「事件」タグアーカイブ

連れ子の虐待事件に対する先入観と実態解明の難しさ:母子関係と密着的な二者関係が持続するストレス

3歳の女児死亡、母に暴行容疑

父親か母親が『血縁関係のない子供(連れ子)』を虐待すると、実の子供ではないから子供のちょっとした抵抗やイタズラ、わがままに我慢できずに暴力を振るってしまいやすいという先入観を持たれることが多い。3歳の女児を押して転倒させ、頭部損傷を負わせて殺害したと見られるこの事件でも、子供が『夫側の連れ子』だったことをネガティブな要因と見なす意見は少なくない。

その先入観には、連れ子は虐待されやすいと思っている人自身の『血縁関係への強いこだわり(自分の遺伝子を引き継ぐ子供じゃないと嫌)』や『相手と別の異性(前夫・前妻)との間の子供への嫉妬』などが反映されやすい。

また、子育てをしている女性(男性)は、子育てを最優先にした人生設計や行動の判断を行うべきであり、そのためには子供が小さいうちはできるだけ(よほど子育てに積極的な協力姿勢を持つ相手だと確信できない限りは)『別の男女との恋愛関係』は持たないほうが良いといった日本的な禁欲主義の道徳観も影響している。特に母親に対しては、『女性としての自意識・欲求』を離婚後に持つことが世間からタブー視されやすく、子供より異性を優先するのではないかとの野次馬的な勘ぐりを受けやすい。

だが、実際の日本における虐待統計では、法律婚(離婚していない子育て中の実親である夫婦)の多さもあって、虐待の加害者の大半が『実母(全体件数の約60%)・実父(全体件数の約25%)』であることに注意が必要である。

続きを読む 連れ子の虐待事件に対する先入観と実態解明の難しさ:母子関係と密着的な二者関係が持続するストレス

明治大学の公認サークル飲み会での集団昏倒事件と薬物混入疑惑:18歳からの飲酒・喫煙の解禁と違法行為の法的責任の明確化

酒を飲み慣れていない人もいるとはいえ、参加した女性の大半が集団昏倒するほどの飲酒量は急性アルコール中毒で死亡者が出かねない。当初は睡眠薬・脱法ドラッグの絡んだ事件も疑われていたが、現在でも参加した男子学生の誰かが睡眠薬のような薬物をお酒に混入した疑惑はかなり強いようである。

明大、同校公認サークルの集団昏倒写真に謝罪 「過度の飲酒から起きた出来事」

大学に入学したばかりの時期は『酒が好きで飲む人・タバコが好きで吸う人』は殆どいないわけで、大半が『かっこつけ(前から飲んでた)のポーズ』で飲めるふりを装って飲み過ぎるリスクがある。飲酒経験が乏しければ、自分が飲めるアルコールの最大量を把握できず、勢いと気合で飲み続けた結果健康を害する恐れがある。

続きを読む 明治大学の公認サークル飲み会での集団昏倒事件と薬物混入疑惑:18歳からの飲酒・喫煙の解禁と違法行為の法的責任の明確化

最年少市長の藤井浩人美濃加茂市長の収賄疑惑、本人は『身の潔白』を主張

29歳の最年少市長の収賄事件は残念だが、市長当選前の市議時代に現金を受け取ったとされ、藤井浩人美濃加茂市長は『事実無根(業者から現金は受け取っていない)』として身の潔白を晴らしたいとしている。

公共事業の口利きや贈収賄の問題は古くからあるが、競争入札も談合・情報漏洩で骨抜きにされた時期は長い。公正な競争入札が実施できないことによる『コスト増加(納税者の間接的負担)』の問題もあったが、今回はわずか数十万円の現金で議員としての信頼を全て失うようなことをするのかという疑いは確かにある。

