自衛隊を軍隊と呼んでしまうことの問題は何なのか?:日本国憲法と歴史的文脈

安倍首相が『わが軍』という表現を用いた事の問題は、戦後日本には“攻撃的・侵略的な戦力”としての『軍』は憲法的にも実質的にも存在しない、最小限度の防衛力しか持たない自衛隊は軍とは異なると定義されてきたにも関わらず、敢えて『自衛隊』ではなく『軍』という概念を用いたことである。

■菅氏「自衛隊も軍隊の一つ」 首相の我が軍発言巡り

更に、首相である自分を軍隊の最高指揮官だと強調するかのように、『我が軍』という『国民の保護・合意』よりも『権力者の指揮・命令』に随従する軍隊(私兵めいた権力者に忠誠を誓う軍)をイメージさせる表現を唐突に用いたことである。

9条改正・国防軍創設・集団的自衛権・緊急事態法(有事指定による国民の一時的な人権停止命令・戒厳令)などを掲げる安倍首相が、『わが軍』という表現を用いれば、他の政治家とは異なる『首相である自分が(国民にあれこれ言わせずに)多数派の国会議決や緊急時の事後承認だけで思い通りに動かせる軍を創設したいという本音のニュアンス』があると忖度されても仕方ない。

菅義偉官房長官は『自衛隊は我が国の防衛を主たる任務としている。このような組織を軍隊と呼ぶのであれば、自衛隊も軍隊の一つということだ』と語っているが、これは論理階梯(広義の軍から狭義の自衛隊への概念定義の歴史的なタイムテーブル)を意図的に逆向させた詭弁の一つとも解釈できる。

菅義偉官房長官は、国家の防衛を主な任務とする武装した実力組織を『軍隊』と呼ぶのであればというのだが、『国家の防衛』と『侵略・先制攻撃を含めた軍事作戦の遂行』を主な任務とする武装した実力組織を『軍隊』と呼び続けてきた歴史が先にあったという常識からまず始めなければならない。

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インドの男性社会の揺らぎと性犯罪の多発化:法治主義と自力救済・群集心理の私刑

インドの旧来的な伝統社会は、ヴァルナに基づくカーストの身分制度と家父長が家族を統制する男権秩序によって運営されてきたが、インドにも押し寄せた近代化・産業化の波と新興国としての国際社会へのコミットは『カーストの身分差別の禁止・男尊女卑の慣習の廃止・女性の権利と社会参加の拡大(男性の社会的経済的な優位の抑制)』を次第に進めていく。

住民数千人がレイプ容疑者を惨殺 制御きかぬ“怒り”、収拾つかぬ「レイプ頻発インド」

約13億人の巨大人口を抱えるインドは経済格差・教育格差が極めて大きく、膨大な数のスラム街・貧民窟が存在しており、近年はBRICsの一角とされたインドの経済成長もブラジルやロシアと並んで停滞気味である。

低賃金の第一次産業に留められ教育・職業を与えられず、新興経済社会の格差・貧困・屈辱に喘ぐインド人男性の相対比率の上昇が、インドの『社会不安・治安悪化・レイプ犯罪(性暴力による女性の侮辱・制圧)』の根底にあり、新興経済社会の果実から遠ざけられている不満のはけ口が、学歴取得・技術や資格の習得による社会進出を目指す(男性よりも良い社会経済的処遇に向かおうとする)都市で学ぶ女性に向けられやすくなっている。

ナイジェリアのイスラム過激派の“ボコ・ハラム”も、教育を受けて知識・技能を得ようとする女性、社会経済的に自立しようとする女性(男性の家長権に服属しない女性となる可能性)を非常に嫌って憎んでいるが、イスラム国やパキスタン、インドなどで勃発している集団的な性犯罪(女性の自由・権利を暴力で蹂躙しようとする犯罪)は『男性社会の既得権崩壊(女性の台頭・自己主張)に喘ぐルサンチマン』に由来している。

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“八紘一宇”は“みんなで仲良く助け合い”の中立的な概念なのか?:中国の天子・日本の天皇と八紘一宇

八紘一宇は古代中国の漢籍に記された『八紘(8つの方位=世界)・一宇(1つの屋根)』に起源があり、日本では『日本書紀 三巻』の神武天皇の神武東征からの日本統一の気概を示すくだりで『八紘を掩いて宇と為さん事(世界を天皇の威徳で覆って一つの家にしていく事)』と記されたのが初めであるという。

“八紘一宇”という四字熟語は、日蓮主義者の田中智学が国体研究の中で原文『掩八紘而爲宇』を四字熟語として造語したものであるが、“八紘”と“一宇”は古代中国の慣用句の原義においては、天下統治の天命を拝受した天子(皇帝・国王)の統一権力によってバラバラだった世界が一つの秩序にまとめられる、天子の威徳が世界の隅々にまで及ぶという意味合いがある。

