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モラルハラスメント(モラハラ)をする人とされる人の心理:上下関係の刷り込みと他者を操作・支配したい共依存的な欲求

精神的な危害を加え自尊心・自立心を貶めるモラルハラスメントは記事の自己愛性パーソナリティーとも関係するが、『他者の操作性・共依存・相手の弱み(立場・経済等)の発見や掌握』も影響している。主従関係を繰り返し刷り込む暗示でもある。

身近にいる? モラルハラスメントの加害者、被害者になる人の特徴

モラハラは大きく分ければ『相手の能力・外見・人生・属性等を馬鹿にし否定して自分を上位にする型(自分がいないとダメと思わせる)』と『自分の怒りや不快を言動・態度でほのめかして相手に察せさせる型』に分けられる。モラハラ概念がなかった時代には陰湿・粗暴で性格が悪いとか気分屋で扱いにくいで済まされていた。

モラハラをする人は、家族・恋人・親友など距離の近い関係において『フラット(対等)な関係・話し合いで合意する関係』を築けないか意図的に築かない傾向がある。猫かぶりすることもあるが、『相手が自分の思い通りに動いてくれないといじける・拗ねる・怒る・無視する』等の幼児的な反応(間接的な要求と攻撃)が多い。

モラハラをする人も、誰でも彼でも意地悪・乱暴な反応や相手を馬鹿にしたり侮辱したりする言動をするわけでは当然なく、『自分が見下しやすい相手(抵抗されても大丈夫そうな人)の見極め』に長けている。一般社会では逆に世俗的な権力・肩書き・財力・学歴等にへつらい、その基準で配偶者等を馬鹿にしやすい。

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『働かざる者、食うべからず』と『四十歳を過ぎたら、人は自分の顔に責任を持たなければならない』は誰の言葉なのか?

『働かざる者、食うべからず』を資本主義の労働道徳と勘違いしている人は多いが、元はプロレタリア独裁(全労働者国家)を理想とする共産主義の道徳律だった。資本主義は資本と経営・投資・土地所有の不労所得を容認する経済制度だが、ロシア革命の指導者レーニンは聖書に由来する『働かざる者、食うべからず』で不労所得を戒めたとされる。

『働かざる者、食うべからず』は、新約聖書の『テサロニケの信徒への手紙二』3章10節にある『働きたくないものは食べてはならない』という一節が語源とされている。

『働かざる者、食うべからず』と同じく、世間に流布する格言で発言者が余り知られてないものに『四十歳を過ぎたら、人は自分の顔に責任を持たなければならない』がある。これは米国の16代大統領エイブラハム・リンカーンの言葉で、閣僚の一人を選ぶ際『ダメだ、顔が気に入らない』で却下しその理由を述べた故事にちなむ。

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自分と他人(友人知人)を比較する人と比較しない人はどこが違うのか?

他人との比較に一喜一憂するかは強いか弱いかではなく、『外向性・内向性の違い』と『標準的な生き方の準拠・交友範囲・他者との距離感』が関係する。他人に動じない人は内向的・メタ的で一人でやる事に終わりがない。

自分を他人と比べて落ち込んでしまう・・・どうすれば強い自分を持てるか

他人と比較し優劣を感じてやる気が出たり落ち込んだりという人は、ある意味では外向的な社交性・競争心や世間一般的な適応意欲・感受性が強い人でもあり、必ずしも悪いことではない。大人になっても友人関係のコミュニティを維持し、頻繁に近況を語り合ったりするような人は、ある程度は人との比較も気になりやすい。

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生命(個体)の継続を否定する『反出生主義』にどう反論できるか?、出産・人類の継続を理性・理屈で論理的に肯定できるか?

現代の先進国の少子化原因(選択的な出産回避)、自己否定的な悲観主義の一つとして、『虚無主義・優生思想』とも関係したデイヴィッド・ベネターらの『反出生主義(antinatalism)』が挙げられることがある。

http://0dt.org/vhem/argue.html

http://chaos2ch.com/archives/4750759.html

反出生主義とは『人生は快より苦が多く生まれてこなければ良かった・生まれなければ何も思い煩う主体がそもそもない』という通俗的な悲観主義・虚無的な厭世感を、『帰結主義・功利主義・確率的な不遇や絶望』から理論化した思想だが、この人間存在(生の意味)の否定の思想を『感情・常識』ではなく『理性・ロジック』で否定することができるかを少し考えてみたい。