全国最年少市長の岐阜・美濃加茂市長逮捕 事前収賄容疑

地方議員からすれば同じ公共事業をするならどこの業者でもいいし、安い価格で請け負ってくれるならなお良いという事になるが、キックバックを受け取ると『不要不急の公共事業』の動機づけになる恐れもある。特定の企業が『御用商人』のようになって、他の企業の参入機会を情報の囲い込みで排除する問題にもなる。

続きを読む 最年少市長の藤井浩人美濃加茂市長の収賄疑惑、本人は『身の潔白』を主張

栃木女児殺人事件におけるDNA操作のミスと勝又容疑者の残酷な犯行の心理

栃木女児殺人事件はDNA捜査のサンプリングミスから迷宮入りの恐れもあったが、母親と別件の詐欺事件で逮捕された勝又拓哉容疑者が女児殺害の余罪をほのめかして供述した事で露見した特異な事例ではある。

<栃木女児殺害>「口封じのため」刺殺 容疑者を殺人で起訴

現代のDNA捜査でさえ初歩的なミスやサンプルの取り違えがあるのだから、過去のDNA検査の誤りで足利事件などの『冤罪事件』が生まれたのも納得できるが、DNAを『真犯人探索の決め手』にするには、照合可能なDNAのデータベースが小さすぎる。全国民のDNA採取は監視社会・システム的冤罪のリスクが別にあるが。

続きを読む 栃木女児殺人事件におけるDNA操作のミスと勝又容疑者の残酷な犯行の心理

映画『ザ・コール 緊急通報指令室』の感想

総合評価 86点/100点

ロサンゼルス市警で“911(緊急通報)”のオペレーターをしているジョーダン(ハル・ベリー)は、若い女性の声で男が自宅に不法侵入してきたという通報を受ける。『男が諦めて外に出たみたい』と女性が話したため、電話がいったん切れた後にジョーダンは電話をかけ直してしまう。その僅かな着信音を聞いた男が引き返してきて、女性は拉致誘拐されてしまった。

911のオペレーターとしてのキャリアを積んできたジョーダンだったが、通報者が身を隠している場合に自分の側から電話をかけ直してはいけないというセオリーを踏み外してしまい、誘拐された女性はその後に無残な遺体となって発見された。自分のミスが許せずに自責感と罪悪感に悩んだジョーダンは、オペレーターを続ける自信を失って辞めようとしたが、上司の配慮でそれまでの経験と話術を活かして後進の新人オペレーターの指導教官をすることになり、現場の電話を取らなくても良くなった。

女性殺害事件から半年後、オペレーションルームで研修生を案内していたジョーダンだったが、その時に大型ショッピングモールの駐車場で男に拉致された少女ケイシー(アビゲイル・ブレスリン)から911の通報が入る。別の新人オペレーターがケイシーに対応していたが、パニックに陥っているケイシーに有効な指示・助言ができずに言葉がでなくなってしまい、ベテランのジョーダンは半年ぶりにヘッドホンマイクを受け取ってケイシーと話し始めた。

続きを読む 映画『ザ・コール 緊急通報指令室』の感想

千葉県市原市東国吉の市道で発生した、50~60代の男が中学生女子を車に押し込もうとした事件。

わいせつ・人身売買などが目的の逮捕監禁致傷事件か。対向車の人の機転と積極的な行動で、連れ去られることを防ぐ事ができたが、犯人が逮捕されていない状況では地域住民の不安・心配は大きいだろう。

<逮捕監禁致傷>中2女子車に押し込め…対向車運転手が救出

朝7時という既に明るい時間帯に、通学途中の中学生を路上で無理矢理押し込もうとした犯行形態を見ると、『衝動的・場当たり的で無計画な印象』が強いのだが、拘束するためのビニールテープや脅す刃物を準備していて『一定以上の計画性・余罪の可能性』が想定される事案でもある。実年齢と精神年齢の乖離が著しい犯人像。

続きを読む 千葉県市原市東国吉の市道で発生した、50~60代の男が中学生女子を車に押し込もうとした事件。