日本の八紘一宇も、神武天皇の神武東征の神話の場面が初出であることから、『世界を一つの屋根の下に覆っていく正統な主体(世界の家主・家長)』としての天皇・皇統(万世一系)といったものを無視することは難しく、戦時中には『皇国・国体』といったものが世界の屋根を支える中心軸であったことは疑うことが難しい。

世界や異民族を覆うような屋根・家は、所有者や家長のいない誰でも自由に使って良い空家ではなく、『中国の天子(皇帝)・日本の天皇』が世界を覆う屋根(家)の秩序や規範を制定する家長として仮定されていることは、中国古典や記紀の世界観(統一支配や建国の正当化のエピソード)からも自明だろう。

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なぜホストやホステスにはまってしまうのかの心理:『自分の欲求・孤独』を好みの相手に確実に満たして欲しいというニーズ

ホストに金を落とす心理は『サービス業の女性のストレスと反動形成の娯楽・金はあるが孤独・ノーリスクで好みの男にチヤホヤされたい・金のかかる派手な男の価値誤認』等だろう。

お金のかかる女・男は『一般的な恋愛対象』としては敬遠されるが、ホストやホステスのように『商品化された男女』の場合には、逆にお金を掛ければ掛けただけの価値があるように見えてしまう傾向(高いお金に見合うだけの普通の人にはない価値があると思い込まないと自分の行為が虚しくなってしまうため)がある。

女はなぜホストクラブにお金を落とすのか?ホスト界×ビジネス界のリーダーが語る“一晩100万円”の価値

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韓国人のキム・ギジョン容疑者による米国大使襲撃事件:離散家族問題と韓米軍事演習への不満

キム・ギジョン容疑者は反米思想に基づく米国大使館への投石事件の前科もあるようだが、米国大使の講演会のイベントにおける身元チェックが甘すぎたように感じる。容疑者は、半島の南北統一や離散家族再会の障害になっているとして『米国・軍事演習』を憎悪していたと語っているようだが、北朝鮮に生き別れになった親族のいる離散家族か何かなのだろうか。

米大使襲撃 「いきなり襲いかかった」 攻撃の手緩めず「強い犯意」

日本や韓国のマジョリティは、米軍を『対中国・北朝鮮の盾(自国の用心棒)』のような位置づけで見ているので、米軍駐留に対してそれほど否定的ではないが、韓国の右翼(祖国統一論者・民族自決主義者)には『外国の米軍駐留』や『外交干渉(中朝への敵対姿勢固定化)』に強い敵意・屈辱を燃やす人がいる事を示唆した事件ではある。

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読書と恋愛:“教養・語彙・話題(ジャンル)”による相性もあるが、読書は基本的に孤独な営み

『読書をする人』と『読書をしない人』のどちらが異性に好かれるかは、相手が読書をする人か否かにかなり左右されるし、『読書で得た知識・話題・物語を相手に興味を持たせて聴かせる会話力』にも影響される。

世の中の人の過半は『本を習慣的には読まない人・細かな知識を欲さない人(蘊蓄・教養を深めない人)』であるから、『自分が読んでいるジャンル・本』について一方的に語っても、その内容や理論、知識について真剣に聴いてもらえる可能性は低い。

読書好きな男性ほど恋愛上手? hontoが「読書と恋愛傾向に関する調査」を公開

何らかのジャンルや本について読み込んでいるからといって、それが恋愛上の魅力になるとは考えにくいし、『本・知識が嫌いな女性(話題を深く掘り下げるような会話を好まない女性)』も少なからずいるので、相手によるしケースバイケースだろう。

単純に外見・性格が好みの相手や収入が良い相手とどこかに楽しく遊びに出かけるだけで満足、ごちゃごちゃ小難しい話をするより買い物・レジャー・グルメのほうが良い、知識・教養などより結果としていくら稼ぐかの実利と生活のほうが大切だという女性も少なくないし(むしろ一般的な恋愛では多数派かもしれないし)、男女間における『話題・人間性の深み』というのは求められているようで求められていないといった曖昧かつ微妙なものである。

話題・人間性の深みや知的根拠へのこだわりを見せすぎることによって、『面倒臭い人間』として敬遠されることも多々ある。世渡りや男女関係では、少しシンプルで感情的でバカっぽく見せるくらいがちょうどいいし、『思考的・言語的』であるよりは『行動的・共感的』であるほうが『実利が多い・生活に役立つ』という意味で魅力的でもある。

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