受験に失敗した高校三年生の兄が、それをからかった小学五年生の弟を刺したという事件か。少し前も受験で母子の心中事件があったが『詰め込み時代の受験ノイローゼ』のようなものの再来が起こっているような感覚にさせられる。
受験の失敗を人生の失敗とする短絡な白黒思考だが、学歴の競争と格差社会の将来不安・不利が結びつきやすくなっており、それに対する挫折感にセンシティブになりやすいのかもしれない。
「レールに沿った生き方」とか「リスクの小さな進路」とかにもつながるが「一つだけの価値観・生き方・人間関係」だけに凝り固まって「これがダメになったらすべてダメ」と考えるのは人生の破滅・転落・事件を導きやすい。思春期挫折症候群なる概念もあったが「これがダメならどうするか」の柔軟さと方向転換が大切だ。
人生では思い通りにならない局面や逆境が少なからず起こってくるものだが、『他人』や『モノ』に当たって殴ったり刺したり壊したりしても、本質的な問題状況は何も解決せず余計に自分の立場が悪化する(あるいは殺人・傷害致死等で人生が破滅に近づく)。
続きを読む 高学歴・高収入であれば現代の『勝ち組』といえるのだろうか?:格差社会で過熱化する学歴競争の揺り戻し現象の弊害