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Googleが持ち株会社Alphabetを創設・Googleの新CEOにサンダー・ピチャイ氏が就任

Googleが組織再編の構造改革で、持株会社Alphabetを創設。このニュースだけで株価が7%上昇した。Google主力の検索広告事業は広大な市場を独占しているが、近年はGoogleがインデックスできないSNSの普及が進み、成長率は鈍化傾向にあった。組織効率とコスト削減で利益率は維持しているが。

Googleという世界トップレベルのブランド力を持つ名前が銘柄から消え、全Google株は自動的にAlphabet株に変換、GoogleはAlphabetの資本・経営の傘下に組み入れられる。新会社創設の理由は、『検索以外の新規事業による長期的視野での次の成長力の開発』だろうが、現状に安住しない姿勢。

株価上昇の分析記事では、持株会社を設立することで、Googleの稼ぎ頭である検索事業以外の事業の現在の状態と将来の可能性が見えやすくなるからとされている。『新規・研究開発などベンチャー性(ハイリスク)の高い事業』の業務進捗と財務の独立性が高まり、『事業別財務情報の開示』で財務・業績の透明性が高まる。

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安倍政権の安保法案を巡る混乱と“立憲主義の軽視・存立危機事態のわかりにくさ”

安倍政権が立案した『安全保障関連法案』に対する反対デモが国会周辺で行われ、安倍政権の支持率がかつてと比べてかなり下がってきた。ギリシャの債務危機や中国の株価急落もあり、アベノミクス効果にもやや息切れが見えてきた。10月には消費税10%への増税も控えており、安倍政権に矢継ぎ早に向かい風が吹き続ける雲行きだ。

安保関連法案可決は国防・自衛隊強化・日米同盟に関心の強い安倍晋三首相の悲願であるが、日本以外の外国(同盟国)に対する攻撃を受けて日本が防護以上の反撃をする『集団的自衛権の行使+自衛隊活動領域の拡大』は、本来、憲法解釈変更の限界を超えているため、『改憲の手続き』を踏むことが筋である。

この安保関連法案の問題点は、『憲法違反の疑いが強いこと』や『国民にとっての必要性が分かりにくいこと(逆に仮想敵の増加・反米勢力の逆恨み等で自衛隊・国民のリスクが高まる恐れもあること)』もあるが、『アメリカからの要請+米国議会に対する日本国首相の公約』によって万事が推し進められようとしていることである。

法案が曖昧に定義する集団的自衛権は、実質的には『米国主導の世界秩序(中東・アフリカ経営の軍事コンセンサス)』を維持するための負担(戦闘要員・後方支援要員の戦死の負担も含む)を日本も応分に負うべきだというアメリカ側の要請を背後に持っているが、日本にとっては『中国警戒論』が米国の機嫌を損ねたくない理由にはなっている。

現実的には、武力で全面衝突する日中戦争は日米戦争と同程度には起こりにくいシナリオだが、安保関連法案に賛成する主張として、『尖閣諸島問題・中国の海洋権益拡張(南シナ海の南沙諸島の一方的な拠点建設等)』に対してアメリカがもっと強気に出てくれるのではないかという期待もある。

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映画『トゥモローランド』の感想

総合評価 87点/100点

科学技術と発明が大好きだった天才少年のフランク・ウォーカーは、万国博覧会で知り合った不思議な少女アテナ(ラフィー・キャシディ)に魅了されて惚れてしまう。アテナに案内された『トゥモローランド』という近未来的な異次元世界(パラレルワールド)は、少年発明家のフランクの想像を遥かに超えたような夢のロボット・人工知能や機械技術文明の装置で溢れていた。

いつも大好きなアテナと一緒に過ごしていたフランクだったが、フランクがいくら成長してもアテナは出会った頃の姿のまま全く変わらず、その顔の表情に自然な笑顔が浮かぶことはなかった。好きなアテナの笑顔を見たいと思って、フランクはあの手この手で一生懸命にアテナを笑わせようとしたが、遂に彼女は笑顔を見せてくれることはなかった。

更に成長したフランクは、アテナが自分と同じ人間ではないという絶望的な事実に気づかざるを得ず、フランクの才能を活用し尽くしたトゥモローランドは、アテナの正体に気づいたフランクを追放した。

中年になったフランク・ウォーカー(ジョージ・クルーニー)は、最愛のアテナに騙されて裏切られたという思いから要塞化した自宅にひきこもっており、アテナが高度な人工知能を搭載したヒューマノイドであるという事実を知ったことで、自分の少年時代からの人生のすべては無意味なものだったという虚しさに落ち込んでいた。

