増加する中国・韓国に対するヘイト本とヘイトスピーチが生む問題:国家・歴史と個人の多様性の区別がない危険

中国・韓国への真っ当な批判とヘイトの差異は、『国籍・政府・歴史認識と個人の人間的価値の区別』にある。ヘイトは中国人・韓国人の国籍のみで全否定するので相互理解は予め放棄されている。

書店に溢れる「ヘイト本」にNO! 「ヘイトスピーチと排外主義に加担しない出版関係者の会」立ち上げ

ヘイトスピーチや排外主義の最大の問題点は『同じ国(民族)の人たちの中にある多様性や個人差』を半ば意図的に切り捨てた上で、極めて単純素朴に『自国民=仲間』『外国人=敵』と二分法で定義してしまう所だろう。仮に自国民の中に『ヘイトに賛同しない個人』がいても、『非国民・裏切り者』として話を聞く事はない。

ヘイトスピーチが作り出す世界観の短所は、『政治・歴史・軍事・民族に余り関心がない中立的な国民』を射程に収められず、政府や右寄りの政治家・知識人の行動・主張が『全国民の同意をがっちり得た思想・判断の代表』とみなされ、何も敵対的な考えを持ってないその国の個人までも『仮想敵・憎悪の対象』に据えてしまう。

続きを読む 増加する中国・韓国に対するヘイト本とヘイトスピーチが生む問題:国家・歴史と個人の多様性の区別がない危険

高校教諭による山形県の短大准教授ひき逃げ死亡事故:自動車の死亡事故では動転しやすいが…

死亡ひき逃げ事故を起こした人の大半はまず否認する。意図的に行った犯罪より、現実逃避の否認の欲求は強い。結果の重大性に対する『故意・殺意の欠如』と『法的・社会的な制裁,人生の暗転』による混乱もある。

<短大准教授ひき逃げ死亡>山形県立高校教諭を逮捕

加害者は60歳の高校教諭で、それなりに自分の人生や職業を踏み外さないように真面目に生きてきた人物だろうが、それが故に『なぜこんな時にこんな不幸が自分に襲いかかるのかという不条理の念』で、死んだ被害者には意識が向かいにくい。自己防衛は本能的なものだが、意図的な犯罪よりも落胆・理不尽さは大きいだろう。

続きを読む 高校教諭による山形県の短大准教授ひき逃げ死亡事故:自動車の死亡事故では動転しやすいが…

百田尚樹『殉愛』を巡るさまざまな新証言と晩年に現れやすい妻・家族との絆の問題

百田尚樹は小説の作品には面白いものもあるが、安倍政権への思想的な異常接近やネット上での口汚い罵倒・反論などが明るみに出て、『人物としての癖・乱暴さ』の方が話題になりやすくなった感じがある……良くも悪くもキャラクターが強すぎるのかも。

百田尚樹氏の『殉愛』に続々新証言 たかじん氏が前妻に頼んだ「看取り」

『殉愛』はやしきたかじんの晩年を軸にしたドキュメンタリー(ノンフィクション)と銘打たれているが、『取材する範囲・取材内容の質』に甘さが多く、『百田尚樹が書きたい(売れる)と思った物語の設定・枠組み』に半ば強引にやしきたかじんとその周辺の関係者を配置していった作品のように思える。

続きを読む 百田尚樹『殉愛』を巡るさまざまな新証言と晩年に現れやすい妻・家族との絆の問題

『農協改革』を推進しようとする自民党の内部対立と農協が果たしてきた役割が通じない時代の到来

農協は農家間の競争原理を抑え、規定の農作物を生産すれば利益が出る買取制度を維持し、銀行がない田舎の金融ネットワーク(農業近代化の融資網)を作ってきた実績がある。

農協が介在する『農家のサラリーマン化・安定収益』が歓迎された時期も長かったが、『農家の高齢化・市場原理(グローバリズム)の圧力』によって、今まで通りの農政や農協依存の農業を続けていける目処が立たなくなってきた。

<農協改革>揺れる自民 選挙実動部隊、無視できず

農協に加入して規定の作物を生産し減反制度も利用すれば、『食いっぱぐれリスク』を回避しやすいメリットは大きかった。当初の殆どの農家は『生産した米・野菜・果物』をどのように市場に流通させるか、価格をどうするかなど『商売のノウハウ』がなかった為、生産以外の部分を丸ごと面倒見てくれる農協は必要だった。

時代は変わり保護された農業は『自力で稼げる競争力』を失い、『農家の後継者不在・高齢化進展・耕作放棄地の増加』によって、日本の農業の持続可能性そのものが危ぶまれている。農業従事者の平均年齢は60歳を超えるが、農地転売の規制など岩盤規制や高齢者の農地へのこだわりによって、農業改革の歩みは遅い。

続きを読む 『農協改革』を推進しようとする自民党の内部対立と農協が果たしてきた役割が通じない時代の到来

橋下徹市長が維新の党代表を辞任:大阪都構想と統一地方選に集中

『維新の党』のポリティカル・コンパスなポジションは、『公的部門の徹底民営化・行財政改革(広義の行政コストの大規模な削減と市場原理の導入)』で築かれたところがある。そのため、橋下徹が『大阪都構想の大規模な行財政改革』を進捗させる実績が出せなければ、維新の党の国政での独自性・政策理念も衰える可能性は高い。

橋下氏、維新代表を辞任 都構想や統一地方選に当面専念

橋下徹市長は『大阪都構想の進捗度合い』を見誤り、『国政進出の時期』が思った以上に遅滞した状況にある。その原因の一つは次世代の党(旧太陽の党)の石原慎太郎や平沼赳夫など高齢の右翼主義者に擦り寄って、維新の党のイメージを古びたものに変えてしまった事にある。時にポピュリズム(大衆迎合主義)と揶揄されながらも、民意を読むに敏できた橋下氏に小さくない誤算が生じてきたように感じる。

続きを読む 橋下徹市長が維新の党代表を辞任:大阪都構想と統一地方選に集中

大韓航空の趙顕娥(チョヒョナ)・前副社長のナッツリターン騒動…わがままの度を越すと社会的弊害が大きい

大韓航空の韓進など韓国十大財閥が、金権の『儒教的な身分意識』を生み、貴族のように育てられた三世以下が、思い通りにならない他人という当たり前のストレスに耐えられない未熟さを露呈しただけの事件だろう。

しかもCAの担当者はすぐに平謝りしていて、ナッツの出し方を変えたり違う食品を提供する準備があったのだから、そこまで怒ったり暴れたりして、航空機の安全・正常な運転を妨害しなければならない理由がない。

大韓航空前副社長の逮捕状請求へ ナッツ・リターン騒動

大韓航空の趙顕娥(チョヒョナ)・前副社長の異常な能力不問の厚遇に限らず、韓国十大財閥の公共セクターを除く財閥が、数兆円~数十兆円の事業規模にまで拡大しながらも、現時点でも『血縁者優遇(役員総固め)の同族経営』を続けているのはかなり旧弊な経営感覚である。日本の上場企業にもそういった会社は結構あるが。

続きを読む 大韓航空の趙顕娥(チョヒョナ)・前副社長のナッツリターン騒動…わがままの度を越すと社会的弊害が大きい