「人生哲学」タグアーカイブ

チャールズ・シュルツとジョン・レノンの言葉(アフォリズム)より

My life has no purpose, no direction, no aim, no meaning, and yet I’m happy. I can’t figure it out. What am I doing right?

私の人生には目的も方向性も目標も意味もない。それでもハッピーだ。自分でもなぜだか分からないが、私は知らないうちに何かいいことでもしているのかな?

I love mankind; it’s people I can’t stand.

人類(観念としての人)は愛しているんだけど、耐えられないのは人間(実在する自分の意思と対立する個々の人々)さ。

Charls Schultz

チャールズ・シュルツは、スヌーピーのキャラで知られる漫画『ピーナッツ』の作者で、こういったシニカルな風刺の効いた表現を漫画内で散りばめているらしい。

人類愛・博愛を語って争いや憎しみを否定する人たちは多いが、『人類』は愛せても、実際に意思や価値観を持ち、自らと対立する言葉を語る『人々』を個別に愛するのは簡単なことではない。人間世界に争いごとが絶えない所以でもあるが、『観念・理念』を愛せるように『個物・実際』を愛せる人は、ある種の無私の境地に到達した聖人に近いものかもしれない。

現代社会では『目的・目標を掲げて堅実に計画的に生きるような意味のある人生』が模範とされるし、それから外れた目的志向ではない場当たり的な人生に、劣等感や苦悩を抱えてしまう人も多い。

そういった直線的で勤勉な目的志向から軽妙に外れて、俺は自分でも分からないがなぜかいつもハッピーだと思えるおどけた感覚が面白いと思う。こんなに自分が幸せなのはきっと自分が正しいことをしているからではないか(俺は何か正しいことでもやったのか?その見返りできっと楽しいんだろう?)という、自己満足のご都合主義的な解釈も楽観主義のシュールさがあって良い。

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世界経済フォーラムによると日本の男女平等度は“105位(3年連続低下)”だが、

今回8回目の『国際男女格差レポート』は政治活動・経済活動(労働)への参加率を指標化したもので、厳密な男女の社会的格差や幸福感の格差(希望する生活状況の達成率)とは相関していない点には注意が必要かもしれない。

要するに、安倍晋三首相が『2020年までに社会のあらゆる分野において、指導的地位に女性が占める割合を少なくとも30%以上にしたい』と語った女性の社会的地位向上の政策目標のように、こういった大上段に構えた欧米基準の政治的目標は『その国で生活する女性の実際の希望・目標』と合致していないことも多い。

男女平等指数、日本3年連続低下の105位 世界経済フォーラム

特に日本では、一般の女性に『職業的地位の上昇(大企業のCEOや経営陣に参画したい)・政治的権力の獲得(国会議員や閣僚になりたい)・フルタイム労働のキャリア獲得や専門家としての役割』などをエネルギッシュに実現することを人生の優先的な課題にしたいと考えている人は少なく、むしろ『自分と配偶者(家族)をセットにした自意識』で人生を捉えることのほうが多いという諸外国との違いが顕著である。

人並み以上の収入や仕事、地位に恵まれても、仕事の時間に追われる生き方が一番望ましいとは思えないという価値観は、女性全般ではそれほど珍しいものではないし、企業・職業分野の第一線で働いていたり独自の職能・資格を持っているような人材を除けば、女性にとって『終身のフルタイム労働(政治的経済的な地位の上昇)』というのは憧れの対象とはなっていない。

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『ヒマラヤのソロ』の登山哲学から見る現代社会と人間関係:孤独・自律・共助の境界を生きる

『山と渓谷(9月号)』の八ヶ岳全山縦走を見ていると、九州の山との『山域の広がり・景色のパノラマ度』の違いを感じる。誌面では4泊5日の行程のうち、観音平から編笠山・権現岳・赤岳までの前半のコースだけでお腹一杯だが、そこまでの縦走でも参考コースタイムでは片道8時間(往復16時間弱)なので日帰りはかなり難しいだろう。長いハシゴや岩場もあり、コースもそれなりに厳しそうな感じがする。

色々な方向から登れる山なので、美濃戸口からの人気コースだともう少し短い時間で登って帰って来れるみたいだ。八ヶ岳の高原トレイルである『霧ヶ峰・美ヶ原の中央分水嶺トレイル』は、景観が熊本県の阿蘇の『草千里』の高原にも似ていて、登山というよりも自然の中を歩く(走る)コースとして魅力的で、八島ヶ原湿原の牧歌的な眺めも良い。

霧ヶ峰北部の『美ヶ原』というのは標高2000メートル付近の360度の展望がある見晴台のような場所で、日本アルプスの山々を遠目で見るのに適したスポットか。総延長45kmもある『美ヶ原高原トレイル』というコースも作られていて、『三峰山・二ツ山・鉢伏山』のロングトレイルなど登山として登り応えがあるコースもトレイルに含まれているようだ。

坂下直枝さんの『冬のアンナプルナ漂流行』は1980年冬のアンナプルナ単独行の経験に基づく読み物としてスリリングだが、『世俗・他者との隔絶感』を求める山行というコンセプトは『現代社会での他者との距離感・集中的に燃焼させる生命感覚』について考えさせられるものでもある。

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“他者の評価・選別のまなざし”と“非難や嫌味ばかり言う相手”にどう対応するか:Self-Esteemの自己啓発3

