“政府軍・反政府軍・イスラム国”が入り乱れて激しい内戦が行われているシリアに入国した千葉市の湯川遥菜さん(42)が、イスラム国の兵士によって拘束された。
渡航制限がされている危険なシリアに入国した理由は、中東地域で活動する民間軍事会社(PMC)の起業・下見および実績づくりという特殊な理由だったが、湯川氏本人に「軍隊経験がないこと・民間軍事会社設立のノウハウやコネクションがないこと・戦闘スキルがないこと」などから無謀で非常識な行為として非難が集まった。
男性の居場所はシリア北部か 「イスラム国」日本人拘束
シリアだけではなく、アフガンやイラク、パキスタンなどでも欧米先進国のジャーナリストや医療関係者、軍人が誘拐・拘束されて身代金を要求されたり殺されたりする事件は続発している。
2004年には、ボランティア(支援活動)やジャーナリズム(現地調査)を目的に入国した日本人3人がイラクで拉致される『日本人人質事件』が起こって、この時も戦時下のイラクに入ること自体が無謀だというトーンで世間から厳しいバッシングを浴びた。
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テリー伊藤の『キモい』は感情的非難・煽りだが、山本景府議も『LINEに女子だけ残し男子は削除・執拗に中学生をお茶に誘う』など自らの言動にキモいと思われる点もあった。
テリー伊藤の「こいつキモい」発言は人権侵害にならない?その理由とは (シェアしたくなる法律相談所 – 08月19日 20:40)
府政を担う地方議員として、なぜ成人の一般有権者と向き合う対話の機会よりも、女子中学生とのLINE・お茶会・メンバーへの勧誘を優先する必要があったのか、学校・教委から『不審な行動』と見なされるような学校周辺での目立つ活動を続けていたのかに対して『ネットいじめの実地調査』だけでは合理性が弱い。
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戦後日本の平和を支えてきたものとして、日本国憲法(9条の平和主義)と日米同盟、米ソ冷戦構造(核抑止力)、経済大国化(暮らしの豊かさの上昇)があるが、それにも増して『日本の重武装・9条改正・右翼性・戦争参加』を抑止してきたのは、『アジア太平洋戦争(大東亜戦争)で家族の死傷・飢餓と貧窮・不自由と国家権力(軍)の横暴を実際に経験してきた人たち』であった。
終戦記念日:69回目の夏、平和誓う 武道館で追悼式
軍隊生活の理不尽な上下関係、兵站を無視した行軍・現地調達の過酷さ、ジャングルや島嶼での伝染病の苦しさ、飢え死にするほどのひもじさ、庶民(部下)を見捨てて戦後に責任逃れをする卑劣な戦争指導者や上官(教員)への怨嗟、権力や軍部からの強制と隣近所の相互監視、嘘で塗り固めていた大本営発表と戦地の現実など……それまで戦争の大義名分・利益強調と天皇崇拝の国民教育(非国民として非難される恐怖)によって目隠しされていた『戦争の本質・大衆の本音・庶民の犠牲』が敗戦によって溢れ出てきた結果が、もう戦争はこりごりだという戦争放棄(国民を徴発して無謀な戦争を遂行した国家権力への不信)であった。
それまで、日本人や大和民族、天皇の赤子(臣民)として『仮想的な一体感・忠君報国の義務』を持つとされてきたが、『日本の政治家・軍部・官僚・財界の上層部』は戦時中にも飢餓や貧困、戦死(戦地での餓死病死)と無縁だった者も多く、無謀で危険な作戦を計画立案した将校がのうのうと生き延びていたりした(戦争末期の現場からかろうじて逃げ出していたりした)。
この現実を見た庶民・兵卒の中には、『同じ日本人(一君万民)という一体感』は実際には幻想であり、無位無官の力を持たない日本人に危険な仕事を愛国心(臣民としての誇り)を理由にして押し付けていたのではないか、政治指導者をはじめとする上層部は『庶民の生命・権利』を軽視していただけではなく、交換可能な部品のように武器・食糧もない戦地に無意味な兵員投入を繰り返したのではないかという不信・憤慨でもあった。
