『好きな事業のトップとして意思決定できる起業者・経営者』や『キャリアがあり裁量の効く専門家・プロ』は、パワハラや全否定に必死に耐えて残業している新入社員ではないですからね……
「残業100時間で過労死情けない」武蔵野大学教授のコメントに非難殺到 「考慮が欠けていました」と謝罪
この教授は経営学を講義しているらしいが『パワハラを受けて意識朦朧としながら残業している新入社員がなぜ追いつめられるか』を理解できていない。自らの野心・目標にギラギラして何日も会社に寝泊まりする経営者、ノウハウや求められる仕事を知悉した専門家は『理不尽な圧迫・否定』がないから残業時間ではまず死なない。
単純な残業時間の長短が人間を自殺にまで追い詰めるのではない。『一人の人間として尊重されずに理不尽な指示命令・ダメだしを延々受けて、無理に長時間働かせられる』から優秀な人材でも眠れず正常な精神を維持できなくなる。起業家のような主体的に意思決定・人材管理をする者は、長時間労働だけで死ぬ事はまずない。
人間は『自分がやりたいこと・達成したいこと・自由に決められること・仲間が自分の力を認めてくれる状況』なら、ハードに残業してもそれが理由で死ぬことはない。主体性が許されれば若い人なら寝袋で少し仮眠を取れば『もう少しやるかの気概』も取り戻せる。過労死は少なからず『精神的な圧迫・虐待の色彩』があるものだ。
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不正な検査方法によってカタログ値を実際よりも良く見せかける捏造は、少し前にも独VW(フォルクスワーゲン)のディーゼルエンジンの排ガス不正問題の事例があった。排ガス不正問題は、トヨタと世界トップの販売台数を争っていたVWの世界販売台数に大打撃を与え、高額な賠償金・制裁金による損失も数千億ドルの莫大なものになった。
燃費不正の誘因として『燃費・今風を売りにしたハイブリッド車の普及率増加』があり、トヨタのアクアとプリウスが常に国内販売台数のトップを占める中(プリウスは車格が大きく本体が高いため新型発売からしばらくすると若干順位は落ちるがアクアはほぼ不動のトップにある)、非ハイブリッドのガソリン車(特に新車市場)は燃費競争において非常に苦しい位置づけにある。
軽自動車にはハイブリッドはないのだが、ここ数年は軽自動車の大型化・ラグジュアリー化(質感アップ)が進んでおり、本体価格(ホンダのNボックスなど高いモデルにオプションをつけると軽でも200万を超えてくる)がハイブリッド・普通車よりも圧倒的に安いというメリットを失ったため、『軽自動車間の競争激化』と『ハイブリッド・普通車との競争激化』の二つの波に晒される。
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先進国の廃棄食品は概ね食べても健康被害はでないが、法規制と万一の食中毒のリスクがあり流通させられない。購入後の期限切れ食品は自己責任で食えるが、売り手はリスクのある食品を隠して売れない。
コンビニ・大手スーパー商品も…廃棄食品、横流し続々
スーパーの消費期限切れ商品の『シール貼替え』などもあったが、確かに法的・慣習的に定められた期限は『目安』で、それを少し過ぎても多くは安全に食べられるし、途上国の食材の鮮度と比較すればマシだろう。売り手からすれば自分でも食べられるものだからという安直な考えが起きやすいが、商倫理・情報開示の問題である。
先進国の消費者が販売者に求める『商品の安全性・販売経路・売り方の誠実さ(産地・期限・材料・添加物など情報開示の透明度)』のハードルは過去にないほど高くなり、『問題なく食べられるなら良いの最低限のハードル』では食品を売れなくなった。仮に相当な割引をするなら自己責任で買うという消費者がいても売れない。
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甘利明経済相に建設業者の口利きの「政治とカネの問題」が浮上したが、本人に現金50万を手渡した証拠(録音テープ)が事実なら責任回避できない。答弁も「記憶が曖昧なので整理したい」と言葉を濁していたが、建設業者から自分自身が現金供与を受けていないとはっきり断言したわけではない。
<甘利氏疑惑>政府・与党に危機感 TPP審議、影響必至
千葉県の建設業者は「URとの間の複数の建設トラブル」があり、甘利明氏の事務所に相談した。紛争仲介の口利きをしてもらった見返りに現金・接待で合計1200万円を贈賄したとされる。初回の口利きで、建設会社に2013年8月、URから約2億2000万円の補償金が支払われたが別件の建設紛争は解決できなかった。
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保守派を自認する安倍政権にとってリベラルな今上天皇が「戦後レジーム・戦後民主主義の代弁者」になっている構図はシニカルだが、日本にとっての象徴天皇の位置づけは歴史・民意の結節点になりやすい。
<天皇陛下>82歳に 戦後70年「先の戦争を考えた1年」
“改憲・安保法制(集団安保)・歴史教育(大東亜戦争の評価)・沖縄基地問題”などは、確かに安倍政権の特徴の一つで、多くの政治対立の原因となっているが、日本の時代精神や外交・世論が180度変わる時には、当代の天皇陛下ではないにしても、今上天皇の発言・価値観にも何らかの変化が見られるはずだ。
天皇の治世が『元号(明確に区切られる歴史的時間軸)』と共にあるという『時間支配の記号化(数値化)』は、世界的に見ても世襲王朝が断絶した民主国家ではかなり特殊な遺制だ。昭和の戦争が大東亜戦争を想起させるように、日本人の時代感覚・価値・記憶と元号は現状では西暦以上に切り離せない所与の時間概念である。
天皇陛下本人が老いの影響を折に触れて述懐されているが、天皇が崩御するまで『元号』が続き、原則引退できない慣例は健康・人権の観点からも改める必要がある。明治以前の天皇は上皇・法皇になる事ができたが、近代日本は院政の歴史等から『最高権威の分裂・万世一系の乱れ』を警戒し、元号・天皇の唯一性を強調した。
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日本の雇用は『新卒採用+企業内キャリア』がメインで『企業外の学校・資格・経験』を重視しないメンバーシップ型である。スキル・成果による給与差は小さい。
「人材のミスマッチ率」が世界最悪の日本 企業が大学教育を軽視し、高スキル人材を厚遇しないから?
日本は大企業ほど『個人の突出したスキル・成果・発明価値(特許価値)』などを金銭面では評価しない。中村修二(カリフォルニア大教授)の『青色LED訴訟』では、青色LEDの発明対価は約600億円と計算されたが、勤務していた日亜化学工業はその発明に対して2万円しか報奨金を払わず訴訟の泥試合になった。
日亜化学工業は、会社が中村修二の『青色LED開発に必要な留学・環境・資材・安定給与』を保証していたからこそ、この研究が実を結んだ、中村氏個人が会社のバックアップなしで研究していても成果は出せなかったはずというもので、日本の平均的サラリーマンの研究者で通常の知財ならこの言い分が通るケースの方が多い。
日本のサラリーマン研究者は『発明対価の高額請求』より『終身雇用の安定』を選ぶからで、数億円以上(生涯賃金以上)もの価値がある発明ができる人材は殆どいないからだ。日本の雇用は、一度正規メンバーとして採用すればよほどの理由がない限り馘首しない『メンバーシップ型雇用』でそれが『スキル型雇用』を抑えてきた。
メンバーシップ型雇用とは、かつての日本企業の経営手法が『家族主義経営』と呼ばれたように、企業全体を擬似家族的な共同体のように見なし、一度正規メンバーにしたものを容易には切り捨てない代わりに、『最大限の忠誠心(副業禁止・長時間労働・会社を第一とする人生設計)』を要求するというものである。
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