総合評価 92点/100点
雑誌『LIFE』の写真管理部門で16年間働くウォルター・ミティ(ベン・スティラー)は、毎日同じように会社と自宅を往復する冴えない日常生活を繰り返しながら、マッチングサイト(会員制の出会い系サイト)で恋人を探している。
マッチングサイトで狙っている女性は、同じ出版社で働く同僚のミシェル・メリハフ(クリステン・ウィグ)だが、ウォルターは自分に自信がないため意中のミシェルにまともに話しかけることができない。
ミシェルの好む男性のタイプは『勇敢で行動力があり、冒険心に満ちている人』だが、ウォルターは自分の願望や欲求不満を妄想世界で満たしてぼんやりする習癖があり、最近もこれといった新しい体験や冒険的な活動はしていない。
マッチングサイトの自己プロフィール欄の体験談・アピール文も空白になっているので、ミシェル以外の女性も誰もアプローチしてこない状況なのだが、空想の中ではいつも勇敢なヒーローや危険を恐れない冒険家となってミシェルに情熱的で魅力的な告白をしたりしている。
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総合評価 89点/100点
敵地に潜入するアメリカ軍の危険な特殊工作任務を遂行するネイビーシールズの精鋭たちが、苦痛と恐怖、疲労、不快に限界まで晒されしごかれる映像から映画はスタートする。軍の各部隊から寄り集められた精鋭の多くは、過酷さを極めるネイビーシールズの訓練に耐えられずに自分で『屈服の鐘』を鳴らして脱落していき、最後まで残った隊員たちはその限界状況の共有体験から実の兄弟以上の強い絆で結ばれている。
アフガン戦争後の対アルカイダ掃討戦における一つの作戦の実話をベースにした作品。最後まで戦い抜く精神力を試されて乗り越え続けてきた4人のネイビーシールズが、アフガニスタンの山岳地帯で『死が避けられない銃撃戦の極限状況』に陥り、最新鋭のライフルを用いた決死の抵抗戦も虚しく、足場の悪い地形に慣れたタリバン兵の大軍に押されて次々に戦闘不能な深手を負わせられていく。その絶体絶命のアフガンの岩山での戦闘から、ただ一人のアメリカ兵だけがいくつもの銃創・骨折を負った瀕死の状態で生還した。
ストーリーといえばただそれだけであり、端的にはアフガン戦争における『タリバン掃討作戦』のアメリカの正義を称揚して、タリバンの残酷さとパシュトゥーン人(反タリバン勢力)と米軍の友誼を浮き彫りにする映画なのだが、アフガンの峻険な岩山で展開される戦闘を中心に、『戦争映画としての緊張感・臨場感(負傷の苦痛のリアリティ)』が抜きん出ている。
戦争シーンの迫力とネイビーシールズの絶望的状況での抗戦(戦闘ヘリ・アパッチの機銃掃射による支援を待ち焦がれる状況)に引き込まれて、一気に最後まで見てしまう作品世界の勢いがあるが、4人の隊員は銃撃による負傷だけではなく岩山・崖からの激しい滑落を繰り返して、全身が段階的にずたぼろに切り裂かれて満身創痍の状態になっていく。
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