総合評価 89点/100点
敵地に潜入するアメリカ軍の危険な特殊工作任務を遂行するネイビーシールズの精鋭たちが、苦痛と恐怖、疲労、不快に限界まで晒されしごかれる映像から映画はスタートする。軍の各部隊から寄り集められた精鋭の多くは、過酷さを極めるネイビーシールズの訓練に耐えられずに自分で『屈服の鐘』を鳴らして脱落していき、最後まで残った隊員たちはその限界状況の共有体験から実の兄弟以上の強い絆で結ばれている。
アフガン戦争後の対アルカイダ掃討戦における一つの作戦の実話をベースにした作品。最後まで戦い抜く精神力を試されて乗り越え続けてきた4人のネイビーシールズが、アフガニスタンの山岳地帯で『死が避けられない銃撃戦の極限状況』に陥り、最新鋭のライフルを用いた決死の抵抗戦も虚しく、足場の悪い地形に慣れたタリバン兵の大軍に押されて次々に戦闘不能な深手を負わせられていく。その絶体絶命のアフガンの岩山での戦闘から、ただ一人のアメリカ兵だけがいくつもの銃創・骨折を負った瀕死の状態で生還した。
ストーリーといえばただそれだけであり、端的にはアフガン戦争における『タリバン掃討作戦』のアメリカの正義を称揚して、タリバンの残酷さとパシュトゥーン人(反タリバン勢力)と米軍の友誼を浮き彫りにする映画なのだが、アフガンの峻険な岩山で展開される戦闘を中心に、『戦争映画としての緊張感・臨場感(負傷の苦痛のリアリティ)』が抜きん出ている。
戦争シーンの迫力とネイビーシールズの絶望的状況での抗戦(戦闘ヘリ・アパッチの機銃掃射による支援を待ち焦がれる状況)に引き込まれて、一気に最後まで見てしまう作品世界の勢いがあるが、4人の隊員は銃撃による負傷だけではなく岩山・崖からの激しい滑落を繰り返して、全身が段階的にずたぼろに切り裂かれて満身創痍の状態になっていく。
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ひきこもりやニートが増加しやすく高齢化しやすい要因は、先進国全体に概ね共通するものであり、EU諸国では若年失業率が20~30%程度にまで上がって、南欧では約半数の若者が失業して何の職業経験やスキルも積み重ねられないままに中高年になっていっている。
現代日本におけるひきこもりの増加・高齢化の問題をどう捉えるか?:2
現代の先進国では、大学の教育制度が想定してきたような『ホワイトカラー(大手企業の総合職)の雇用のパイ』が大幅に減少しているにも関わらず、とにかく最低限大学だけは卒業しておくべき(無能・劣等ではないことのメルクマール)という親世代の価値観の共有で『大学進学率』だけは上昇を続けている、その一方で中小零細企業の雇用や非正規雇用の待遇は悪化を続けている。
日本の企業制度は学校制度の延長(学校を卒業した人たちが一斉に入社していき年次と経験を重ねる仕組み)として機能してきたが、基本的に『学歴と職歴との連続性+一定以上の職務経歴・実績の評価』とがスムーズにつながらないと、平均所得前後を稼げる働き方(ボーナスや昇給昇格の機会のあるサラリーマンとしての仕事状況)に適応することが困難になっている。
更に、『履歴書・職歴書(時間軸に沿ったキャリアの休みのない連続性)』に象徴される過去から現在までの自己のデータベースが、『自分の働き方・生き方が記録(格付け)され監視されているような強迫観念』を生み出しやすくしている。
そのデータベースに空白・落ち度があるように思い込んでしまう気弱な人たち(今までの人生履歴に対する周囲の目線や評価を気にしすぎる人たち)が、ひきこもりや無職状態から立ち直るきっかけを掴みにくくなっているが、履歴書さえ要らないバイトも多かった気楽な昔の時代と比較すると、『データベースの連続性と正確さの要請(過去に何をしてきたか・どんな経験を積んできたかの透明化)』はかつてないほど強まっている。
ひきこもりになる大きな理由の一つが『学校の中退』であるとされているが、このことは『学校制度の延長(学校を卒業して企業・官庁に○期生として入社するというコースの連続性)』として、昭和以降の大手企業(官庁)の雇用慣習や給与制度が作られてきたことを考えれば当たり前の現象でもあるだろう。
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ひきこもりやニートでなくても、現代の日本人は最低限の仕事の選択基準をほとんどの人が持っているため、『肉体労働・販売や接客の雇用の量はあるが、求職者の希望に見合う仕事がない』といった状態が慢性的に続いている。
