「にちりん3号(宮崎空港行)」から「ゆふ2号」を乗り継いで、一番早く由布院駅に着くのが9時7分。温泉リゾート地としての規模は小さいが、由布岳が間近に迫る露天風呂に浸かるのに絶好のロケーションと町馬車・自転車で気軽に回れるコンパクトな温泉街の作りが受けて、今では別府と同程度の観光客を集める町になっているようだ。
料理付きの温泉旅館は結構高額だが、立ち寄り湯の温泉そのものは一般のスーパー銭湯よりも安いくらいの価格で入れる所が殆どである。温泉の泉質は酸性度が高いのでやや刺激感があるが、創傷・皮膚疾患・神経痛・疲労等への効能があり、お湯の肌触りはとろりとした感じで気持ち良い。割安な温泉スパリゾートのような施設もあり、駅から離れた場所にも温泉は無数に点在している。数そのものは別府よりは少ないが、硫黄臭が弱いので人によっては湯布院の温泉のほうが好きなのかもしれない。
少し前の風邪が完治していないようで、電車内で軽い吐き気がして胃の調子が余り良くないのが気になったが、登れないほど体調が悪ければ途中で引き返して由布院観光でもして帰ろうと思い、とりあえず登山口まで行くことにした。由布院駅から由布岳登山口までのバスを待ち、10時ジャストに登山口に到着。登山口は広い駐車場とトイレなどがあり整っているが、峠特有の強い風が吹きさらしの場所だけに停滞しているとさすがに寒い。すぐに登り始めることにした。
由布岳は標高1583.3mの独立峰で、富士山にも似たその山容は極めて個性的でどこから見ても他の山と間違うことはなく、湯布院の町からはどこからでもその姿を眺めることができる。別名を『豊後富士(ぶんごふじ)』と称されるが、万葉集に四首の歌が収載されるなど、飛鳥・奈良の時代の古くから霊山としての信仰を集めていた。
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ニュースの第一報を読んだ時には、60代の母親と一緒に暮らしている時までは娘の31歳女性が存命だったような書き方だったが、倒れている母親が入院したわずか1ヶ月後に餓死の疑いで死亡しているのに、『死後1ヶ月以上が経過』とあったのが気になった。
実際は、母親が10月に入院した後に娘が死亡したのではなく、『母親の入院日時』よりも『娘の死亡日時』が早かったようで、『7月頃から妹と連絡が取れなくなっていた』と兄が話しているので、その時期の前後に死亡していたのだろう。
団地で31歳女性餓死か、半袖・半ズボン姿
恐らく経済的に困窮して電気・水道・ガスのライフラインも止められた中、母親は娘の遺体と暫くの間一緒に暮らしていたというか、無気力状態のまま自分も衰弱していったのだと考えられる。
栄養失調か何らかの疾患の発生で母親が倒れていたところを、家賃滞納や連絡不能を疑問に思ったURの管理会社が発見したという流れだが、押入れで寝起きしていたという娘(母が倒れている時には既に押入れで死亡しており夏場の服装のままだった)の存在には気づかないまま放置されてしまったようである。
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結婚や子供、恋愛などプライベートにまつわる繰り返しの質問やジェンダーの性別役割の強調・推奨もセクハラ(セクシュアル・ハラスメント)に該当するというニュースを受け、『何でもかんでもハラスメント(不当な嫌がらせ)にしてしまうと社内でのコミュニケーションができなくなる』や『嫌なことを言うことによってその人にその行動を間接的に強制することでかつては慣習的な規範が保たれていた(嫌なこと=ハラスメントなら他人の行動を社会通念や共通の目的に合わせて左右できなくなる)』などの意見が見られた。
男のくせに・結婚まだ?…同性間でもセクハラに
他人の嫌がることを言ったりしたりしない、相手の同意なく相手に深く干渉しない(自分は自分、他人は他人の境界線をしっかり引く)というのは、現代の中心的な価値観だが、こういった『他者への不干渉・自律性による自己選択(自己責任)』という欧米流の豊かさに裏付けられた個人主義は日本の伝統にはなかったものである。
そのため、『他人の同意なく嫌がることをしてはいけない(広義のハラスメントの禁止)』という規範は、日本の歴史や家族、伝統社会(村落共同体)では殆ど重んじられては来なかったし、そもそも『個人としての他人(共同体と区分される物理的・内面的なプライバシー領域を持つ個人)』が日本の歴史で出現してきたのは戦後になって暫くしてからの話である。
昭和中期、田舎から都会への人口移動は、産業構造の転換によるものではあったが、伝統社会の維持と反復に個人の人生全体が包摂される田舎(前近代)から、『個人で構成される選択の余地がある都会』への憧れに突き動かされたものでもあった。
