「安全保障」タグアーカイブ

沖縄県知事選で“辺野古移設反対派”の翁長雄志氏(前那覇市長)が当選

宜野湾市の『普天間飛行場』は、市街地上空を米軍の戦闘機や輸送ヘリが頻繁に飛行する日本で最も危険な駐留米軍基地であり、日米軍事同盟の負担が偏って集積している『沖縄県の政治的位置づけの象徴』でもある。

普天間飛行場は自公政権下のアメリカとの交渉によって、普天間よりは県民への危険性が低い『名護市辺野古沖の埋立地』に移設されることが決定していたが、民主党の政権交代時に鳩山由紀夫元首相が『県外移設』を切り出したことで、米軍基地の半永久的な滞在を歓迎しない沖縄県民の本音が噴出した。

鳩山氏が米国との具体的な県外移設交渉を進展させられずに暗礁に乗り上げたことで、『普天間飛行場』は再び辺野古沖移設の前案に差し戻された。だが、いったん県外移設の夢を見せられた沖縄県議と過半の沖縄県民は『県外移設案』に留まり、自民党の沖縄県議にも自民党方針に逆らう県外移設を主張し続けて、除名処分を受ける者が少なからず出ている。

沖縄県知事選 翁長氏が初当選

沖縄県知事選では、普天間飛行場の辺野古移設を沖縄県の産業振興・雇用促進の地方交付金と補助金の増額(グアム移転・嘉手納基地返還を含む基地負担の包括的軽減策)によって認める方針であった現職の仲井真弘多(なかいまひろかず)前知事は落選した。

続きを読む 沖縄県知事選で“辺野古移設反対派”の翁長雄志氏(前那覇市長)が当選

オスプレイMV22の佐賀空港への配備計画:1機100億円ともされるオスプレイの購入費用の高さと戦争経済

オスプレイの問題は『事故率』より『1機約100億円の価格』。日本の離島防衛や集団的自衛権を理由に高額な最新兵器を米国から買うが、オスプレイの投資対効果に見合う作戦は実際は殆どないのでは。

自衛隊「オスプレイ」、佐賀空港配備の裏側

オスプレイMV22は『航空機の高速移動・長距離移動』と『ヘリのホバリング・垂直離着陸(滑走路不要)』のハイブリッドな特長を持つ。基本的には兵員の輸送や敵地・遭難地からの人員救助に役立つ機体だが、敵地への上陸戦を前提としない日本の安全保障に必要な機体数は限られている。積載能力も極端に高いわけではない。

続きを読む オスプレイMV22の佐賀空港への配備計画:1機100億円ともされるオスプレイの購入費用の高さと戦争経済

沖縄県の普天間飛行場の辺野古への移転計画と生態系への影響:安全保障の必要性を訴えながらも負担を回避する先進国の人々

市街地近郊にある危険な普天間飛行場の移設は急務だが、辺野古のような埋め立ての必要な土地より、既存の飛行場の拡充・併用の方が環境負荷は低い。生物多様性の生態系への悪影響は不可避だろう。

辺野古の海は新種の宝庫 埋め立てで生態系損なう恐れ

在日米軍基地は安全保障のために必要というが、誰も『自分の居住地の近郊』に誘致する事に賛成の人はいない。沖縄県は地政学的要因はあれど戦中も戦後も『本土の防波堤・捨て石』的な扱いはある。集団的自衛権も東アジアの安定秩序のために必要というが大半の人は『機雷掃海・紛争地帯の派遣・米軍の支援』には応じない。

続きを読む 沖縄県の普天間飛行場の辺野古への移転計画と生態系への影響:安全保障の必要性を訴えながらも負担を回避する先進国の人々

安倍政権の集団的自衛権・富国強兵路線と徴兵制を危惧する意見:現代の戦争から失われる当事者意識

安全保障を外国任せではいけないという論法で集団的自衛権に賛同する人が、海外派遣・自衛戦闘の任務を自衛隊(自分以外の国民)任せにして、一般国民(自分)の徴兵は有り得ない話だとするのは道義的な矛盾はある。

安倍首相が猛進する富国強兵 少子化で徴兵制も

自衛隊(軍隊)に志願しているのだから一定の生命・身体の危険は覚悟のはずだ、自分で決断・選択していない国民と隊員の責任は違うはずだというのはその通りだが、戦後に一人の戦死者も出していない自衛隊の海外活動で死者が出始めれば、志願者・入隊者が減少する可能性はある。

