『認知症』ではなくても、高齢になると程度の差はあっても『認知機能の低下』が起こる。運転技能の基礎には『目・耳・肌の知覚+前頭葉の判断力・思考力=認知』があり、運転技能と認知は密接不可分である。
認知症はたったの1割 「逆走事故」は健康な高齢者に多い?
日本の生活環境・高齢者のみの世帯・買い物や通院の事情を考えれば、地方の過疎地ほど『車のない生活』は成り立ちにくいが、できるだけ『病院や店舗への送迎サービス・移動販売車・通信販売(ネット販売)等の増加』によって、身体・認知の衰えた人が『免許証を返納しても生活に困らない環境』を整えていくべきなのだろう。
車の運転の特徴として、自分が誰かさえ分からなくなった(宣言的記憶が完全に障害された)重症認知症者でも、運転に必要な筋力・関節の稼動域など運動機能が維持されていれば、外見上は普通に運転できるという事である。
続きを読む 逆走事故に占める認知症の高齢者の割合は約1割:運転技能・認知能力が落ちた高齢者の運転問題(免許返納問題) →
自転車のベルは背後からの追抜きの時は、余裕を持ってだいぶ手前から鳴らしてくれるか「横を通ります」とでも声掛けしてくれれば不快ではないが、法律上は歩行者の背後からの追い抜きは最徐行か降車しての手押しになる。
意外と知らない、自転車の禁止事項1位「歩行者にベルを鳴らす」
歩行者と接触しないための自転車の安全運転の道理から言えば、「背後からの自転車の接近に早い段階で気づく」のが最善で、本来は「黙ったまま徐行」よりも「ベル・声掛けをして追抜き(歩行者が抜かれることを理解して端に避けている)」のほうが安全度は上がる。黙ったまま追い抜きは歩行者同士でもぶつかることがある。
歩行者のいる歩道における自転車の安全運転の問題は、「自転車の走行レーンが左右にぶれる事」で、正面から接近する自転車でも「走行レーンのキープ」ができない人が結構いる。歩行者が予め端に避け、自転車の走行レーンを開けていて、自転車も歩行者を認知していても歩行者に近づき危ないケースがある。単純に、まっすぐ走るのが苦手な運転技術の問題か。
続きを読む 自転車で「歩行者にベルを鳴らす」のは禁止だが、事前に後ろから接近する自転車に気づいた方が安全…! →
死亡ひき逃げ事故を起こした人の大半はまず否認する。意図的に行った犯罪より、現実逃避の否認の欲求は強い。結果の重大性に対する『故意・殺意の欠如』と『法的・社会的な制裁,人生の暗転』による混乱もある。
<短大准教授ひき逃げ死亡>山形県立高校教諭を逮捕
加害者は60歳の高校教諭で、それなりに自分の人生や職業を踏み外さないように真面目に生きてきた人物だろうが、それが故に『なぜこんな時にこんな不幸が自分に襲いかかるのかという不条理の念』で、死んだ被害者には意識が向かいにくい。自己防衛は本能的なものだが、意図的な犯罪よりも落胆・理不尽さは大きいだろう。
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一度交通事故を起こして精神的な動揺・興奮が収まらないのに運転を再開すれば、正常な精神状態とは言い難いテンションの為に次の事故を誘発しやすい。事故処理を曖昧にして急いだのも事故の原因。
早く当選証書を…慌てた町長、田んぼに突っ込む 新潟
新潟県田上町長選で当選した佐藤邦義町長は、72歳という高齢による認知力・集中力の低下も交通事故の一因だと推測することもできるが、間に合いそうにない時でも『危険運転・注意力散漫・速度超過』をして良いわけではない。急いでいたからは言い訳にならず、状況によっては他人を死亡させたり障害を負わせる恐れもある。
続きを読む 新潟県田上町長選で当選の佐藤町長が、慌てて田んぼに突っ込む自動車事故を起こす:高齢化社会の運転と地方自治 →
韓国の大型客船セウォル号(6825トン)の事故原因が、次第に明らかになりつつあるようだ。
事故が発生してしまった直接の原因は『急旋回の運転ミス+過積載(積荷の固定の弱さ)』だが、韓国企業が日本から購入した1994年製のセウォル号を大幅に改修して全高を51センチも高くしたことが、『復原力(ある程度までの船の傾きを自力で修正して姿勢を立て直す力)の大幅な低下』という船舶の構造上の不安定さにつながったと指摘されている。
車に置き換えれば、全高・重心の低いスポーツカーは地面に張り付くような走りで高速運転での旋回性能を高いレベルで維持しやすいが、全高・重心の高いワンボックスカーは高速運転中に急カーブを強引に曲がろうとすると横転するリスクが高くなるというような構造上の弱さがセウォル号にあった。
更に、積荷を違法に詰め込めるだけ積み込む『積載上限の二倍以上の過積載(違法行為)』を行って、船体の不安定さの度合いが高まっていた。積荷の固定も弱かったために、急旋回で過積載の荷物が片方に集積して復原力の限界を越えてバランスを崩してしまい、沈没事故を引き起こした。
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関越道のツアーバス事故は、自ら請け負った違法な労働条件(バス車体・運転手の登録手続にも法的な不備がある状態)によって過労状態に陥っていた河野化山(こうのかざん)被告が、居眠りをして猛スピードで防音壁に突っ込み、車体が真っ二つになるほどの損傷を受けた見た目にも衝撃的な事故だった。7人が死亡して、38人が負傷する自動車事故としては非常に大きな被害を出した。
<関越道事故実刑>「ある程度納得したが…」遺族、笑顔なく
自動車事故は年々減少を続けており、交通事故の死亡者がピークだった1970年代の交通戦争ともいわれた1万6千人台と比較すると、現在は飲酒運転厳罰化・危険運転関連の法改正の影響もあり4700人を割り込むまで激減している。現在が最悪の交通事故の状況というのは当たらないが、人々の意識としては『悪質な交通事故が増加したという印象』も強く、このことは凶悪犯罪が低い発生件数で推移しているのに、『治安が悪化しているという印象』ともつながっている。
1970~1980年代頃までは、日本は高度経済成長期にあり自動車の売上・税収と普及率が伸びるモータライゼーションは、『裕福な中流階層の増加を反映した先進国化(経済成長・労働意欲につながる欲望の原動力)』でもあったから、いくら自動車事故やその被害者が増加していても、被害者心理を代弁するような形の報道姿勢をマスメディアが取ることはなく、事故の発生と犠牲者数が淡々と報じられることが多かった。
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