父親が携わっていたNASAのロケット事業が終わり、ロケット発射台の解体工事が進められていたのだが、宇宙や科学が大好きなギークの女子高生ケイシー・ニュートン(ブリット・ロバートソン)はせっかく作った発射台を解体してしまうことが許せずにドローンを使って不正に解体工事を妨害していた。威力業務妨害の罪で逮捕されたケイシーだったが、留置所に預けていた私物の中に不思議なピンバッジ(Tマークのトゥモローバッジ)が紛れ込んでおり、そのバッジに触れると見たこともない綺麗な黄金の草原地帯に知覚が移動することに気づく。

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安倍首相の米議会での演説とWW2の歴史認識:日米同盟深化・世界秩序へのコミットの安保法制改革

安倍晋三首相がアメリカ議会に意気揚々と乗り込み、『希望の同盟』という新たな同盟概念の提示をして安保法制改革を通じた対米協力姿勢を明確化したことで、安倍首相はオバマ大統領と米国の有力議員に満面の笑顔とスタンディング・オベーションで迎え入れられた。

首相演説、野党が一斉に反発

日米同盟における軍事的な片務性を解消して日本の人的・経済的な負担レベルを引き上げること、アメリカ・中国のG2体制においてアメリカへの無条件の傾倒を半永久的に保持すること、自民党手動の安保法制改革は正に米国との同盟関係さえ良好に維持できれば日本の将来は約束されているという『楽観的希望の同盟』に依拠したものなのだろう。

『憲法改正運動+日米同盟深化(グローバルな安保への参加)』の背後に、日本にもっと欧米主導の世界秩序維持のためのコストを肩代わりして欲しい米国からの強い要請があることを伺わせる。

改憲・集団的自衛(欧米型の世界秩序への協力)を是とする大義名分として、『世界の平和秩序確立への貢献+日本の安全保障環境悪化の過度の協調』もあるので、表立った平和主義からの反論に対しても、自分たちさえ良ければよいのか、日本さえ戦争と無縁であれば良いのか(憲法前文にも示される国際社会に対する責任を放棄するのか)のカウンターの反論が可能である。

戦後日本は、アメリカのGHQ主導の占領政策(立憲主義・軍備解体・体制の民主化・財閥解体・教育改革・農地解放など)を焼け野原からの復興のトリガーとして、軽武装路線で『戦争・軍事に振り回されない経済成長』に専心することができた。

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沖縄県の普天間基地移設に対する反対運動:戦前戦後、粛々と国や法律によって全体のための負担を負わせられた沖縄の歴史

政府(首相)や公権力が『粛々と進める』という発言をする時には、『反対派・抵抗勢力が存在するとしてもいくら反対しようとも法律と行政の執行権の裏付けに基づいて強制的に推し進めることができる(反対運動をして騒ぐなら騒いでも良いが権力は痛痒に感じず結果は決まっている)』といった威嚇や無視、傲慢の意味合いを帯びる。

安倍首相「粛々、私も使う必要ない」 普天間移設問題

地域主権や地方自治といった大義名分がハリボテであることの露見であり、国家権力の絶対性と法律執行(条約遵守)の強制性によって地域と人々が支配される“中央集権体制(権力及び多数派による不利益強制の正当化)”を理想とすることの現れでもある。

地域住民の意向や地方自治体の自主権を大幅に抑圧して、『国家全体のための負担を一自治体に無理やりに押し付ける法律・条例』は、憲法違反や人権侵害の疑いもある。

中国を仮想敵に設定した『地政学的なパワーバランス』のために沖縄県は未来永劫、日本の安全保障政策(実質的に沖縄県をダシにして対中国で団結するような国民統合政策)のための犠牲となって、米軍基地あるいは自衛隊(国防軍)基地を大量に受け容れ続けなければならないというのは、沖縄県民が日本人としての権利や地位を中途半端にしか認められていないという事にも成りかねない。

沖縄県は江戸中期以降に薩摩藩の侵攻(間接支配)を受けたが、明治の廃藩置県の流れでは、一方的な琉球処分によって琉球王国としての自治権を完全に喪失し、正に“粛々と”力の論理で近代日本に組み込まれた。

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憲法改正に意欲を見せる安倍首相、来夏の参院選後に『国民投票』の可能性を示唆

安全保障より生活窮乏(所得減・増税)で大勢の国民が犠牲になってるが、改憲は『国民主権・平和主義・人権』の三原則を変質させ、国民の不安・不満の原因を内政から国外や軍事にミスリードする方向へ行くのではないかと不安である。

首相、国民投票は来夏の参院選後に 憲法改正へ意向

日米軍事同盟の強化が叫ばれる中、アメリカが日本に思い通りの血と汗の負担をさせられない抑止力となっているのが、米国GHQが起草に参加した日本国憲法である。憲法9条や25条の改正は、日米同盟の中で『日本人の犠牲』を払ってでも米国の世界秩序や地政学的リスクの封じ込めに参加する責任履行を担保する恐れがある。

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