続きを読む 安倍政権の集団的自衛権・富国強兵路線と徴兵制を危惧する意見:現代の戦争から失われる当事者意識

集団的自衛権・抑止力と徴兵制の懸念にまつわる議論

同盟国(密接な関係にある国)が攻撃を受けた時に、日本も一緒になって防衛・護衛(応援)のための戦闘に参加できるという集団的自衛権には、『日米同盟の深化(米国の世界戦略との共同歩調)』と『国連の平和維持活動(国際協力活動)に対するコミットメント』という二つの側面がある。

集団的自衛権は徴兵制につながるのか?

前者の『日米同盟重視』は、20世紀の連合国軍の中軸を占め、『米ソ冷戦』にも勝ち残った勝ち組のアングロサクソン国家アメリカ(自由主義を推進する世界最強の軍事国家)に追随してさえいれば、双務的な日米同盟が万全の国家安全保障として機能するだけでなく、自由・人権を擁護する価値観闘争においても優位なポジションを保てるという信念に支えられている。

後者の『国連中心主義』は、国際機関である国連と普遍的理念を示唆する国連憲章の権威を日本が積極的に認めて、国連が行うPKOや災害復興支援などの役割を日本が自律的に果たすために、共同で任務に従事する友軍が攻撃を受けた場合に『駆けつけ警護』を可能にするものとされている。将来的には、国連の安保理・常任理事国の決議を得た『侵略国家・虐殺国家に対する集団安全保障体制(国連軍による軍事制裁)』に、日本も自衛隊の犠牲を覚悟して参加するといったレベルの集団的自衛権も想定される可能性がある。

集団的自衛権の行使をしなくても自国を侵略から守るという意味では、自国が攻撃されたり攻撃される恐れが十分に急迫している時に武力行使できるとする『個別的自衛権』でも対応が可能である。

そのため、集団的自衛権を行使するということは、『軍事同盟・友好関係による仮想敵の設定(仮想敵を攻撃することによる敵対関係の形成)』を意味することになり、集団的自衛権は武力による威嚇を含んだ『抑止力』として『仮想敵国の危機感・軍事緊張(軍拡競争)』を煽る恐れも強くどっちに転ぶかは分からない。

軍事力で仮想敵国を間接的に威圧・脅迫する『抑止力』は、将来の戦争を先延ばしする効果はあるかもしれないが、勢力均衡の米ソ冷戦下でキューバ危機や複数の代理戦争が起こったように『抑止力による威嚇・圧力』が強まれば強まるほど、潜在的な反発心(相手の真意を疑ってやられる前にやったほうが良いの先制攻撃の誘惑)も高まりやすい。

続きを読む 集団的自衛権・抑止力と徴兵制の懸念にまつわる議論

集団的自衛権と『日米同盟・中国の仮想敵国化・世界の平和と安定への貢献・徴兵制の懸念』をどう考えるか。

国民の生命・財産を守る安全保障は、本来EUの如き地域共同体・価値の共有に近づく方向性でないと破綻する、『仮想敵国・抑止力の安保』はアドホックなだけでなく国民が国内の権力・制度に使役される。

<沖縄・長崎>体験者、語り継ぐ決意新た「もっと危機感を」

独裁体制で人権が守られない国、軍が国内で大きな権力を握る国では、『仮想敵の設定・思想の統制(反対者の弾圧)』によって、建前では『国民を対話不能な外敵から保護する権力の正当化(そのための思想教育)』を図り、『反権力・自由主義者・平和主義者を無責任な非国民(敵性勢力)』として弾圧する。

集団的自衛権と徴兵制は必然的なつながりは持たないが、『野蛮・残酷な外敵と戦うために一致団結する必要性の喧伝(協力しない者の差別・排除)』が強まれば、『国家のために自己犠牲を払う事を善とする教育・メディア』となる。徴兵制を敷かなくても『好戦的な世論・仮想敵の憎悪・格差と貧困の拡大』はその代替効果を持つ。

続きを読む 集団的自衛権と『日米同盟・中国の仮想敵国化・世界の平和と安定への貢献・徴兵制の懸念』をどう考えるか。