女性の性の商品化はゼロにはならないが、AV・JKビジネス跋扈は『恋愛・結婚の市場』や『守ってくれる家・親』が魅力的なもの(裏切ってはならないもの)として機能しづらくなった人の増加の現れでもあるか。
AV強要問題は『女性の無知や社会経験の乏しさ・今後どう生きるかの優柔不断・有名になりたい(金を稼ぎたい)自己顕示欲・現場の空気に逆らえない弱さ』につけ込んで、更に『AVの勧誘である事を隠して芸能・モデルの仕事であるかのように装って騙す詐欺』の問題である。外見と性を切り離せると思っている女性は危うい。
性関連産業には、多かれ少なかれ若い女性の貧困・家庭環境(お金がすぐに必要な事情)と合わせて、世間知らずと自己評価の歪み(過大でも過小でも)が関係する。性的な要素がゼロで、自分の容姿とスタイルだけで『芸能・モデルとしてスカウトされ稼げるだけの魅力』があると思い込むのは、スカウトの褒め殺しの手口に自分から乗っかかっている危うい状態という事である。
逆説的だが、AV女優は『見た目だけが良い女性』でもなれる仕事だが、芸能は『見た目にプラスする能力・個性・技芸・コネがあって努力する人』でないとなれないし売れない。見た目が芸能人のようなAV女優はいるかもしれないが、芸能人に求められる演技・歌・トーク・雰囲気・努力は見た目・性の問題とはかなり異なる。
強要問題の被害者は、知識・経験・想像の不足と自己評価の歪みと経済的な問題が絡み合うが、自分を過大評価している人は『下積みなしで何者かになろうとして褒め殺しに騙される』し、自分を過小評価している人は『こんな取り柄のない私をここまで必要としてくれるという熱心さ(懇願姿勢)に騙される』ことになる。
AV強要問題やJKビジネスは、学校教育などでの予防・注意喚起の啓発活動だけで無くすことはできないが、『恋愛・結婚・家族・倫理観による性を売り物にしてはいけないという防波堤の高さ』には同じ女性でも相当な個人差があるという所に帰着する。大切な人の為だけの性という倫理観とその根拠が現代社会で流動しやすい。
続きを読む AV強要問題の背後にある社会構造と意識変化:『恋愛・結婚・家族の価値(性を特別に重視する生き方の支え)』とのぶつかり合い