非正規雇用の“5年ルール”と“日本の労働市場の非機能性”

戦後日本の企業・役所の雇用は、一部の日雇い的な労働形態を除いては『終身雇用・年功賃金』が前提とされていたが、それは『成長経済における固定費(人件費)』をどう配分するかという問題に過ぎなかった。派遣労働(非正規雇用)が拡大する2000年代より前は、アルバイト以外の非正規雇用を大量に雇うことは困難で、『固定費(人件費)削減の手法』そのものが大企業では特に限定的だったからである。

2018年、失業者を大量発生させる非正規労働契約の5年ルール

国際競争力の強化や雇用形態の多様化と選択などを理由にして、小泉‐竹中の市場原理の経済政策で派遣労働の規制緩和が行われた結果、『正規雇用と非正規雇用の不合理な格差(擬似的な身分制としての効果)』が問題視されるようになり、働く意志と正規雇用に近似の能力があっても『雇い止め(有期雇用契約)』に遭う派遣労働者が生活に困窮するなどの弊害がでてきた。

雇用形態の多様化や労働時間の選択性というのは、元々、学生・主婦(主夫)のように『働いても働かなくても生活に行き詰まらない状態(自分とは別の主な家計の担い手である配偶者や親がいる状態)』にある労働者の便宜を図る効果があるだけで、『絶対に働かなければ生活できない状態にある人』にとってはずっと同じ会社で働かなくても良いとか、短時間労働だけどいつ契約を打ち切られるか分からないというのはそれほど望ましい条件の変更ではなかったからである。

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文章を書き慣れれば、主観(自分の視点)を交えない『ファクト重視の文章』のほうが簡単に書ける。

ニュース記事やビジネス文書、論文のようなフォーマルな文章は、『自分がどう認識してどのように考えているのか』という主張をせずに、『客観的なファクト(事実)』だけを抽出して淡々とフォーマットに従って書けば良いので、実を言えば『楽に書ける文章』のカテゴリーに当てはまる。

ビジネス文書に「私は」はいらない

繰り返し『型』を真似して練習すれば概ね誰でも書けるようになり、個人ごとの文章表現力や語彙・比喩の差も分かりにくいのが、『私は』が要らないファクトを簡潔な表現で伝えるための文章なのである。

その意味で、私がどう思ってどのようにすれば良いと考えているのかというオピニオン(意見)やフィーリング(感受性)の部分を抜きにして書く『客観的な文章』は、平板な意識のままルーティンワークで書ける文章なのだが、往々にして『読んで面白いタイプの文章』ではないという特徴もある。

客観的な文章は、他者の心(感情)を刺激する力が弱くて、一般的に無機質な印象を読む人に与える。つまり、何かの情報や説明を知りたいというニーズにピンポイントで答えるための文章なので、書いている人の顔や温度が伝わらず、それらをむしろ隠すべき不要なノイズと見なすことになる。

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社会保障制度改革を議論しても『超高齢化社会の負担増・給付減の現実』の厳しさへの対応は簡単ではない。

現在40代以下の世代だと『公的年金』にはほとんど頼れないか、最低でも68歳以上の給付開始で現在よりも大幅に減額された年金となる可能性が高い。60代で引退して年金と貯金だけで悠々自適に暮らすという『戦後日本の一時期のライフデザイン』が通用しなくなり、原則として『生涯現役社会・自己責任的な共助自助の社会』に再編されていくことになるのだろうが、現役世代の税金・保険料が上がり続ける中で給付が段階的に削減される状況は、『いずれかの時期の政治決定』で公的年金制度そのものが大幅に抜本改革されるだろう。

公的健康保険にしても財政悪化が続いており、現役世代の負担率、特に殆ど病院に行かないのに払っている若い層の負担率は限界に近づいている。年収300~400万くらいのゾーンでも、国民健康保険であれば月額3万円以上を支払わなければならず、もしもの時の全額自己負担を考えても、10年~20年と健康でいる人にとっては殆ど掛け捨てで、自分が高齢になった時に現行の割安な自己負担率(年金でも支払い可能な医療費の上限額)が維持されている可能性は低いだろう。

現在の若年層は、自分たちが高齢になる時には現状ほどの老後社会保障が維持されていないだろうと半ば諦めている部分もあるが、50~60代以上くらいの世代だと今まで『長く払い続けてきた負担感』と『ここまで払ってきて減額・受給年齢引き上げは許せない』という思いも強くなるので、社会保障制度改革では最大の抵抗勢力(今まで通りの制度を維持してほしいとする勢力)になる。

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