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NHKの籾井勝人会長の発言と『公共放送の政府との距離』

NHKの籾井勝人会長の人事は、先日健康上の問題で検査入院となった内閣法制局の小松一郎局長の人事にも似ているが、『政府(安倍政権)の代弁者に近い役割を果たそうとする人物』が、『判断・職務の自主自律が前提となる公的組織』のトップに就いたという構造的問題を孕んでいる。

法律・政令・条約案の審査および法令の合憲解釈と調査を担う内閣法制局は、『法の番人』として最高裁判所と双璧を為す法律(法権力)の有効性を調整し判断する機関であり、安倍政権下では『集団的自衛権の解釈改憲(条文改正なしでの日米同盟を前提とする集団安保)』をどのように判断するかに注目が為されることが多い。

内閣法制局長は内閣の一員ではあるが、政府・首相の見解や恣意的な国益の主張に追随して後押しする立場ではなく、『客観的・中立的・立憲的な見地』に立って閣議に付される法律案や行政施策が、現状の憲法と法律に矛盾・違反なく整合しているかを判断しなければならない立場にある。

ここに安倍首相が個人的に交遊が深く価値観も一致しているとされる小松一郎氏を配置したことで、内閣法制局の中立性や前例からの合理的判断に変化が生じるのではないかという疑いが持たれたりもしたが、NHK会長という職務も『公共放送の中立性・客観性・国際性』を担わなければならない立場にある。

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フジテレビの『ほこ×たて』のやらせ問題・内部告発が意味するもの:事実を隠せない時代の到来

攻めと守りの立場になる『二つの技能・商品・能力』などをぶつけ合って、どちらが優れているかを競い合うフジテレビの人気番組『ほこ×たて』でやらせが発覚した。『スナイパーVSラジコンカー』で、実際は日本企業のラジコンボートが3連勝してあっさり買ったのだが、それでは番組の構成上面白くないというので、ラジコンヘリやラジコンカーとスナイパーとの対決も見せられるように順番を入れ替えて撮り直し、日本企業側は2連敗の後に3連勝して勝ったという内容になった。

また実際に行われたスナイパー軍団のルール違反(初めの1分間はラジコンに弾を当ててはいけないというルールの違反)には触れられず、最初の2戦は実力勝負でラジコンが負けたという設定にされたのが、日本企業(ヨコモ)の担当者は気に入らなかったようだ。

ヨコモの担当者が自社のサイトに、『あまりにも曲げられて作られていたため、編集責任者に対し「反則した相手が負けになるのであればまだ納得出来ますが、もしこの内容で放送された際には、事実を発表します」と忠告し、内容を偽って作らないよう要請していたのですが、非常に残念な事に偽造編集したものが放送されてしまったのです』というコメントを出して、『過去に撮影された鷹・サルとラジコンとの対決にも不正ややらせがあった』という告発をしたために騒動が広がりを見せることになった。

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ローラの父親の国際指名手配。犯罪者の家族(加害者家族)の保護をどう考えるか?

殺人事件をはじめとする被害者遺族の権利回復や感情慰撫については多くの取り組みがなされるようになってきているが、『連座制(家族の連帯責任)』を廃止した現代でも未だ、『家族の犯罪』によって他の家族が風評被害を受けたりその土地で暮らせなくなったり仕事を失ったりする問題が起こっている。

子どもを虐待(ネグレクト)して性格形成を歪ませたり、非行・犯罪の性向があると分かっていながら放置し続けていた親であれば、『子の犯罪の原因』の一端を間接的に担っていたという道義的責任の追求の余地はあるかもしれないし、年齢によっては民法上の未成年者に対する保護者(親)の保護監督責任が発生する。

また、明らかに家族が共謀したり教唆したり黙認したりしていたような犯罪であれば、家族も一緒に非難されるべきであるが、本人に責任(容疑者の事件に至るまでの原因への関与)がない『親の犯罪』によって『子ども(本人)の非難・不利益』が起こったり、『兄弟姉妹の犯罪』によって『本人の非難・不利益』が発生したりするのは理不尽ではある。

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