○立憲民主党の枝野幸男代表が「日韓外交の落としどころ・河野太郎外相のスタンス批判」をしていたが、ポピュリズムに走るなら韓国をきつく追い込んで東アジア情勢を不安定化させるべきだが、現代の先進国の外交の常道としては「双方の顔を立てられる妥協点・合意条件を模索して、安全保障・貿易の実利を再建する」以外はない。
過去の歴史に学ぶなら、日本自身が米国や連合国から輸入規制で追い込まれて、敗戦覚悟・一億火の玉で暴発した経験を持つ。「面子にこだわる国家を追い込む弊害」について熟知し逆手にとって考えなければならない。「追い込めばギブアップして思い通りに相手が動く」は、米国でさえ無理な外交方針で人間心理にも反している。
○日韓関係悪化が具体化したのは「韓国の徴用工訴訟・慰安婦・反日教育などの蒸し返し」が原因だが、「戦後の時間経過・世代交代による日韓併合の当事者性の喪失・日本の経済大国からの後退」も大きい。
韓国首相、「関係修復へ対話を」 WTO提訴も示唆 (朝日新聞デジタル – 08月28日 12:06) http://mixi.at/admzzj7
現在でも日本のGDPは優に韓国の3倍以上もあり、国家としての規模・地力・影響力では中国には抜かれたが韓国よりは圧倒的に上ではある。中国のGDPは約15兆ドルを超えているので、正確な数字ではないとしても日本のGDPの約3倍で、「中国・日本・韓国」の順番で経済規模は格段に小さくはなる。
問題は日本人の生活実感・豊かさの意識が2000年代から落ち始めて格差も開いたことで、日韓併合の反省・謝罪・賠償などを経済的にも心理的にも余裕でこなせた時代とは前提条件が全く異なる。韓国を本気でライバル視して叩き始めた背景には、旧併合主体国としての個人レベルの経済・心理の優位性が緩やかに崩れた事もある。
1980年代までなら日本人は韓国人・中国人と本気で対等の競争をして、何が何でも負けたくないと思う個人レベルの感情がなかったため、経済的・制度的には中国や韓国に相当な支援をしていたが、そのことについて文句・不満もほぼ出なかった。戦後の時間経過の短さもあり歴史認識の対立が表面化することも少なかった。
どちらかというと戦時中に併合・侵略で迷惑をかけて経済発展・民生充実・政治制度も日本よりだいぶ遅れている中国・韓国にできることはしてやろうの「上から目線の支援意識・惜しみなく技術や資金で応援しても抜かれない余裕」があった。日中韓の関係悪化要因として、中国に抜かれ韓国が経済規模を大きくした影響は大きい。