日本の正規雇用は『メンバーシップ型の新卒採用・年功賃金・帰属と忠誠』、非正規雇用は『能力・時間に応じた時給』という特殊な雇用格差があり、『同一労働・同一賃金』の実現が難しくなっている。
日本では一般に正規雇用の給与待遇や社会保障・身分保障が良いため、非正規の人が正規になりたがっていると報じられる。だが日本の正規雇用の多くには『ジョブ・ディスクリプション(仕事内容を特定する雇用契約)』はなく、いわば会社に指示された事を何でも定時に囚われずやる『何でも屋』にならなければならない。
日本の正規雇用と非正規雇用の違いは『どんな仕事がどのレベルでできるかの能力・成果の違い』ではないので、給与待遇の良い正規雇用の人のほうが『単体の仕事・知識・技術のレベル』では劣る事もある。だが正規雇用は『異動・転勤など会社の業務命令,必要な残業』を概ね受け容れる帰属や忠誠に違いがあると見られてきた。
日本の正規雇用の特殊性は『能力・成果・労働時間』だけではなく『会社のために全人的にコミットできるか(基本的に人生で会社・仕事を最優先してくれるか)』であり、それが一般に『責任・覚悟の違い』と呼ばれてきた。だが最近はむしろ会社のほうが非正規賃金を底上げする『同一労働・同一賃金』に前向きになってきている。