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LINEのグループから外されたからといって、女子中学生に怒って脅迫メールを送りつけるのは、府議という公人ではなくても、一般の30代男性でもかなり稚拙な行為である。LINEのグループの設定権は本人にあるので、誰を外すのかは本人の勝手である。また中学生は本格的な支持者でもなく、ずっと山本府議とコミュニケーションを取りたいと思う動機づけは弱いだろう。
<大阪維新>山本景府議を除団…LINEで中学生とトラブル
mixiでマイミクを外されたからといって怒る人やfacebookで友達から外されたといって不機嫌になる人とも似ている。しかし、『コミュニケーションの相手・情報公開の範囲』を設定したり選択する権利は誰にでもあるし、一度追加した友人を絶対に削除してはいけないと言われたら息苦しくてとてもやっていられない。
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道徳とは何か。道徳とは、人として踏み行うべき道、善と悪の判断基準であり、徳を身につけた人物の行動理念である。『道徳』を授業で正解のある知識として教えたり、覚えさせた正しい振る舞いや意見を先生の前で再現させたり、ペーパーテストで確認することに意味があるかといえば恐らくない。
道徳の教科格上げ、「公平」「正義」指導へ 心配の声も
道徳は、『知識として知ること・語ること』は極めて簡単だが、『行動として行い続けること』が極めて難しいという性格を持つ。古代ギリシアの哲学者や古代中国の儒家たちが、『知徳合一(正しいと知っていることと実際に行うことを一致させよ)』を道徳の根本とした所以でもある。
道徳の本質は、社会生活を営む人間が他者とお互いを尊重して共生できるようにすること、あるいは人間が他者からその人格的価値を認められて慕われるようなヴァーチュー(美点・卓越)としての徳を高めていこうとすることである。
道徳教育について、教育勅語を懐かしむような復古的な意見もあるが、教育勅語の最大の欠点は『人間一般としての徳』ではなく『天皇・国体を支える臣民としての徳』であるため、ローカルな忠孝の規範性が優位に立っており、ローカルな規範の外部にある国・異民族に対しての共感的な徳性に配慮されていないこと(人間より国家を優先する道徳の道具化)である。
近世以前の日本の道徳の淵源としてある孔子の儒教でさえ、義・忠・孝にも優越する普遍的な徳目として『仁(他人に対する愛・思いやり)』を掲げ、仁はあらゆる望ましい人間関係(他者を自分と同じように大切にしようとする心がけ)の根本にあるものだとした。
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イスラエル政府とイスラム原理主義組織ハマスのガザ地区における戦いは、イスラエルの強硬な右派である『ネタニヤフ政権』とパレスチナ自治政府の過激派勢力『ハマス』が、双方共に『相手から先に攻撃してきた・相手が先に停戦案を破った・やらなければやられる』と“自衛権”を主張して紛争を継続している。
圧倒的に武力で優位に立っているイスラエル軍は、ガザ地区への陸上部隊の侵攻と空爆によって、1000人以上のパレスチナ人を殺害したが、その中にはハマスのメンバーでもテロリストでもない一般市民も多数含まれている。避難所となっている学校・病院も空爆の攻撃を受けているという。
武力や兵器ではイスラエル軍にまともに対抗できないハマスも、継続的にロケット砲を市街地に撃ち込んだり決死の自爆攻撃を仕掛けたりして、46人(うち民間人3人)を殺害しているが、過激な武装闘争路線によって支持を受けてきたハマスは勝目のない戦いであっても『対イスラエルの攻撃姿勢』をやめることはない。
パレスチナ問題は『怨恨と報復の連鎖』によって戦争が終わらないと言われるが、実際には権力や武力を持たない一般市民が『紛争の継続』を望んでいるのではなく、『やらなければやられる(相手は交渉ができない嘘つきである)という強硬派の政府や武装勢力のプロパガンダ』によって戦争・武力による恫喝が不可避なものだと思い込まされているというのに近い。
パレスチナ問題の解決の王道は、『パレスチナとの共存・協力を求めるイスラエル政府』と『イスラエルとの共存・協力を求めるパレスチナ自治政府』が誕生して和平交渉をすることである。
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