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『妻が見送りしてくれなかった・もっと妻に構って欲しかった・パワハラで苦悩していた』で自宅に放火した父親の心理

「妻が見送りにこなかった」 大分の火災で容疑者供述

養っている妻子を自分の所有物のように認識し、自分の労働への感謝として『妻の献身・子の従属』を義務的に求める悪しき家父長制の残滓を感じさせる放火事件。家族を守ると支配するを混同した怒り。

妻が見送りに来なかったという理由で放火したというが、根底に『精神を壊してまで働いているのに十分に感謝・尊敬をされていないという被害者意識』や『家族の為に無理して働いているのにその見返りが不十分という不条理感』があり仕事・心理の不調に夫婦関係の冷込みと人生の苦難の責任転嫁が重なったのではないか。

『見送り・出迎え・弁当作り(食事の支度)』などを分かりやすい女性の愛情表現として受け取る男性は多いといえば多いが、それを『妻の義務』として認識し、しないと激怒・罵倒するタイプは『性別役割規範に基づく夫婦関係』から離れた時に、思い通りにならない相手・状況に対して暴力的な逸脱や異常な混乱を起こしやすい。

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給食費を支払わなければ、子供の給食停止の措置は正しいか?,シエンタのデザインの変更についてなど

給食停止、やり過ぎか 埼玉・北本市「未納なら弁当を」

親が給食費を払わないのは『子供の責任』ではないが、学校が『家庭の所得・資産』の補足までする事は難しいので、払えるのに払わない親への脅しのブラフにはなっているのだろう。

成熟した先進国の学校教育制度として、本来は給食費の全額を税負担できればいいのだろうが、『1人4500円』というのは全員分を公費負担するには財政的に安い金額でもない。

子供に恥をかかせるような制裁をちらつかせないと、給食費を支払ってもらえないというのは情けない状況であるが、『払いたくても払えない』のか『はじめから払うつもりがないだけ(給食費以外の別の娯楽費などに回したいだけ)』なのかの見極めが難しい。

自宅で昼御飯を食べても1食150円以上は使うので、給食は金額面だけ見ればかなり割安な価格ではあるのだが、本当の貧困世帯にとっては月5000円は安い金額ではないだろう。

カフェの飲み物が一杯500円くらいすることを考えれば、食事としては安いといえば安いのだが、所得・資産の格差は大きくなっていて、『子供の貧困率』は3割近くにまでなっている。ぎりぎりの生活なら就学援助など然るべき手続きの申請をすべきだ。1日何百円かの節約や収入増加の余地があれば良いのだが、払えるのにケチっても仕方ないとは思うが。

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子供のスマホ利用にルールは必要か?:未来のウェブ社会を犯罪に巻き込まれず自由に生きられる教育を。

子どもスマホ、9割ルール必要=犯罪被害防止、アプリ制限で対策―警視庁アンケート

インターネットは大人でも面白くて便利なツールで、ついつい時間を忘れてのめり込みやすい。無限のコンテンツとサービスが溢れており、コミュニケーションとビジネスの機会も数限りなくある、リアルとも連結できる『もう一つの世界』としての魅力がある。

そのもう一つの世界であるインターネットは、使い方次第で毒にも薬にもなるわけだが、判断能力が未熟な子供には『一定の親の管理と確認・ルール設定』が必要になるとは思う。

非難されることが多い『広義の出会い系(SNSからの出会いも含め)』にしても、現代ではインターネット経由の出会いから恋愛・結婚に進展する人が無視できない割合になっていて、インターネットで何らかの接点・話すきっかけができるというのはそれほど珍しい出会い方ではなくなっている。

更に、ネットやアプリが関係するビジネスが生み出している雇用や技術も多い。リアルとネットは厳然と区別する事はできない。ネットの自己表現や対話がまったくゼロで良いという人も少なく、現代では大多数の人がネット経由の人間関係も欠かすことのできないものになっているだろう。