他人に自分がどう思われているかに囚われ過ぎると、『自分が決めて楽しむ人生』を生きられず『他人が評価(規定)する人生』に埋没してしまうだろう。他人の意見や評価に真摯に耳を傾けることは大切なことだが、他人の言葉や態度をあたかも『自分が従うべき命令・指示』のように受け止めて、『自分のやりたいこと・考え方の自由度』の多くを投げ捨ててしまうことには慎重にありたい。

自分にとって本当に大切な相手あるいは自分のことを本当に思ってくれている相手であれば、その人の意見や注意、評価に最大限の敬意を払って内容をしっかりと聞くべきである。反対に、自分にとって本来どうでもいい相手、人生において重要な位置づけにあるわけでもない相手の、『自分を不愉快にさせるがための意見・批判・小言』などに真面目に付き合ってあれこれ思い悩む(相手から吹っかけてきたトラブルに巻き込まれて、自分のほうが相手の悪意を和らげようとして逆に気を遣ってしまう)のは時間と気力の無駄である。

大切な相手は、あなたの人生・時間・感情の大部分を恣意的に支配(操作)しようとする態度を取ることはなく人格・価値観に対しても相互的な尊重を期待することができる。悪意のある相手は、あなたの人生・時間・感情の大部分を恣意的に支配(操作)しようとする態度を取ることで、貴重な時間や精神力のリソースを奪っていく。

『他人を否定したり落胆させるための優越感ゲーム』に付き合うのはそれが好きな人以外にとっては有害無益だし、『他人の心理的問題』に取り組むカウンセリング的対応は、よほど自分にとって大事な相手でもない限りは(専門家として請け負っているのでもない限りは)あなたがやらなければならない仕事ではない。

意図的にわざと、相手を怒らせたり困らせたり落ち込ませたりすることばかり言っているような常に不愉快・不機嫌(意地悪)な人も稀にいるが、そういった人は自分自身でも解決が困難な心理的問題を抱えている事が多く、その苦しみや怒りの間接的な発散法としての優越感ゲーム(相手をやり込めるような会話)を求めているところがあり、付き合い続けるのは骨が折れる。

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10万円を2週間で貯めるには、『固定費を除いた可処分所得の増加』と『月の消費金額の固定化』が必要である。

10万円を2週間で貯める、5万円を1週間で貯めるには、最低でもそれ以上の収入がなければならず、『家賃・光熱費・食費・交通費』などの絶対にゼロにはできない固定費を差し引いてもなお、それだけのお金が手元に残されていなければならない。月収が20万円前後であればどんなに節約しても、2週間で10万円を貯めることは不可能であり、必要最低限の食費などが不足して健康を崩すことにも成りかねない。

10万円を2週間で貯めたければ、○○は使うな。

『使っても使わなくても良い選択の余地のある出費』をどれだけ削れるかによって貯蓄率は変わるが、『お金を使うストレス解消の頻度・服飾や車、家など社会経済的なステータスの満足』を減らせば減らすほどお金は貯まる。だが、『やりたいこと・欲しいもの・消費と相関する自意識』のすべてを我慢してとにかくお金を貯めるという価値観もそれはそれで偏っているかもしれない。

着るものもボロボロで食べるものも食べずといった極端な貧乏生活をしていた高齢者の部屋から、死後に親族の誰も知らなかったような『数千万円以上の古びた現金』が発見されたりすることもあるが、『市場(他者)に循環させないカネ』はデッドストックであり本人にとっても経済社会にとっても効用がゼロに近いものである。

一般庶民がお金を貯めることの効用は『不確定な将来不安の緩和(高齢・病気・不況で自力で稼げなくなってもまとまった貯金があればなんとか急場を凌げるという考え方)』であり、数千万、数億円以上の現金があってもまだ足りないと思って落ち着かない人には『自己不確実感に基づく貧困妄想(お金があっても自分は貧乏だと思い込む妄想)』が見られることもある。

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“マイルール(自分ルール)へのこだわり”と“他者・環境のコントロール願望”

自分だけにしか通用しない『マイルール(自分ルール)』へのこだわりが、『常同行動・強迫行為・パターン行動』のように病的なまでに過剰になると、アスペルガー障害・自閉症性障害などの『自閉症スペクトラム』に近づく。それは端的に『他者に対する無関心・自己中心の世界観』に行き着くことになり、他者とのコミュニケーション障害をもたらすことになる。

自閉症スペクトラム(自閉症的特性の連続体)は、『自己の内的世界に沈潜する度合い』の問題でもあり、自閉症と無関係な一般の人でも多少は『自分の内面に閉じこもる傾向(内向的な他者と距離を置いておきたい傾向)』を持っている。自閉症スペクトラムの度合いが強まるほどに、『他者を自己の障害(邪魔・刺激)と見なす認知』が強まり、『主観的なマイルール(こだわり行動)』に従った規則的なパターン行動を繰り返すことで安心感や制御感を感じやすくなる。

他人の気持ちを察することができず、共感・配慮・会話を全くしない(しようとしてもできない)というのであれば、コミュニケーション上の弊害があまりに大きくなるが、『マイルールのこだわり』と『出会いのチャンスの喪失』のバーターは、本人にとってはわざとマイルールを押し通すことで『自分と合わない相手(自分に合わせてくれない相手)』を無意識的に選別している可能性もあるだろう。

そういった選別はわがままといえばわがままであるが、自分だけのルールや常識・信念に必要以上にこだわって譲らない人というのは、基本的にわがままなのであり『他者からの干渉・影響』を最小限に抑えることで『関係・状況のコントロール感』を維持したいという人だと言うことができる。

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