年末ジャンボ宝くじの1等の当選金が“10億円(7億円+前後賞)”ということで話題になっていて、宝くじ売り場では飛ぶように1枚300円の宝くじが売れている。
宝くじに対しては『控除率の観点(1000円買って500円以下しか戻らないように計算された50%以上の控除)』からも『当選率の観点(高額賞金は数百万分の1以下の当選率)』からも、最も割に合わないギャンブルとして『愚者の税金』といわれることもある。
こういった情報は広く知られているから、宝くじを全く買わない人の中には『愚者の税金・期待値を計算できる賢い人なら買わないはず』ということを強弁する人もいる。だが、厳密には宝くじというのは他の公営ギャンブル・パチンコパチスロなどとは単純に比較できない特殊な期待値を持つ『ローリスク+ハイパーリターン』のギャンブルである。
年末ジャンボ宝くじを10枚か20枚買っても、せいぜい300円か1000円が1~2枚当たればいいほうで、下手をすれば1円も戻ってこないリスクもある。しかし、宝くじやロトくじなど以外のギャンブルでは、1回の勝負でのリターンが『賭け金に比例する(それなりの元手がいる)+1回で数千万円以上のリターンは賭け金が数十万円~数百万円以上でないと有り得ない』という明らかな違いがある。
宝くじ10枚の購入金額は3000円であるが、宝くじの場合には確率的にはほぼゼロであるが、300円でも3000円でも買えば1等当選の可能性としての夢があるのに対して、パチンコでは300円ではそもそも玉を買えず、公営ギャンブルで300円で万馬券が当たってもたったの3万円程度にしかならない。
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米国FRB(連邦準備制度理事会)のイエレン議長が、リーマンショックの金融危機を挟み、9年半ぶりに政策金利の引き上げに踏み切った。
米国経済の指標が『雇用・所得・物価』において改善傾向を長く示し始めたことから、『異例のゼロ金利』による景気刺激策を終えることを決断したが、世界経済・為替相場の中心にあるアメリカが日本とEUに先駆けて『異例の金融緩和措置』を終えたことは、逆に米国経済の正常化・成長期待としてプラスに評価される。
お金を借りやすくして企業の経営・投資を支援するために、金利なしでお金を貸すというゼロ金利政策は、資本主義経済においては異例の緊急措置(ローンで金利収入がほとんど入らない+預貯金にほとんど利息がつかない)である。だが、近年は先進国の景気停滞からゼロ金利のほうが常態となる異常な様相を呈していた。
政策金利を急激に上げれば景気引き締め・金融縮小のショックが大きすぎるが、イエレン議長はまず年利0.25~0.50%から緩やかに景気動向を見ながら引き上げていくと発言したことから、世界の市場は極めて好意的に反応した。これに『雇用+所得の上昇』が加われば個人の金融資産と購買力が上昇するから、市場全体に大きな消費促進のインパクトを生むこともできる。
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日本の雇用は『新卒採用+企業内キャリア』がメインで『企業外の学校・資格・経験』を重視しないメンバーシップ型である。スキル・成果による給与差は小さい。
「人材のミスマッチ率」が世界最悪の日本 企業が大学教育を軽視し、高スキル人材を厚遇しないから?
日本は大企業ほど『個人の突出したスキル・成果・発明価値(特許価値)』などを金銭面では評価しない。中村修二(カリフォルニア大教授)の『青色LED訴訟』では、青色LEDの発明対価は約600億円と計算されたが、勤務していた日亜化学工業はその発明に対して2万円しか報奨金を払わず訴訟の泥試合になった。
日亜化学工業は、会社が中村修二の『青色LED開発に必要な留学・環境・資材・安定給与』を保証していたからこそ、この研究が実を結んだ、中村氏個人が会社のバックアップなしで研究していても成果は出せなかったはずというもので、日本の平均的サラリーマンの研究者で通常の知財ならこの言い分が通るケースの方が多い。
日本のサラリーマン研究者は『発明対価の高額請求』より『終身雇用の安定』を選ぶからで、数億円以上(生涯賃金以上)もの価値がある発明ができる人材は殆どいないからだ。日本の雇用は、一度正規メンバーとして採用すればよほどの理由がない限り馘首しない『メンバーシップ型雇用』でそれが『スキル型雇用』を抑えてきた。
メンバーシップ型雇用とは、かつての日本企業の経営手法が『家族主義経営』と呼ばれたように、企業全体を擬似家族的な共同体のように見なし、一度正規メンバーにしたものを容易には切り捨てない代わりに、『最大限の忠誠心(副業禁止・長時間労働・会社を第一とする人生設計)』を要求するというものである。
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スクールカースト的な閉鎖集団内の階層は今も昔もあるが『地位の可視化・他者への干渉』は集団毎に異なる。近代の学校・軍隊・工場の規律訓練システムは、自分と他者の立場の違いや居場所確保に過敏な人を生む。
「同調力」が教室でモノをいう…イジメの起因ともなる“スクールカースト”の構造
スクールカーストは集団内での影響力・地位の差(上下)を可視化させたものだが、こういったいじめ・供犠が発生しやすい集団は『個人の自立度・自由度が低い統制的特徴』を持つ。それぞれが自分の目標達成や能力向上を目指し、必要に応じ協力するような集団ではカーストの弊害は生じずマウンティング型の政治も抑制される。
個人行動が許される場面が少なく絶えず一緒にいなければいけない集団、常にお互いの力関係(上下)やイメージ(キャラ的役割)に配慮したコミュニケーションが求められる環境、自分がその一員である帰属感の強い自由に抜けにくい集団では、『異質な者・空気を読まない者・上下の秩序を乱す者』は差別・排除されやすい。
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ロボットの外見が人間に中途半端に近づくと不気味に感じる『不気味の谷』は、『生命か非生命か・人間か非人間か』を区別する認知モジュールの混乱に原因があるのか。ヒューマノイドという科学技術の夢。
ロボットが人に近付くには、超えねばならない「谷」がある
SF的な想像力が刺激されるが、人間の科学技術が『知覚的な不気味の谷』を超えるロボット(ヒューマノイド)を製造し、社会の倫理感覚が『ヒューマノイドの量産+マンパワー・性的対象の代替化』を許せば、人類は『人の力の需要が激減したユートピア』の中、生物種としての寿命を終える可能性がある。
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子供のネット依存6.4%はむしろ少ない印象。人の脳はネットとの相性が良く認知拡張的に耽溺しやすい。子供はネットでのやり取りであっても『リアルの人間関係の延長の問題(連絡が遅いとか無視したとかから始まるいがみあい)』が絡みやすい。
「ネット依存」の小中校生6.4%、「日常生活でイライラ」ネット上でトラブルも…兵庫県の初調査で判明
ネット依存症と一括りにいっても、『リアルの人間関係・経済との相関が強い依存性』『バーチャルなゲーム・映像や文字のコンテンツとの相関が強い依存性』『ポルノ・出会い系との相関が強い依存性』など様々あり、『物理・知覚的な世界(リアルな生活・仕事・対人)』への適応性がどれくらい障害されているかが問題となる。
ウェブのディレクターやプログラマー・SE、ゲーム開発者などIT関係の仕事の人が、毎日長時間ネットをしていても睡眠時間が確保されていて健康状態が維持されていれば『ネット依存症』の精神病理とは言わない。ネット依存の不適応は『義務的なリアルの時間割設定や行動様式に従えない・心身の健康を崩す』に集約される。
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