「経済」カテゴリーアーカイブ

投資と貯蓄・個別株と投信:日本社会の景気実感や投資における格差拡大の一要因

アベノミクスは異次元の金融緩和と公的資金(GPIF)の株式市場への投入、円安誘導によって、官製相場のプチバブルを継続しているが、日本全体の景気実感は『物価上昇・大手以外の給与減』によって少しずつ悪化しているという調査も出てきている。

一方、都市部に行くと目に付く新車・高級車の比率が増えたり、高いレストランや夜の繁華街で羽振りの良さそうな人たちが増えているような景色もあり、アベノミクスは『投資できる元本・知識・意思(リスクテイクできる機会)』を持っている人とそうでない人との格差を段階的に広げている。

株式市場や投信(信託財産)に関係のない大多数の国民にとって、アベノミクスの恩恵はあまり賃金の良くない雇用を増やしたくらいに留まり、輸入品の物価が上がったり、世代間・給与階層間の格差が拡大したり、日本の国家財政が悪化したり、年金積立金の運用失敗のリスクが増したりといったマイナスの影響も小さくない。

外国人買い物客の消費の影響も大きいが、『高級品・レジャー・シーズンのセールなどの売上』は右肩上がりである。こういったものは不要不急の商品であり、基本的には『使っても懐が大きく痛まないカネ』によって大胆に消費される傾向があるが、今、買われているファンドの投信ランキングを見ると『毎月の配当金の大きなREIT(不動産投資信託)・インフラ関連』が上位に来ているのが分かる。

大手の銀行(ネットバンク)のサイトで投信ランキングを見ると、数百億円~数千億円規模の巨大ファンドが並んでいるが、それらの多くが『毎月分配型』であり、メガバンクや信託銀行は数百~数千万円以上の資産を持つような高齢者層にこれらのREITやインフラ関連、インデックス型、ブラジルのレアル建てなどのファンドを相当な規模で営業して売りつけている。

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東京一極集中と地方の農漁村の人口減少と衰退の問題:どうして地方から都心に人口が移動するのか?

『東京一極集中・地方中核都市への集中・地方衰退』は都市型の消費文明社会と学校教育と連携した職業の階層的な価値観がある限り、決定的な流れの是正は困難だろう。一次産業と公務員以外の雇用に乏しい。

<地方移住>4年で2.9倍 「首都・近畿圏から」3割

都市から地方への移住が増加しても約8000人、東京都心への移住は10万人以上の規模で、差し引きの地方の農村漁村からの人口流出と高齢化は止まらない。敢えて田園・漁村の風景が広がる田舎に移住する人は大きく分ければ、都市型の消費文明・企業労働・育児環境に嫌気がさした若年夫婦か、リタイヤした老夫婦である。

地方自治体が移住を歓迎するのは、既に小さな子供がいるかこれから出産予定があり、就農する体力もある若年層(20~40代前半)の夫婦だが、逆に言えばこの『移住歓迎の対象層の狭さ』も人口増の制約要因だ。10万人以上の東京移住者の多くは仕事を探している単身者か若年者だが地方ではこの層の受け容れは困難である。

過疎化が進む地方自治体は人口減少・高齢化で、このままだと半世紀後には大半の自治体が消滅の危機に直面するが、それでも『来てくれるなら誰でも歓迎』の東京を筆頭とする匿名的で自由な大都市とは『移住者の求め方』がそもそも違う。働くための移住ではなく、地域共同体の一員となる協力姿勢を持つ移住者を求めている。

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先進国のデフレはなぜ続くのか?:原油安・金融緩和(株高)の影響と物価の高低

少し前まで『原油の上昇・新興国の石油需要増加』によるエネルギー価格高騰が懸念されていたが、米国のシェールガス革命とOPECの価格競争、対ロシアの間接的経済制裁で原油市場の先行きは不透明だ。

2015年展望:物価はどうなる? 原油安・追加緩和の影響は?

