映画『シン・ゴジラ』の感想

総合評価 83点/100点

今更だが、庵野秀明が監督を務めた『シン・ゴジラ』を見てみた。過去のゴジラと比較すれば映像のクオリティは圧倒的に高く、東日本大震災・福島第一原発事故の影響を受けて『放射性廃棄物の生態系へのダメージ』を大きなテーマに据えている。原子力発電所から海底に投棄され続けた放射性廃棄物を食べた海中の未確認生物が、DNAの突然変異を起こしてゴジラへと進化する。

東京湾のアクアトンネルが突如轟音を立てて崩れ大量の海水が浸水してくる。事故原因は不明だったが、専門家会議で地震・海底火山噴火の仮説が提示される中、内閣官房副長官・矢口蘭堂(長谷川博己)と生物学専攻の官僚(市川実日子)が『海洋巨大生物』による破壊行為の可能性を指摘するが相手にされなかった。

その会議の直後に、巨大海洋生物(ゴジラの初期形態)がその姿を現して東京・神奈川に上陸を始めるが、パニックに陥った内閣や政府関係者は形式的な情報収集・専門家会議に追われるばかりで、次々に街を破壊されて被害が拡大していく。内閣総理大臣(大杉漣)は自衛隊を防衛出動させるが、ゴジラ出没地域の住民避難が完了してないことから攻撃命令を急遽中止、手をこまねいているうちにゴジラは初期形態から更に進化して物理的攻撃が効かない『完全生物』に近づいた。

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福岡で現金3億8千万円が強奪された事件は金塊売買を利用した詐欺か、 日本の大企業のM&Aの失敗続く、日本郵政も巨額損失。

〇出金日を知らせていたみずほ銀行から外に漏れた可能性がなければ、被害者の会社員が大金を下ろす日時・場所を誰かに話してしまってたのか。3億8千万円を現金で下ろし一人で行動するのは無用心だ…

韓国籍男ら、福岡空港で身柄確保 強盗事件の事情知る?

東京在住の29歳の社長・役員でもない会社員が、福岡のみずほ銀行までわざわざ飛んできて3億8千万円もの現金を単独行動で下ろし取引先に手渡す取引というのは常識的には考えにくい。金額が大きいだけに警察も『本当に取引先が実在して現金を渡す予定だったのか』まで捜査しそうだが、どんな業種の会社員なのかと思ったら『金・貴金属の買い付け』のために下したお金だったようだ。

博多駅周辺では数ヶ月前にも、複数で輸送中の『数億円の金塊』が強奪される事件が発生しているが、街で大きな荷物を抱えた人に『数千万~数億円以上の現金・金塊』を密かに移動させている人が混じっているわけである。なぜかそんな大事な時に限って、どこからか情報を嗅ぎつけた強盗犯が近寄ってくる…その後の報道では初めから襲撃するつもりの『取引相手(中国系・韓国系の業者)』がいて、数億円単位の金塊を売りたいという商談を持ちかけて、現金取引を要求してくるという仕掛けがったようだ。

福岡市は博多駅から福岡空港までの地下鉄でのアクセスがスムーズなので、外国に高飛びしたいような外国籍の強盗犯にとってはうってつけの立地というのもあったのだろうか。逮捕された韓国籍の4人の男らの取り調べで、『会社員男性が大金を持っていると目をつけた経緯(知人か否か)』が明らかにされれば全体像も見えやすくなるが、『金・貴金属の現金取引の持ち掛け』には複数人でがっちり現金を警護していくなど十分な注意が必要だ。

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山本幸三地方創生担当相の学芸員全否定の偏った認識, 新型レクサスのLC500hはデザインの良い車だけれど。

○山本幸三地方創生担当相の問題は『学芸員の存在の全否定』と『否定理由に上げた事項のほぼ全てが事実誤認の間違え』という事だろう。文化財で儲ける観光マインドを強調するなら具体案で成果を出すべき。

<山本担当相「がん」発言>学芸員怒り心頭「現場知らない」

学芸員が博物館・美術館・国宝や重要文化財を担当しているから『観光マインド』がないとする根拠が不明なのだが、なぜ山本大臣は学芸員だけを極端に敵視し否定しているのだろうか。観光マインドや市場主義の価値以外にも、『展示のテーマ性・内容のある企画や収集』『重文・国宝・資料の安全な保管や展示』も重要なわけで。