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国家安全保障に関わる『防衛・外交・諜報(スパイ)防止・テロ防止』の4分野で、特定秘密に指定された国家機密を漏洩した公務員やその公務員から情報を聞き出そうとした民間人・報道人に対して懲役5~10年以下の刑罰を科せるようにする。
賛否両論がぶつかる『特定秘密保護法案』は、安全保障関連の国家機密漏洩に対する厳罰化を目的としたものだが、その最大の問題点は『特定秘密の指定者である政府(首相・閣僚)のフリーハンドな情報独占』である。
国民が政府の外交・防衛・人権擁護の政策判断や基本方針の内容を知った上で批判や投票をするという『国民が主権者として政府・政策を監視して評価する民主主義の根幹』が揺らぎ、選挙が実質の白紙委任を意味する恐れが出てくる。
特定秘密に指定された政策判断や外交・軍事の方針(その中には外国人の暗殺や監禁などの人権侵害・軍事同盟に基づく無差別的空爆の是認・スパイや捕虜に対する非人道的拷問の認可なども含まれる恐れがある)に有権者が賛同できないとしても、それを知る機会そのものが法律によって規制されているのだから、選挙によって特定秘密を織り込んだ政権や政党に対する適切な評価はできないということになる。
その結果、国民やジャーナリズムは『政府・行政から与えられた情報の範囲内』で守られて統制される付随的な存在にしかなり得ないが(安全保障関連のスクープ記事や関係者からのすっぱ抜きは犯罪行為になるのだから)、これは国家権力が人権を取捨選択して与えていた民主主義国家の初期状態への逆行、行政府が国民の情報環境・ジャーナリズムを支配調整するというアンシャン・レジーム(情報独占の行政国家)への回帰のように感じられる。
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日本国内における原発再稼働に留まらず、トルコをはじめとする中東・アジアの国々に最新型の原発インフラを売り込もうとする安倍首相は、原発依存度を下げて最終的にゼロを目指す『脱原発路線』を放棄したかのように見えるが、ここに来て小泉純一郎元首相がカウンターパンチの『原発ゼロ論』を叩きこんできた意義はどこにあるのか。
財政再建との兼ね合いで博打的な要素も強いアベノミクス、使用済み核燃料の最終処分を棚上げしている原子力発電、福島第一原発サイトの汚染水タンクの増加などを冷静に見据えれば、小泉元首相は消費税増税による支持者離反も含めて、おそらく『安倍政権の賞味期限』をレイムダックを経た後の次期衆院選辺りと見積もっているのかもしれない。
小泉純一郎氏は『政局と大衆心理の読み・ワンフレーズポリティクス』の嗅覚は異常に鋭いところがあり、現在の自民党内や地方の支持者・青年局の間で急速に人気を高めている息子の小泉進次郎政務官に『ポスト安倍の求心力となるアジェンダ』のヒントを出していると見ることもできる。
世襲議員はダメだという世論は強いが、それでも自民党内の過半数の議員は世襲や親族に議員がいて地盤を持つ者であり、小泉進次郎はその中でも『容姿や弁舌・メディア露出(全般的な人気度)・押し出し・論争に耐えそうな気質』の上で抜きんでた存在感を示すサラブレッドであり、高齢・固陋のイメージが強い自民党において数少ない『若さ・改革の象徴的存在』にもなっている。
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高齢者の万引きの要因には、『盗まなければ生活ができない』あるいは『できるだけ節約しないと生活が苦しい』という『無職(年金外収入ゼロ)・低年金・無年金・親族支援なしなどの経済的困窮』の要因が大きいが、それと合わせて周囲に自分の存在を認知してくれて語りかけてくれる(心理的なケアとしての対話をしてくれる)相手がいないという社会的孤立の要因も大きいだろう。
犯罪白書:65歳以上の高齢女性の万引き急増 刑務所へも
高齢化社会が進展して全人口に占める65歳以上の人口比率が上昇していること、核家族化が進行して夫婦のみの高齢者世帯、配偶者の死後の独居世帯が増加していることも合わせて考える必要があるが、『家族の少人数化(子・孫の数の減少),子・数がいる人の場合でも別世帯化』によって共同生活的な相互扶助機能の喪失、人的な支援や対話機会の欠落という変化も急速である。
年金収入や金融資産などの経済状況は、『高齢者の活動範囲・交友関係・アクティビティ』にも一定の相関があるはずで、『低年金・無年金・無貯金』だと高齢者同士の遊びや会合にも参加しづらくなり、基本的に旅行・買い物(街遊び)・食べ歩きなどのお金のかかる遊び方はできなくなる。
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