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『栃木女児殺害事件』で自供した勝又容疑者の性格形成過程と暴力衝動・性嗜好障害

偽ブランド品を販売した商標法違反で逮捕された後に、勝又拓哉容疑者(32)は吉田有希ちゃん殺害の犯行を供述したが、ペドフィリアの性犯罪の危険性・卑劣さは殺害・傷害・監禁を伴いやすい部分にある。

<栃木女児殺害>勝又容疑者「茨城県境付近の山中で殺害」

ペドフィリア(小児性愛)にも重症度のスペクトラムがあり、勝俣容疑者のように実在の子供に性犯罪を企て実行するに留まらず殺害にまで至るのは最も重症度が高く危険な病的状態。『性衝動』と『殺人衝動(暴力性)』がリンクする性犯罪には、『母子関係の歪みと愛着形成障害・女性憎悪・自尊心の欠落』が関係するとされる。

勝俣容疑者のような子供を殺める殺人者は、性的嗜好の異常としてのペドフィリアの中でも特別に偏った人格構造や世界像を持ち、一般論として言及するのは難しい。10代で母親と共犯で偽ブランド品を販売して回っていたなど特異な成育歴・母子関係もあるが、発達過程で何らかのトラウマ・性的虐待を受けた影響も想定される。

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DSM-5で精神障害の日本語訳が変更される。“disorder”の日本語訳が『障害』から『症』へと変更に。

DSM-5ではDSM-4までの『多軸診断・カテゴリー診断』が廃止され『ディメンション診断(多元診断)』が採用されるが、簡単に言えば『精神疾患か否か』より『精神疾患の度合い・重症度』を重視する診断という事である。

「障害」を「症」に 精神疾患の新名称公表

DSM-5ではパーソナリティ障害と発達障害を中心に『多元的なスペクトラム(連続体)』を想定しており、『人間は誰もが正常ではない偏った人格状態や精神状態を持っている』ことが前提になっている。どのくらい偏ったり不適応になっているのかという度合いが問題であり、それを%で表示しようという姿勢がある。

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仕事のやる気はどこから生まれるのか?:モチベーションとインセンティブ

『自分の好きなこと・得意なこと』を極めて仕事にできている人は幸運であるが、そんな人でも好きなことを仕事にしてしまうと趣味の楽しみ(仕事の後の楽しみ)が奪われるようでつらいと不満を漏らすこともある。

顧客の個人なり会社なりに『対価』を貰って仕事をするということは、『自分の仕事の価値・作り上げたもの』がその対価に見合うものかどうかある程度の厳しさで査定されるというストレスと緊張感を伴う。

“やる気”が出ない原因は?

プロフェッショナルとアマチュアの違いは『対価を受け取る代わりの責任・緊張』を引き受けるか否かにあり、いくらプロレベルであっても『私は代金は頂きませんので・ボランティアでやらせて貰いますので』というスタンスならアマチュアとしての気楽さ・自由さ(無料だからこそ仕事の出来栄えにあれこれ言われない留保)を選んでいるということになるだろう。

十分に市場で通用するだけの高度な技術や知識、実力を持っている人であっても、『仕事・プロフェッショナルの立場・有料』でするのと『趣味・ボランティア(アマチュアの立場)・無料』でするのとでは自ずから心持ち・責任感が異なってくる。

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慶応大生による自殺教唆事件:『言葉の暴力』で限界まで追い詰められてしまう人・精神状態

自殺教唆というのは非常に発生率(逮捕件数)の少ない犯罪であるが、それは通常、『自殺しろ(自殺したほうが良い)』などと人に言われても、素直にその言葉に従って自殺する人が極めて少なく、また他人に自殺を意図的に教唆しようとする人も少ないからである。

自殺教唆容疑で慶大生逮捕=メールで繰り返し「死ね」―交際女性飛び降りる・警視庁

この事件では、別れ話を持ち出した女性のほうが、振られた男性(別れを告げられた側の男性)から自殺を教唆されて飛び降り自殺を決行していて不思議な感じもするが、元々、この容疑者男性と恋愛をしている最中から、『自殺をしてもおかしくない弱った抑うつ的・自己否定的な精神状態』にあったか、何度かの自殺未遂(あるいは自殺企図にまでは至らない自傷行為・希死念慮の打ち明け)などを起こしていた可能性が想定される。

別れの原因が何だったのかは不明であるが、容疑者との恋愛関係におけるDV・モラルハラスメントの可能性も含め、『付き合っていること(相手の言動・態度)による精神的な不安定さ・混乱・自己否定』があって、別れ話を切り出す時点で相当に精神的に不安定だった(それ以上の精神的攻撃やストレスを受けると持ちこたえにくい精神状態だった)のではないかと思う。

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『頑張らなくても痩せてる人』の食・運動の生活習慣

肥満型か痩せ型かには、親子で体型が似ていることも多いように遺伝要因も軽視できないが、大半の人は極端な肥満や激やせの体型にまではいかず、標準体型である人が『加齢(代謝率低下)』と共にやや太り気味になっていき、身体感覚も俊敏さがなくなって重たくなるという感じになる。

一体何が違うの?「頑張らなくてもやせてる人」の生活習慣10個

頑張らなくても痩せている人は、『摂取カロリーと消費カロリーのバランス』がやや消費カロリーが大目になる生活習慣が自然に確立できている人であり、『食事の分量・頻度・内容』を変えるまでは、ある程度頑張ったり意識して変えたりする必要は出てくる。

これ以上ほとんど食べられないくらいの『満腹感(腹9~10分以上)』にこだわる食事を日常的にしていれば、満腹中枢が刺激される閾値が高くなるので、それよりも少ない分量の食事だと物足りない空腹感が多少つらい、手軽につまめるモノがあれば食べたいという衝動が抑えにくくなる。

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宇多田ヒカルが藤圭子と楽曲に投影した“母親的なものの表象”と“守りたい(守られたい)欲求”

藤圭子さんが情緒不安定になって感情・気分の波が激しくなり、妄想・幻覚・興奮といった精神病的な症状に苦しめられ始めたのは、娘の宇多田ヒカルさんがまだ小さな頃からだった(具体的に何歳かは記されていないが)ということから、藤圭子の精神疾患あるいはパーソナリティ障害のエピソード(症状の履歴)は相当に長いということにはなる。

藤圭子さんは米国の心療内科での長期入院の経験があり、付添人がいてもなお自殺企図を起こしたことからもその精神疾患の程度は重く、あるいは重症うつ病のような抑うつ感・希死念慮・厭世感が慢性的に生じていた可能性がある。

『家族との長期的なコミュニケーションの断絶』が耐えがたい孤独感・疎外感につながっているというような本人の述懐もあったようだが、元夫の話などでは家族といる時にも精神的に不安定になることが多く、家族としても『どういう風に接して上げれば良いのか分からない・ネガティブな感情や興奮に自分も巻き込まれてしまって苦しい』という事情があったのかもしれない。

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