたりする等)こともある。

現在の30代後半~40代くらいの『中高年ニート』がなぜ増大するのかの理由については、まず『就職氷河期(ロストジェネレーション)・新卒一括採用からの年次別キャリア』を指摘することができるが、それ以上に影響を与えているのは『全般的な高学歴化による求職者の労働観・道徳観の意識変容や仕事の選り好み(職業階層の刷り込み)』だろう。

職業や仕事には、概ね以下の5つの側面を指摘することができ、最高に仕事が充実していてやり甲斐に満ちている人は、これら5つの側面をバランス良くクリアしていると解釈することができる。

1.生計(生活費)を稼ぐ手段

2.学歴や資格、能力(努力)に相応した社会的スクリーニングとその納得感。

3.自分のやりたいことや社会・他者に貢献できている感覚と関連した自己実現。

4.勤労の義務や世間体(人並みの生き方)を満たす対社会・対知人の自意識。

5.高所得・社会的地位・名誉・影響力など仕事を通じて得られる実利や俗欲。

現在の50代後半、60代以上くらいの世代になると、生まれた家庭が貧しいためにそこそこ勉強ができても全く学歴を得られなかったり、義務教育を終わるや否やうんもすんもなく強制的に出稼ぎのような形で都市部に集団就職させられたり(親元にお金を送らせられたり)した人が多く、高学歴者・専門職を除けば、職業・仕事の始点と基本は1の『生きるためのお金を稼ぐこと』に傾いていた。

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資本主義経済の最低賃金水準はなぜ生存ラインを大きく上回らないのか?

ファストフードや警備員、GSのスタッフの時給が1500円や2000円であれば、先進国の経済社会から『低賃金労働ゆえの悩み・不満』は一掃されるだろうが、そうはならない理由は『労働生産性』というキーワードで語られる資本主義経済の労働再生産と学歴・資格の仕組みにある。

一流とされる大企業に勤める大卒・院卒の総合職や専門職(研究職)のボーナスも含めたサラリーの水準は、概ね時給3000~5000円の水準にあるとされる。

「マックジョブに時給1500円」要求で議論 「これじゃ生活できない」「金額に見合う仕事なのか」

これは1000円以下のアルバイトの時給と比較すれば破格に高いようにも思えるが、『難易度や倍率の高い入試・入社のスクリーニング』をくぐり抜けたことによって得ることが期待できる報酬、『仕事そのものの責任の重さ・知的な高度さ・技術的な難しさ・必要資格の取得コスト』などを織り込んだ所得格差として解釈されているものである。

『能力や資格のスクリーニングがない・職業キャリアの積み上げを問わない・やる気だけですぐにでも取り組める』という型の仕事は、誰でも代替しやすい作業型のルーティンワークであるため、賃金水準が低めに設定されやすく機械化・自動化によってリストラされやすくなる傾向がある。

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低所得者の厳しい住宅環境:『負債としての賃貸・住宅ローン』との向き合い方

日本の住宅費は高いが人口減少で住宅供給はダブつく、立地・年数にこだわらなければ格安物件は増える。賃貸も住宅ローンも毎月お金が出る『負債』、自分・家の収支を考慮した契約をするようにしなければならない。

実家は「出たくても出られない、檻のない牢獄」 低所得の若者の厳しい「住宅環境」

低所得であるほど『住宅・車にかけるコスト』は削り、一ヶ月の給料が必ず余る生活設計を立てるべき。家賃6万でカツカツなら、家賃4万で2万の投信積立等をした方が先で得する。資本主義社会の普遍の黄金律は『資産を増やし、負債を減らす』で時間が経過するほど通帳・金融資産残高が増えるリズムの構築を念頭に置きたい。

借金したほうがカネが稼げるという経営者もいるが、それは『借金してお金さえあれば成功の見込みがある事業・投資・設備の当て』がある場合に限る。住宅・車などの耐久消費財は『買値以上の売値』をつける事が難しいので、『自分と近親者の精神的満足+コストを上回る収入』の兼ね合いを考えることが大切。

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セブン&アイHDが牽引するコンビニ業界と24時間ATMを稼働させるセブン銀行の成長可能性

小売業界でスーパーが低迷する中、セブンイレブンが牽引するコンビニ業界は前年比+で健闘した。コンビニ間でなぜセブン&アイHDだけがあそこまで一人勝ちできるのかは『PB・惣菜等の商品力』だけでは上手く説明できないが、株式市場でセブンイレブン関連の内需株はかなり安定感がある。

セブン&アイHDとセブン銀行は、ディフェンシブな資産運用の株のポートフォリオには、必ず組み入れておきたい下がらない銘柄だが、『外国人観光客増によるATM需要の増加』はセブン銀行の手数料収入にかなりの追い風になってくる。

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