代理出産の法律・倫理の問題点とプライスレスな市場に乗らないもの

母子関係の認定が『分娩』か『遺伝子』かは法律のテクニカルな問題だが、代理母には『契約履行を妨げる感情の絡むトラブル』『代理母死亡・障害児出産のリスクと事後対応』『貧困ビジネス化』の問題はある。

意見分かれる「代理出産」問題 どんな議論があるのか

先端生殖医療の進歩が従来の妊娠・出産や母子関係の意味合いを部分的に変更する可能性はあるが、『他人の子宮の商品化』に対する倫理的反発は『金銭・科学万能主義』への反発につながる。金銭と身体・性との直接交換の禁忌(市場に乗らないもの)は、倫理の核であると同時に『聖性・特別さの付与』だが。

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女性の社会進出の賛否:働く女性・専業主婦・パート主婦との社会保険料や税金の負担の格差

働く女性と専業主婦との『社会保険料負担の格差』は専業主婦が大半の時代には問題視されなかったが現代では不公平感も。家の仕事や感情ケアも立派な仕事だが不公平感改善の為に基礎年金の税化等を検討しては。

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現状では、所得の大小に関わらず基礎年金(国民年金)は月額1万5240円が請求され、低所得者にとってはなかなか高額なため、これを3号で全額免除だと働く女性には不公平を感じる人もいる。一律にこの部分を消費税・物品税の間接税に置き換えるか、保険料を大幅値下げして、所得に応じた累進制に改めるといいかも。

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現代社会で無関係な他人を注意する難しさ。他人を注意する立ち位置と影響力。

関係性のない他人を注意する事は難しい時代。犯罪未満の迷惑行為を注意する理由は『公共性・常識感覚』になるが、一般人では説得的な影響力のある立ち位置が概ね定まらない。

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迷惑行為やマナー違反を注意する場合でも、『行為の客観的な評価』だけでは収まらず『注意する人と注意される人との関係性・感情的葛藤』が絡み、大半の人は『注意の仕方・言葉遣い』で迷うもの。幾ら迷惑行為をしていても高圧的・指示的な物言いで注意できるのは関係や威圧感において優位な立ち位置にある人だけとも言える。

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労働時間と賃金の相関関係:残業代ゼロ法案(ホワイトカラー・エグゼンプションの再提案)

第二次産業(工業・製造業)の現業部門の作業では、労働時間と賃金の相関関係は強くなるが、それは大量生産のモノづくりでは『1時間当たりの生産量・原価を差し引いた利益』を計算しやすいからで、その製品の需要・注文が未成熟な成長市場にある限り、労働者が働けば働くほど製品の生産量が増えて生産性(売上)が上がるからである。

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この場合の、生産管理体制(利益を上げられる仕組み)の責任は経営方針・需要予測・工場稼働率を決定する経営者にあり、労働者は経営陣の決定した方針に基づいて、『時間単位当たりの生産量』を黙々と増やして売上・利益を増やし続ける役割を果たす。第二次産業の労働者は、『基本給』という最低ラインの給与をベースにしながらも、働いた時間に応じた賃金(残業をすれば時間数に応じた割増賃金)を受け取る権利を有する。

製造業・建設業などの現場で主に身体(有限の体力)を使って働く人たちは、労働時間と賃金との相関関係を崩せば、資本家や経営者から『増加した利益の部分』を搾取されるだけではなく、『人生の時間コスト・健康リスク』だけが大きくなって一方的な損失を受けるだけだから、政府の産業競争力会議(議長・安倍晋三首相)が提案するような『労働時間と賃金が相関しない給与制度』に同意する理由がない。

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韓国の“セウォル号沈没事故”の事故原因と安全管理体制・遵法意識の問題

韓国の大型客船セウォル号(6825トン)の事故原因が、次第に明らかになりつつあるようだ。

事故が発生してしまった直接の原因は『急旋回の運転ミス+過積載(積荷の固定の弱さ)』だが、韓国企業が日本から購入した1994年製のセウォル号を大幅に改修して全高を51センチも高くしたことが、『復原力(ある程度までの船の傾きを自力で修正して姿勢を立て直す力)の大幅な低下』という船舶の構造上の不安定さにつながったと指摘されている。

車に置き換えれば、全高・重心の低いスポーツカーは地面に張り付くような走りで高速運転での旋回性能を高いレベルで維持しやすいが、全高・重心の高いワンボックスカーは高速運転中に急カーブを強引に曲がろうとすると横転するリスクが高くなるというような構造上の弱さがセウォル号にあった。

更に、積荷を違法に詰め込めるだけ積み込む『積載上限の二倍以上の過積載(違法行為)』を行って、船体の不安定さの度合いが高まっていた。積荷の固定も弱かったために、急旋回で過積載の荷物が片方に集積して復原力の限界を越えてバランスを崩してしまい、沈没事故を引き起こした。

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