土木建設産業の労働需要は、東北の震災復興事業や東京五輪のインフラ整備、大手ショッピングモールやマンションの建設ラッシュもあって各地で不足が続いているが、土木建設業の肉体労働の経験がまったくない失業者が、そういった仕事に応募することはまずないし、仕事がないから試しにやってみるかという気分でいっても、肉体労働の負担(炎天下・寒冷化の気候)・独特の文化に適応できずにすぐにやめてしまう人が大半である。
現代日本におけるひきこもりの増加・高齢化の問題をどう捉えるか?:1
バブル崩壊期には、山一證券や北海道拓殖銀行を追い出されたそれなりの所得を得ていたサラリーマンが、他業種に転職して適応することができず自殺者まで出したが、『職業的アイデンティティの大きな方向転換や意識変革(自意識・自尊心の調整)』はそれまで働いている人たちであってもなかなか難しいところがあり、年齢を重ねれば重ねるほどに価値観や生き方が硬直して『今までとは違う自己像・働き方・給与水準』に適応できないリスクが高まっていく。
逆に、自意識や価値観、適応方略を短時間でスムーズに切り替えて、『今日は今日・明日は明日の気持ち(他人と自分を比較せずに自分にやれることから始めようとするこだわりのない意識)』で新しい職業生活やライフスタイルに楽しく適応していける人が、現代社会でもっとも前向きにサバイブしやすい性格や考え方を持っているとも言える。
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ひきこもりやニート(自発的無業)というのは、かつて『若者の心理的問題・不適応問題』であったが、近年では1980年代以降にひきこもりになった人たちが社会復帰・就労の再チャレンジをする契機を得られないままにひきこもり続け、40~50代の中高年期のひきこもりになってしまったという『ひきこもりの高齢化』が指摘され始めている。
「中高年ひきこもり」が過半数を超えた 40代が最も深刻、期間10年以上も
ひきこもりが問題化してから30年近い歳月が流れ、日本経済はかつての成長力・財政力とセーフティネット的な安定雇用の性格を失い、ひきこもりやニートといった問題の捉えられ方も『社会復帰や教育訓練を支援されるべき問題(心理的問題をケアされるべき問題)』から『働かない人の人格性や家族が非難される問題(苦しくても働く人たちがあいつらはずるい甘えていると非難する問題)』へと変質してきた。
生活保護問題もそうだが、ひきこもり・ニート・無職などに対する批判の論調が、『一部の特殊な社会不適応の人たちに対する支援・ケア・対応の考え方』ではなく『自分もそうなるかもしれないがそうはなりたくない(頑張っている私とダメなあいつらとは違う存在だ)という同レベルでの貶め合い』に近づき、非難・否定の論調がより過激かつ酷烈なものとなっている。
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EU加盟を巡るウクライナ情勢の混乱、親露のヤヌコビッチ前大統領の不正蓄財や政敵弾圧に象徴される政治腐敗によって、キエフを首都とするウクライナ全体は『EU連合協定調印』に大きく傾き、親EU路線に同調しないウクライナ内部のロシア人とのアイデンティティ対立が鮮明になってしまった。
言語・文化・歴史・価値観において、EUよりもロシアに親近感を感じるウクライナのロシア人達は、ウクライナ国内では少数派であるが、クリミア自治共和国など領域を限定すれば、ロシア人のほうがウクライナ人よりも多数派勢力を形成することができる。
クリミア自治共和国単独であれば、住民投票において『ロシア編入の賛成票』が過半数になる目算が強かったが、今回の住民投票では約6割のロシア人比率よりも圧倒的に多い9割以上のクリミア自治共和国の有権者が賛成表を投じている。
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トイレに行った後は習慣的に手洗いをするようにはしているが、トイレ設備が極端に汚くて古い場所などでは手洗いしないこともあるし、『屋外での手洗い』は中途半端になりがちではある。
トイレのあと手を洗わない男性約7割 背景を哲学博士が分析
手に付着した細菌・ウイルス数の減少という面では、『間違った中途半端な手洗い』なら逆にしないほうがいいとも指摘される。
以下のような間違った手洗いは自分もすることがあるし、他人がしているのも見かけるものだが、急いでいたり面倒くさく感じると、ハンドソープをつけて丁寧に揉み洗いをして完全に水気がなくなるまで手を乾かす(拭き取る)という動作はなかなかできていないものだ。
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政治経済・社会・思想の少し固めの考察から、日常の気楽な話題まで!mixiの日記・つぶやきのログも兼ねてます。