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映画『海街diary』の感想

総合評価 81点/100点

看護師として早くから働き妹たちを支えてきたしっかり者の香田幸(綾瀬はるか)、自由奔放に恋愛を楽しみながら男運に恵まれない香田佳乃(長澤まさみ)、スポーツショップのおじさんと付き合う個性的でマイペースな香田千佳(夏帆)の三姉妹の元に、母親が異なる中学生の妹・浅野すず(広瀬すず)が加わって、それぞれの人生や内面が入り組んだ四姉妹の共同生活がスタートする。

父親も母親もいない美人四姉妹の旧家での日常生活や人間関係の変化を描いた映画である。『父・母・子が揃う伝統的な家族形態』に依拠できなくなっている人たちの増加を背景にして、精神的・生活的な自立や女性同士の相互扶助を迫られる『現代を生きるある種の女性像(親・男に依拠することが困難な女性の居場所づくり)』に対して、戯画的な象徴とドタバタな関係を通してフォーカスしようとした作品のようにも見えた。

港町の穏やかな風景の中で、四姉妹の人生の悩みや葛藤が語られ、色々なトラブルが起こったり新たな事実が分かったりするのだが、綾瀬はるか演じる長女の香田幸は『擬似的な父親(三姉妹を支える経済的・精神的な柱)』として機能しながらも、普通の女性としての人生を歩みづらくした『潜在的な親(子を捨てて女・男を作り身勝手に家を出た二人)への怒り』を抑圧している。

潜在的な親への怒りは、『父親の死の知らせ』によって行き場所を失って弱まり、父の後妻となっていた女性の演技的な泣き顔や発言によってある種の白けた感情へと変化する。その父親が残していた一人娘が、中学生の浅野すずなのだが、実母は既に死去しており、後妻というのは『父の三番目の妻』であり、田舎町ですずは非常に肩身の狭い立場に立たされていた。

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宝くじに当選したら何に使うか?「孤独死」を身近に感じる人が4割を超す。

ドストエフスキーは「貨幣とは鋳造された自由である」と語ったが「貨幣でしか享楽・安心できない人」と「貨幣で時間(行動の自由度)を買いたい人」では自ずから使途は変わる。老後の為の貯蓄の多さが目に付くのは、いくらお金があっても安心できない「現代の悲観・将来不安の象徴」のようにも思える。

宝くじに当選したら? 大金の使いみち

宝くじに当選しても「1億円以下の当選金」なら、ディフェンシブな貯金が大半を占めることになるだろうし、物欲が強い人なら高級車・家・家電・衣服などを買ってそれで半分くらいは使ってしまいそうである。子供や親族に分配する人も多いだろうが、独身者あるいは異性が好きな人だと、女(男)で逆に身を滅ぼすタイプも出てきやすい。

ロト7とかビッグとかの5億円、7億円などの高額当選だと、生涯賃金相当のお金を貯金した上で、更に自由に投資・消費に回せる余裕があるので、人生の自由度は格段に高まるが、「寄付・公益事業(慈善事業)・社会的投資に回すほどの社会的意志・思想性」がある人はそう多くはなさそうではある。

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動物虐待をする子供の心理:親の育て方や動物への接し方による子供の情操教育

動物虐待は『生命(人生)の価値の懐疑』とセットになった反社会性だが、自分が愛情や共感を受けてこなかった成育歴が関係する事も多い。なぜ動物・人を殺してはいけないのかという倫理的な問いかけに対して、『相手の立場に立った想像力』がほとんど働かないか、相手の痛みや不快を無視した行動を反射的にやってしまう。

激しい暴力でよその飼い犬を殺した小学生。重い刑の可能性も

小さな子供は大半は犬・猫・うさぎ・鳥などの動物が好きなもので、ちょっと触れば『ふわふわして可愛い』とはしゃぎ、動物と目が合ったり餌を食べにちょこちょこ近づいて来ると『自分になついて可愛い・うちでも飼ってみたい』となるものである。

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