反出生主義は『最後はみんな病気・老化・事件事故・自殺などで死んで連続的な意識・記憶は何も残らないという帰結主義』や『人生には確かに快(良いこと)もあるが初めから苦痛(悪いこと)や悪意・死を感じる主体が生み出されないことのほうが全体の不幸が減るという功利主義』から、自分以後の誕生・生命を否定的に見る思想である。

デイヴィッド・ベネターは人の人生に『快・喜びが存在すること』には確かにプラスの価値があるが、人間の存在・意識が初めからなければ『快・喜びが存在しなくても(不幸・無意味にならないために必死になり、快・喜び・意味を感じるための努力や解釈がなくても)別に構わない』だろうと語る。それはそうだ、人間が誰もいない世界では快・喜びを感じる主体、そのために努力や競争をする主体がいないのだからという当たり前の話ではある。

そして、人間の存在・意識がある以上は誰かの『苦痛・悪意・絶望などが存在すること』は絶対に避けられないとして、そういったマイナスの境遇や認識・価値観が一定ラインを超えると(せっかく生み出すことに意味があると信じて生み出されたのに)『生まれてこなければ良かった(初めから自我・知覚がなければ何も感じず何もない状態が続いた)』という反出生主義に転換して苦しんだり死んでしまうこと(誰かを傷つけてしまうこと)さえあるのだという。

さまざまな条件を背負った人間が次々に生まれる以上は、確率的に誰かが不幸・貧苦になったり差別・迫害・侮辱を受けたり、重い病気になったり自殺したり犯罪者(テロリスト)になったり冷酷な独裁者になったりする。初めから誰も生み出されなければそれらの人間の存在・意識にまつわる問題や不平不満のすべてが解決されるというのが反出生主義だが、それはそうだろうとしか言いようがないといえば言いようがない思想である。

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原発事故被災の子供のいじめ問題、 日本の弱者批判・寄付文化の弱さ・自己責任の価値観にあるものは何か?

原発事故避難先でいじめや差別が62%のニュース。日本は生活保護バッシングや旧同和問題・在日韓国人ヘイトもそうだが『社会的弱者・困窮者・旧被差別者・犯罪被害(特に賠償請求者・公的救済者)に対する同情・支援・寄付』は一般に薄く感じる。被害・病気・障害の直後は同情するが『長期化・金銭補償』では冷淡さが出る。

いわゆる弱者利権の現実と妄想の問題だが、端的には日本社会や日本人の価値判断では『弱者利権に対する妄想的なやっかみ(相対弱者の方が得)・非難(社会的負担への不満)』も少なからず含まれる。原発事故でも長期化や金銭補償を嫌う層やそれまで原発で雇用されていた人(誘致・許諾した行政)は自業自得の類の批判もある。

中流崩壊によって健康で仕事があってもかつかつの生活をしている人が増えた影響もあり、『弱者の装いをして不当な利得を得ているのではないか』『みんなそれなりに厳しい生活をしているのに(もしかしたら自分よりマシな経済・家庭の状況では)』といった妄想も含めた不満・疑惑・(リソース配分の)競合意識の膨張もある。

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現代における美貌の相対価値の下落とビジュアルで仕事したい女性の心の隙間:モデル勧誘で契約した人の27%に性的要求あり

今の女性はメイクや服装に気を使い綺麗な感じの人は増えたが、半端な美貌ではちやほやはされても食えない、『人並み以上の自己評価+モデルなど華やかな仕事への憧れ』がうまい話に反応するスキを生む。

モデル勧誘、契約者の27%に性的要求 内閣府調査

社会経験や対人交渉の経験が少ない10代?20代前半の女性を言葉巧みに騙し、契約内容の詳細を説明せず署名させ、コワモテの男で囲んで性的な仕事を強制するのは犯罪行為だが、ほどほどの美人で『性的要素のない外見の撮影だけ』で報酬が貰えるモデルの仕事はまずない。芸能人は『見た目+αの売り・コネ』を持つ人たちだ。

確かに地方の事務所・出版社などで地場企業の広告モデルだったりちょっとした冊子の撮影モデルを募集していることはあり、イベントや撮影会の自己開催のモデルとかの仕事はあるだろうが、それは『華やかな世界、専業で豊かな生活ができるモデル・芸能の仕事』とは遠い地味な世界だ。うまい話は向こうから転がってはこない。

なぜこんな馬鹿げた話に騙されるのか。ビジュアルの職業化・実利化は現代では非学力コミュニティでかなり人気のようだ。『若さと相まったほどほどの美のアドバンテージ(周囲が甘くてちやほや)』は自己の過大評価を生むが、現実(地味なバイトや恋愛)と潜在的な野心のギャップに褒め殺しの誘惑でつけ込まれる。

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