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自民党の小泉進次郎氏の“全世代型・応能負担・生涯現役”を掲げる社会保障制度改革:高所得の高齢者の負担増と若者世代の疲弊

自民党の小泉進次郎氏が『2020年以降の経済財政構想小委員会』で、社会保障制度改革について意見を述べた。『人口減少を強みに変える新たな社会づくり』として、高齢化率は現役世代の定義を『18~74歳』に変更すれば下げられるとしたが、生涯現役で年金支給開始を75歳に延長したい思惑もあるだろう。

参院選から選挙権年齢が18歳に引き下げられる事を前提に、『高齢者給付の社会保障』から『全世代型・応能負担・若者支援(育児支援)の社会保障』への転換を掲げた事は評価したいが、『現役世代の定義変更・原則老後なしの生涯現役』は若者世代も支持しそうにない。生涯現役なら社会保険料負担の減額とセットで論ずべき。

確かに現代日本における65歳は『老人』と呼べるほどに老いて、何もできないほど無力化しているとは言えず、戦前戦後の1940年代と比較して平均余命は10歳以上延びた。『老後の社会保障費』は医療・介護・年金・高齢人口増によって支出が増える一方で、無所得で悠々自適の年金生活の前提は既に半ば崩れている。

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吉本隆明の講演集の音源:死んだ思想家の語りを聴き終わるまでAudibleが解約できない…

今、満喫している楽しみの一つに、深夜・早朝の約60分間のウォーキングの時間に、AmazonのAudibleで今は亡き吉本隆明(1924~2012)の政治経済や文学と詩・人生論・宗教論などの広範なテーマを巡る講演を聴くことがある。

吉本隆明の著作そのものは、代表的な作品・思想以外は、晩年のものを中心に読みやすい時代批評や人生哲学を読んでいるが、吉本の文学論・近代詩論にはほとんど接していないのでそういったジャンルを新鮮味があるし、フランクなくだけたおっちゃんのノリで様々なテーマを持論を踏まえて楽しそうに語る吉本の講演は『今この世にいない死者の声』という意味で奇妙な時間軸の捻じれを味わうこともできる。

曽野綾子のキリスト教ベースの人生哲学とか、田中芳樹の『銀河英雄伝説』とか、芥川龍之介や夏目漱石の小説なんかもたまに聴いているのだが、音質が悪くて語りが必ずしも上手くない吉本隆明の講演が一番面白くてあれこれ考える材料になる。

ウォーキングしながらスマホで吉本隆明の『宗教としての天皇制』『国家・家・大衆・知識人』『親鸞について』などを聴いている人は、今の日本でどれくらいいるのだろうか、深夜1時などの同時間帯では恐らく僕一人ではないかと思いながら、暗く静けさに満ちた街灯が照らす夜道を5キロ、10キロと淡々と歩き続け、適当な所で見切りをつけて復路を辿る。

中には音が割れていたり小さすぎて聴こえないものもあるのだが、大学の講義・各地の講演会などで録音された年月を見ると1960年代~1980年代というかなり古いものであり、カセットテープに録音していたものをデジタル化したと思われるから、こういった『音質の悪さ・参加者の咳払いや不規則発言・室外の車などの騒音』も時代のライブ感として感じることができる。

吉本隆明は秩序だった講演の語りが上手いわけではないが、流暢ではないことが逆に『生身の語り(下書きした原稿の流れなどに強く頼らない即興的な語り)』の味わいを醸し出している。

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『死刑制度・人権思想』と『煮ても焼いても食えない類の凶悪犯罪者(悪行・無反省・社会憎悪の捻れた主体)』の処遇に困る現代の先進国

EUやアメリカの多くの州では、キリスト教の博愛主義(人間の人間に対する裁きの限界の自覚・人間の潜在的な良心と内省への信仰)を背景とする『人権思想・暴力禁止』の深まりもあって、刑罰としての『死刑(極刑)』は廃止の流れに向かっている。

死刑執行「本当に長かった」

日本は立憲主義的には人権を尊重する成熟した近代国家の一員ではあるが、欧米のような死刑廃止の流れは起こっておらず、むしろ他人を殺した凶悪犯罪者は死刑もやむを得ない(それ以外の自由刑では量刑が軽すぎる)とする死刑存置の価値観を持つ人が多い。同じ死刑存置の主張にも、『積極的・応報的な死刑肯定論(正義遂行としての死刑)』から『消極的・社会防衛的な死刑存置論(必要悪としての死刑)』までの幅はある。

あるいは日本では積極的に被害者の痛み・無念を思い知らせるために加害者に報復して死刑にすべき、更生なんてしなくていいから社会から完全排除して再犯リスクをなくすべき、裁判所の判決は事件の残酷さ・凶悪性に対して軽すぎる(被害者に落ち度のない利己的な殺人は原則死刑などもっと死刑判決のハードルを下げるべき・裁判員裁判の死刑判決を覆して無期懲役にするなどもっての他)だとする『死刑肯定論・死刑存置派』のほうが多数派を形成している。

欧米の死刑反対論は外国人を殺傷する国家安全保障(防衛・正義・テロ撲滅を掲げた戦争)とは矛盾するところもあるのだが、『人権・良心・殺人禁忌の普遍主義』に立脚していて、国家権力による死刑執行も『広義の禁止されるべき殺人の一種(人間の生命活動はいかなる主体や権力であろうとも人為的・法律的に奪うことは許されない)』と解釈し、死刑を人間の裁く権利の限界を超えた『反倫理的・非人道的・残酷な越権(神の領域の侵犯)』と見なすのである。