エネルギーとなる地下資源の推測埋蔵量は、シェールガスとメタンハイドレートの掘削技術に実用化・ビジネス化の目処が立てば、少なくとも100年以上の埋蔵量がある。更に掘削と内燃機関の技術革新があればエネルギー枯渇不安や高騰リスクは和らぎ、今より原油価格が一段安くなるかも。中東の政情不安・貧困化の懸念も同時に生じてしまう恐れはあるが。

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アベノミクスと自動車会社の株高・好景気:エコな軽自動車税の減税とハイブリッドの次に来る車

トヨタ、ホンダ、富士重工、マツダなど大手メーカーの主要市場は『北米・中国+αの新規市場』に移り、国内の車販売台数は微減傾向だが、エコカーはまだ売れるので政府は減税政策に注力する。

軽自動車税、25~75%軽減=エコカー減税見直し案―政府・与党

低燃費・低排気ガスのエコカーでも新車しか減税されないので、中流以上の層や高齢者層に向けた自動車販売促進策であるが、新車の製造・輸送の過程では大量のCO2が排出されるので『環境負荷を下げるエコ』ではないという批判はある。だが減税政策の本質は『車の販売促進と景気刺激・メーカーのエコ技術開発支援』にある。

エコカーばかりだと車の個性・魅力がなくなるというが、エコカー減税がなくても消費者の大半は『ハイブリッド・省エネ技術のラベルがついた車種』にしか興味を示しにくくなっており、北米の一部市場を除いては『大排気量でパワフル・低燃費で環境負荷の高い・乗車人員が少なく積載量が小さい車』は開発しても売れない…。

日本国内では車は売れない感覚もあるが、2015年は日本の自動車メーカー全てに対して、物凄い追い風が吹くと予測されている。トヨタは2014年は世界販売台数が1000万台の大台突破、GMと首位争いのデッドヒートを繰り広げているがそれだけアメリカの景気が急回復した。スバルやマツダも米市場で売れている。

アベノミクスは円安・株高をもたらし、2015年はドル為替は125円台まで円安が進むという見方も強い。米国の景気・雇用回復とドルの強化(円安)は『日本の輸出企業への追い風』だ。トヨタや富士重工(スバル)、マツダは14年に時価総額を2割以上膨張させたが、2015年も輸出押上げトレンドは持続しそうな動き。

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『農協改革』を推進しようとする自民党の内部対立と農協が果たしてきた役割が通じない時代の到来

農協は農家間の競争原理を抑え、規定の農作物を生産すれば利益が出る買取制度を維持し、銀行がない田舎の金融ネットワーク(農業近代化の融資網)を作ってきた実績がある。

農協が介在する『農家のサラリーマン化・安定収益』が歓迎された時期も長かったが、『農家の高齢化・市場原理(グローバリズム)の圧力』によって、今まで通りの農政や農協依存の農業を続けていける目処が立たなくなってきた。

<農協改革>揺れる自民 選挙実動部隊、無視できず

農協に加入して規定の作物を生産し減反制度も利用すれば、『食いっぱぐれリスク』を回避しやすいメリットは大きかった。当初の殆どの農家は『生産した米・野菜・果物』をどのように市場に流通させるか、価格をどうするかなど『商売のノウハウ』がなかった為、生産以外の部分を丸ごと面倒見てくれる農協は必要だった。

時代は変わり保護された農業は『自力で稼げる競争力』を失い、『農家の後継者不在・高齢化進展・耕作放棄地の増加』によって、日本の農業の持続可能性そのものが危ぶまれている。農業従事者の平均年齢は60歳を超えるが、農地転売の規制など岩盤規制や高齢者の農地へのこだわりによって、農業改革の歩みは遅い。

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トリドール(丸亀製麺)とプレナス(ほっともっと)の株価や外食・中食のビジネスについて

外食・中食産業の企業の勢いが株式市場でも強いが、『家庭の外食・買食率の増加』の追い風を受けているのかもしれない。トリドール(丸亀製麺)は先日の売却後にも更に株価を上げていて、1700円台にまでなってきた。

テクニカルなチャート分析では、前回に買った時の1300円台まで戻る可能性は低いように感じる。トリドール株は保有しておきたい銘柄で1800円台以上になってもおかしくないが、なかなか買い時が見つけられずにいる。

ほっともっとを運営するプレナスも、『2月の株主優待』の関係があるのだろうが株価が2000円より下には落ちない。ほっともっとの店舗に足を運ぶと、昼・夕の書き入れ時は異常に客が混雑していて、売上は良さそうに見える。

あれだけ一気にお客さんが詰めかけると、弁当を作ったり詰めたりする作業も時間との戦いで相当に忙しそうである。時給と業務量との兼ね合いから、こういった外食・中食(弁当屋)の業界で慢性的な人手不足が起こるのも頷けるし、時給1000円以下で繁忙時の仕事をさせるのは酷である。

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