得意気に『大英博物館は観光マインドのない学芸員を改装時にクビにした』と語ってたが、インタラクティブなネット時代の今、誰かがすぐ大英博物館に問い合わせして返信も返ってくる。大臣が具体例を適当な又聞き感覚で述べ、本人から『事実誤認』と返されるのは情けない話で、観光マインド以前に閣僚の心得を持つべき。

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木嶋佳苗死刑囚はなぜある種の男にモテて騙すことができたのか?:女性的な美への執着と妄想的な世界観・自己像の確立

婚活を通じて複数の男性を練炭などで殺害したとされる木嶋佳苗(きじまかなえ)死刑囚は、『女性の美』に執着した演技性パーソナリティーのパラノイアだと思われるが、『女性間の美の競争』から下り『自分が落とせる水準・属性の男』に照準を絞って搾取する閉鎖的戦略を取った。

「そもそも、女は外見でモテるわけではない」小谷野敦が「木嶋佳苗」を分析

木嶋佳苗という女性の特異性は、美で優越しそうな他の女や自分に批判的な男を一切寄せ付けず『自分を最高の美的存在とする妄想世界』を広げながらも、『見せかけの愛・奉仕・女性らしさで自分の妄想世界に引きずり込めるタイプ(心理・属性)の男』を篭絡する嗅覚と手管に非常に優れていた事だろう。

美人でもない木嶋佳苗がなぜモテるのかという問い自体が成立しないというか、女性は『自分の魅力が通用するタイプの男』に積極的にアプローチして愛と奉仕を示せば、必ずモテる相手を見つけることができる。木嶋並みに『お金・従順・純真』だけで男を篩にかけ自分の好みを脇におけばトリコにできる男は必ずどこかにいる。

記事にあるように『男性に振られたり馬鹿にされたりするリスク』もあるので、木嶋死刑囚は『自己洗脳(自分をいい女と完全に思い込む)によるメンタルタフネス』も相当にあったはずで、普通の女の人はいくらお金が欲しくてもそこまでガツガツと心を折らずに攻め続けることがまずできないものである。

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日本の幸福度はなぜ低いのか?:コミュニティや没頭できる対象を失いやすい現代人の幸せのハードル

物質的に豊かな成熟社会の幸福実感は個人的・相対的になり、『金銭・自由・人間関係』で他者より恵まれてないと思うと不幸になりやすい。だが絶対的な生活水準・利便性では現代人の中流は近代以前の王侯貴族を超えている。

日本の「幸福度」は155ヵ国中51位。ランキング上位の国々が考える「幸せ」とは?

並みの人間は『個人の贅沢・快楽・自由・保障・異性』などを基準にした幸福追求を目的にすれば、『自分よりも持っている(気楽そう・楽しんでそう・能力がある美形である)他者との比較・劣等』によって相対的幸福感の罠にはまり不遇感に陥る。現代日本の庶民には『学校・家庭・勤め先以外のコミュニティ』が乏しいもある。

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『なぜ読書をしなければいけないの?』という疑問と時代の変化:読書せずにはいられない人と意識的・目的的に読書する人は違う

紙の本を読む事だけを『読書』と定義すれば読書する人は減ったし、『小説的な活字・長文のフィクション』や『古典・名作の定番』を読む人は更に減ったが、『意味のある文章を読み書きする量』はネット時代で逆に増えたかもしれない。

読書離れ進行「なぜ読書をしなければいけないの?」への回答

同じ読書でもフィクションかノンフィクションかでかなり違うし、娯楽(創作された物語を読む楽しみ)か広義の勉強(情報・知識・話題のインプット)かの目的によっても全く違う。相当な冊数を読む読書人でも、小説を全く読まない新書・学術書の事実ベースの読書が好きな人と小説しか読まない人は、共通点は乏しいだろう。

今の時代は読書以外の娯楽も多く、『読書をしなければならない』わけではない。読書する人が幸せで得をするとか、読書しない人が不幸になり損をするという話でもなく、『読書をしないが故のシンプルな人格構造・現実即応の適応力』で楽しくやれる人も意外に多い。読書も思索も過ぎたるは猶及ばざるが如しもまた真な所はある。

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