良心の普遍主義というのは、キリスト教の『懺悔・告白(告解)』による罪の赦免の教会文化とも相関するように思うが、どんなに他人や社会を憎悪して倫理規範・法規範を蹂躙する凶悪犯罪を起こした人間でも、『自分の犯した罪と向き合う良心』が完全に無くなったわけではなく、適切な更生教育・人間信頼(社会適応)の機会を与えられれば喪失した良心・倫理を取り戻せる可能性があるという考え方である。

良心の普遍主義は、神の赦し(人間の裁く権利の限界)や遺伝・環境の要因とセットになって、『加害者本人の凶悪犯罪に対する自己責任』を減免する理由となっているのだが、それは『その加害者がそういった悪事を犯す人間になってしまった責任は果たして本人の自由選択や自己責任だけにあると言えるか+本人にはどうしようもならない運命・遺伝・家庭・環境によって不可抗力的にサイコパスの社会憎悪的な人間性が形成されていった可能性がないか』という倫理的な問いへと接続する。

一方、死刑肯定論は『シンプルな行為主義と自己責任論』によって構成されるものであり、『どんな理由があろうともその理由が本人の意思で回避できないものであっても、重大な行為の結果に対する責任を被害の深刻さに合わせて取らせるべき』と考える。

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共和党のドナルド・トランプの台頭によって混迷する『アメリカ大統領選』の雑感

アメリカの共和党の大統領候補であるドナルド・トランプ氏の非現実的とも見える排外的・攻撃的な政治主張が注目を集めているが、保守的な強硬派・福音派・市場原理主義のテッド・クルーズ氏もトランプ氏以上の極端な政策を主張していて大差ない。バランス感のあるとされたマルコ・ルビオ氏は急速に支持を落とした。

全方位外交ならぬ『米国孤立』につながる日本・メキシコ・中国・イスラム諸国などを敵視する『全敵対外交』を標榜するドナルド・トランプが共和党代表になった場合、大統領選で民主党が勝つと見る。そうするとオバマ2期を継承し3期12年の民主党政権になるがヒラリー・クリントンやバーニー・サンダースの方がまだ思想や世界観がまともだろう。

自由貿易と市場主義のティーパーティーの政治家テッド・クルーズは、マシンガンをぶっぱなしてベーコンを焼き銃規制に反対姿勢をアピールしたり、低所得層を締め上げる人頭税(均等税)を提唱して自己責任を強調するなど、トランプ以上にラディカルな国家主義・市場主義の持ち主で、ISに対する絨毯爆撃も主張している。

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女性の孤立と貧困の問題:所得低下・技術革新・生活コスト感の変化で男女関係(恋愛・結婚)も変化している

結婚しなければ働く女性でも困窮する現状は問題だが、『日本社会全体の所得低下・貧困化』が進む背景もある。結婚しても夫婦共に稼げない状態になれば独身以上の危機もあり、男女の雇用と一人当りGDP下落に対処が必要だ。

非正規・独身…孤立し困窮する女性たち、切実な実態調査

異性や人間として好きな相手の仕事・所得が安定していて豊かな生活ができる、働きたい女性であれば仕事に専念できる(あるいは専業・パートでもいい)という『理想の結婚』ができる女性は今後減少するが、時代の変化として『生活設計ありきの結婚』が要請されるのに若い時期に現実主義に徹せられる人はやはり少ないだろう。

現代では、実家の経済基盤がある程度あれば、20?30代前半の女性は『生存・生活のシビアさ』をリアルなものとして実感しないままにバイト等でも過ごせる(長期の稼得能力を高めない)という事で、『人生設計重視の結婚』を意識し始めるにしてもその時期が遅いか『決断の基準・時期』に迷いが生じやすい。

男女の性別を抜きにしても、特別に大きな資産や保有するビジネスがない限り、『これからの収入源には何があるのか?自分の職業能力や稼得能力の基盤をどこに置くのか?誰と経済的に助け合えるのか?』という問題・不安から完全に逃れきることはできず、生きているだけで最低限の各種コストがかかる。

これは正規雇用・社会保障(公的年金)でもその収入源がなくなる可能性は少なからずあり、もし今の仕事がなくなったら何ができるか、今と同じだけの収入は得られるか、公的年金の支給が遅くなったり減額されたら何か稼ぐ手段はあるかなどの問題・不安に完全に対処できる人は殆どいないかもしれない。

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元SPEEDの今井絵理子が自民党から立候補:政治家の適性と知名度の高い芸能人候補の是非

今井絵理子の立候補は『知名度のある芸能人・シングルマザー・聴覚障害の子供・福祉優先度の低い自民』などで色々批判もあるが、『議員の実力・適性のものさし』は国も地方も判然としないものだ。

半同棲中の今井絵理子 選挙後に沖縄に住む父に彼を紹介予定

知名度・ファン・容姿・ライフスタイルで票を集めやすい芸能人・タレントの候補は、政策ビジョンや政治思想、目標と実績を無視した人気投票になるからダメという意見もあるが、当選する候補者の大半は『政党公認・世襲や元官僚・成功者・地域利権』等に関与した人で、個人の政治の見識・主張が決め手になった選挙もない…

そもそも自民党・公明党・民主党・共産党なりが公認した候補は、議会議決において「党議拘束を受ける数量的な勢力の構成要素」であり、「個人の政治思想・政治理念の差異」が党のマクロな思想や方針を超えて実際の政治で表面化する場面・役職はごく限られる。実績として議員立法や重要法案の議論の説得力・優勢等はあるが。

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